町全員が役者 小鹿野歌舞伎

同社、ひいては同町全体を語るにあたっては小鹿野歌舞伎も忘れてはならない。

その歴史および特徴

歌舞伎というと銀座の歌舞伎座で演じられているものが有名だが、全国には至る所で地元の人々による地芝居として歌舞伎が演じられている。

同歌舞伎もその一つだ。

同歌舞伎が演じられるようになったのは19世紀初頭の江戸期中頃とされている。それ以前にも歌舞伎が演じられていたというが、地元出身の初代坂東彦五郎が若者たちに歌舞伎を教え一座を結成したことが大きいようだ。

明治・大正期には秩父一帯はもちろん群馬県でも演じられていたというほど人気の高い演目だったが、戦間期を経て昭和の中頃になると映画やテレビの台頭で衰退する。

しかし文化財保護の機運が高まり1973年に小鹿野歌舞伎保存会が結成され、継承にあたっている。

現在では町の6地域に受け継がれている同歌舞伎。

常設舞台や祭り屋台で演じる演者はもちろん黒子や小道具用意も全て地域住民の手によって行われており、まさに町全体が役者と言える。演目も若者歌舞伎や子ども歌舞伎など様々だ。

こうした機会が地域住民にとって世代や居住区を超えたコミュニケーションの場になることは想像に容易い。

開演スケジュール

同歌舞伎は地域ごとに年間を通じて概ね以下のスケジュールで演じられる。同社では4月第三土曜日に開催される例大祭および小鹿野春祭りにあわせて開催される。

  • 十六歌舞伎(日本武神社祭り):3月第二土曜日
  • 小鹿野屋台歌舞伎(小鹿神社例大祭・小鹿野春祭り):4月第三金曜日
  • 津谷木歌舞伎(木魂神社祭り):5/3
  • 奈倉女歌舞伎(妙見宮祭り):10月第一土曜日
  • 両神・小森歌舞伎(諏訪神社祭り):10月第二土曜日
  • 郷土芸能祭(小鹿野文化センター):11月第三金曜・土曜日
  • 上飯田歌舞伎(八幡神社鉄砲祭り):12月第二土曜・日曜日

中でも注目は10月第一土曜日に行われる奈倉女歌舞伎。全国的にも珍しく女性のみで演じられる歌舞伎だ。

歌舞伎の由来は出雲の阿国による女歌舞伎なのはご承知の通りだと思うが、江戸初期には禁じられ男歌舞伎が主流になった。そんな中で行われているこの女歌舞伎は、歌舞伎本来の姿を残すものとして特筆に値する。

他にも地域間文化交流事業として町外でも行われている同歌舞伎。2018年ではロシアにおいて子ども歌舞伎が行われている。

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スポット紹介

◇小鹿神社

  • 住所:埼玉県秩父郡小鹿野町小鹿野1432
  • 電話番号:0494-75-2437

つづく

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