埼玉にも「幕張豊砂」!? 久喜市・東鷲宮駅を巡る

3/18(土)のダイヤ改正で、東京と千葉の蘇我を結ぶJR京葉線に新駅となる幕張豊砂駅(千葉県千葉市美浜区)が開業した。上下線でホームの高さが異なることが特徴だが、そのような構造の駅が埼玉県内にも存在している。JR宇都宮線の東鷲宮駅(久喜市西大輪)だ。

「元祖」たる同駅に降り立ち、その周辺を巡った。

貨物線の干渉防止で

1日あたり平均乗車人員が7,687人の同駅は東京から51.6kmに位置し、普通電車のみ停車する。

駅としての開業は1981年4月だが、元は貨物駅として開設。同駅東側に貨物駅と当時工事中だった東北新幹線の保線基地を設置するにあたり、新設された。その際に下り線から分岐する貨物線が上り線に干渉しないよう、下り線を地平に上り線を高架とした。「2代目」たる幕張豊砂駅も同じような理由で同構造を採用している。

旅客駅としては1982年6月に営業を開始したが、当初は一部列車のみの停車だったという。

その後貨物駅は1986年に廃止されたが、ホームの移設は費用などの関係で行われず現在に至る。同駅東側に設けられた保線基地は現在も稼働中で、久喜駅方向に伸びる連絡線を通って東北新幹線の軌道に保線車両が出入りしている。

同駅から幕張豊砂駅へは、東京駅で京葉線乗換(標準1時間59分、¥1,342)や、久喜駅から東武線利用で新越谷駅で武蔵野線(京葉線直通)に乗換(標準1時間47分、¥1,183)などのルートで行くことができる。

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東西で異なる街並み

東側には広大なニュータウン

同駅の出入口は西側に設けられた西口1ヶ所だが、東西を結ぶ地下道やアンダーパスも複数整備されており、東西移動に不自由はない。

西口はロータリーが広がるが、周囲は低層の住宅が建ち並ぶ住宅街となっており、商店は少ない。パークアンドライドを見越してか駐車場が多いのも目立つ。それでも西に5分ほど歩くと交通量の多い県道3号さいたま栗橋線が通り、同道路沿いに飲食店や百観音温泉も立地する。

一方で地下道を潜って東側に出ると近代的なマンションが多く立地する。同地区は東鷲宮ニュータウンとして整備され、新興の団地や住宅地となっている。東京からも通勤圏内であることからベッドタウンとして人口も増加傾向にある。

「2代目」さながらイオンも!?

同駅東側には広大な商業施設の跡地が広がる。

これは昨年4月まで営業していたイオン東鷲宮店をキーテナントとする、パルモール(東鷲宮商業事業協同組合、同市桜田)の旧店舗。もとは1986年4月にダイエー東鷲宮店として開業し、イオンとなってからも長く地域の買い物の拠点となっていた。学習塾など専門店も多く営業していた。

しかし、建物の老朽化などを理由に惜しくも昨年4月に閉店。専門店は旧店舗横に仮設店舗を設けて引き続き営業中。現在は旧店舗の解体が進められており、跡地には来年夏の供用開始を目指して新たに商業施設が建てられる。1階にヤオコー、2階に行政窓口など同市公共施設が入る予定だ。

地域住民にとって買い物がやや不便になったが、周辺では移動スーパー「とくし丸」も稼働。また、同駅から800m離れた箇所にベルクベスタ東鷲宮店(同市桜田)もあるなど、極端に不便というわけではないようだ。

ところで、「2代目」幕張豊砂駅近隣にも巨大ショッピングセンターのイオンモール幕張新都心が位置している。入れ違いにはなったが、このようなところにも両駅に浅からぬ縁があるようだ。イオンモールの旗艦店として設けられた同モールは一施設としては店舗面積日本最大だが、モール全体で日本最大なのは越谷市にあるイオンレイクタウン(越谷市レイクタウン)だ。

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「不満あっても住めば都」

同店の閉店に関して、「今までが便利すぎた」と地域の年配女性。買い物はやや不便になるが、近隣には東鷲宮病院もあり小学校も2ヶ所あるなど、生活していく上では十分な環境となっている。

ニュータウンができて30年近くになるが、長年住んでいる住民も多く住民の間で交流の輪も広がっている。同駅東側に花壇ができてからジョギングを楽しむ者や井戸端会議に興じる者も多くいるという。

住居も子どもも多く駅にも近い環境だからこそ、「不満があっても住めば都」と同女性。

沿岸部で商業施設や高層ビルが建ち並ぶ「2代目」とは正反対ではあるが、「元祖」の東鷲宮駅は地域住民に愛され住まい触れあい合う場として今後も発展していくことだろう。

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