こどもの居場所として 川越・三輪駄菓子屋すいすいがグッドデザイン賞受賞

少子高齢化によりこどもたちのコミュニティたる駄菓子屋が減少傾向にある。

そのような駄菓子屋の代わりとして、川越市牛子小学校近くで週に1回営業する移動式の駄菓子屋・三輪駄菓子屋すいすいが経済産業省のグッドデザイン賞を受賞した。

三輪駄菓子屋すいすいとは

同店は同小学校学区で週1回営業する移動式の駄菓子屋。三輪というのは三輪自転車を用いていることに由来する。

開店のきっかけは同小学校学区に唯一あった駄菓子屋が閉店したことで、駄菓子屋の持つ独特の雰囲気をこれからのこどもたちにも伝えていこうと2018年より始まった。

昨今はまちなかの公園でこどもに声をかけるだけでも不審者扱いされてしまう。少しずつ大きくなる地域のこどもたちを見ながら、何とかこの貴重な時間を双方向的にうまく活かせることはないかと考えていた時に、こどもたち側から寄ってきてくれる「駄菓子屋」に着目した。

こどもたちの小遣いに合わせた10〜30円程度の商品を販売し、「ジャンケン大会」として一人一回勝ったら好きな駄菓子を一つプレゼントするという取り組みも行う。

営業の効果

営業開始から2年ほどが経過する。

ありがとうを言わなかったこどもがきちんとお礼を言うようになったり、いくら買ったか計算できなかったこどもがおつりを言いながら金を渡してくるようになったり、営業を続けるうちに成長が少しずつ見られるという。

学区のこどもたちや保護者にも徐々に認知が高まり、実際に足を運んでくれたこどもや保護者も喜ぶ顔を見せてくれている。

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審査委員の評価

受賞に際して、同賞審査委員の評価は以下の通り。

同じ駄菓子を買うとしても、駄菓子屋であるか否かによって、体験できる時間は変わるのではないか。
その違いは、店主とのコミュニケーションの有無ではないかと想像する。
しばらく店内にいても良い安心感、購入するときに交わされる会話。
「三輪駄菓子屋すいすい」は、自分の街に駄菓子屋がなくなったことをきっかけにはじまった移動式の駄菓子屋。
この場所が居場所と思える子どもたちの存在を感じさせる。
この試みがグッド「デザイン」と言えるのは、売上や結果を共有するなどして、後進にも経験を伝えていることだと思う。

個人的に動いていた活動故にどこか方向性が間違っているかもとも思っていたが、受賞を知った際には講評文を見て良かったと感じたと同店。

地域のこどもたちのための場に特化し、こどもたちが楽しくなるような雰囲気を意識していることが受賞につながったと分析する。

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読者へのメッセージ

活動自体はこどもが小学校から卒業する6年間の活動と区切っている。その間に駄菓子屋やそのような雰囲気のある場が地域に生まなれればそれに越したことはないが、今後も移動式のメリットを活かして更にこの時代ならではのことをやっていきたいと同店。

こどもたちは、注意されたり、叱られたり、命令されたり、という状況が、ほめられたりする機会より圧倒的に多い。

こどもたちの存在そのものを喜び、共に同じ目線で対話し、共に駄菓子を通じむ移動式駄菓子屋は簡単にスタートできる。
「もっともっとこういったこどもたちのための場が増えることを願ってます」と同店。

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