中山道北側の奥ゆかしい世界
和宮も潜った旧本陣門
少し同道北側に入るとなお一層奥ゆかしい世界が広がる。
やってきたのは田村本陣正門 。
本陣というのは宿場町の中でも大名や幕府役人など宿泊するほどランクの高い旅館のことを指すが、江戸時代の本庄宿には北に田村本陣、南に内田本陣と2つの本陣が設けられた。そのうち前者の正門を移設したものが同所となる。本陣というだけあり、その造りも武家屋敷と思わせるほど威風堂々としたものだ。
記録によると1642年より宿泊履歴があるという同本陣。
江戸末期の1862年に和宮親子内親王が徳川一四代将軍徳川家茂に嫁ぐといういわゆる降嫁の際には、同道を通り京都からの道すがら同本陣に立ち寄ったとされる。もちろんこの門をくぐったのだろう。
役目を終えた資料館ー旧本庄警察署
そのさらに奥にはレトロで別荘のようなハイカラな出で立ちの建物が建つ。
なんとなく旧埼玉県師範学校の鳳翔閣(現:さいたま市立浦和博物館、1873年築)のように見えなくもない。
これは1883年に造られた旧本庄警察署で、1972年に県の指定有形文化財となっている。
パンテオン神殿と同じくコリント式西洋建築を採用した同署は、2階のベランダにアカンサスの葉を彫刻した柱が並ぶ。半円窓や天井の灯火掛けのレリーフと、随所に明治期の洋風建築の特徴が見られることで知られる。
警察署移転後は消防団本部や公民館など様々利用されたが、1979年に解体され警察署時代の写真を元に復元。1980年より同市歴史民俗博物館として利用されてきた。
しかし同館は本庄早稲田の杜ミュージアム(詳細は後の回で)が開館することに伴い、今年2/29をもって閉館。空き家にはなったが市のシンボルとして保全活動が続けられる予定だ。
スポット紹介
◇藏髪
- 住所:埼玉県本庄市中央3-1-24
- 電話番号:0495-24-7731
- 営業時間:9:00〜19:00
- 定休日:月曜日、第2火曜日
◇宮本蔵の街
- 住所:埼玉県本庄市千代田4-2
◇旧本庄商業銀行煉瓦倉庫
- 住所:住所:埼玉県本庄市中央1-5-16
- 電話番号:0495-71-6685
- 開館時間:9:00〜19:00
- 休館日:12/29〜1/3
◇旧本庄仲町郵便局
- 住所:埼玉県本庄市中央2-4-60
◇田村本陣の門・旧本庄警察署
- 住所:埼玉県本庄市中央1-1-13
つづく
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