聴覚障害者の生活・文化の水準の向上を図る埼玉県聴覚障害者協会(浦和区大原、小出真一郎代表理事)が、洗って繰り返し使えるオリジナルマスクを販売し人気を集めている。
同会ならではのメッセージも入れられ、コロナ禍において聴覚障害者の自立支援につなげる。
オリジナルマスクについて
商品概要
同会で販売するマスクはA・B2種類あり、いずれも洗って繰り返し使用できるものになる。
販売価格は1枚¥800で、専用購入申込用紙を同会へFAXで送信しての購入となる。郵送の場合、2枚まで¥150の送料が発生する。
販売経緯
同会の収入源は会費や各種事業や手話講習会の実施、および補助金などで成り立っている。
それらに加え、ピンバッジやポロシャツなどさまざまなオリジナルグッズを制作販売して収入増につなげている。
昨今は新型コロナウイルス感染の拡大により、マスクが使われるようになってきた。そのような中で手話言語で生活を営んでいる人たちとともに頑張っていこうという想いから、オリジナルマスクの制作販売へと至った。
デザインへのこだわり
デザインA・Bとも英語で「手話言語はいのち」を表す「Sign language is very much like a precious life.」があしらわれている。
手話言語で生活を営むろう者が生きるためには、手話言語が必要となる。そのような切実な事情を表す同文言を英訳しメッセージとして入れている。
デザインBにあしらわれたハート型のオリジナルマークもこだわったポイントの一つ。
当初は、国際手話「I LOVE YOU」の表現を、そのまま使う予定だった。同手話は「愛情」はもちろん「親愛」「親友」「手話言語で話す人」などの意味もある。
そこに個性を吹き込むべく埼玉県を表す勾玉と手話表現の形を掛け合わせることで、躍動感を持たせシンプルなイメージとなった。デザイン制作の過程で隠れハートマークも見つかり、図らずも手話でハートマークを包んだマークになっているのも面白い。
周囲からの反応
販売は同会FAXで受け付けているが、シンプルでかっこいいと購入者からの反応も上々だ。
「シンプルなので、街にでても恥ずかしくない」「いつも装着していたい」といった声の他に、顎につける指ハートマークが昨今流行したことから「埼聴協さんは前からハートマークを入れていますね」といった声が上がっている。
同商品の売り上げは同会の運営資金などに充てられる。
地域・読者へのメッセージ
同会ではろう者の社会課題を中心に、誰もがあたりまえに生きる社会を目指し行政や地域への理解をしていくとともに、ろう人権を高める活動に力を入れる。埼玉県手話言語条例の制定や手話言語による情報提供の確保などがその成果だ。
その想いは、「障害者」という言葉が無いあたりまえの社会の実現になる。街の中で手話言語で対応してあたりまえ、いつでも手話言語でコミュニケーションがあたりまえといった社会だ。
その社会を創っていくために、地域で生活している地域住民の理解と、「ありがとう」などすぐ使える手話を覚えて対応ができることを同会は願っている。
「そして、誰もがあたりまえの社会に繋がってくるだろうと思っています」と同会。
グッズに関する問い合わせ先
- 住所:埼玉県さいたま市浦和区大原3-10-1 埼玉県障害者交流センター内
- 電話:048-824-5277 (原則として火曜日〜金曜日 9:00〜16:00
- FAX:048-825-0774