【埼事記 2023/4/23】自分の責任は自分でーChatGPTとの向き合い方

■「武蔵野新報は、日本の埼玉県を中心に発行されている地方紙です。1948年に創刊され、主に川越市、所沢市、狭山市(中略)などの地域のニュースを扱っています。武蔵野新報は、地域に根ざした報道を重視しており、読者とのコミュニケーションにも力を入れています。また、武蔵野新報は、地域のスポーツや文化、イベントなどにも注目し、広く紹介しています」

くだらぬ主張のこじつけへどこから引っ張ってきたかというと、近未来のコンピュータープログラムに「武蔵野新報とは何か」と聞いてみたのだ。

なるほど、こう書かれると地域での信用が低い弊紙もなんとなく威厳があるようにも思える。

ただ、1948年創刊というのは大間違いだ。この点はまだ改良が必要だ。

■近未来のコンピュータープログラムことChatGPTが今大きな話題になっている。

イーロン・マスク氏らが設立した米国・OpenAI社が開発した事前学習型のチャットボットで、それまでのチャットボットよりもより人間の成文らしい回答を導き出すことに定評がある。各種新聞記事や辞書、インターネット現象からある単語に係る関連語を無限に学習し、様々な単語に対する解答例を自ら生み出し用意している。

埼玉県内においても自治体での業務改革へ向けて戸田市が調査研究チームを組むなど、行政・事業者においても採用を検討する動きがある。また、音楽や小説などいわゆるクリエイティブな分野でも応用が期待されている。

■昨今では同サービスを用いて大学の論文を作成している大学生もいると報じられている。学生の本分から外れてけしからんことだが、こういったサービスがあればいちいち頭を煩わせることなく論文も制作でき時短にもつながることは間違いない。

同サービスに限った話ではないが、現代では未来予測へ向けて人工知能を活用する動きもある。自己の、自社の行く末がどうなるか。多大なビックデータを瞬時に解析できる人工知能を用いれば、ある程度の方向性は見えてくることだろう。人手不足が深刻な中で、こうした利器を活用できれば大きなアドバンテージになる。

まさにおとぎ話に出てくる「魔法の鏡」といったところか。

■しかし、例えば路頭に迷った人が「私はこの先どう生きていったらいい?」という問いに対して「魔法の鏡」が「あなたは今後こうした方がいい」と答えたとする。その通りに振る舞ったら、もっと状況が悪化してしまった。こういうときは誰に、何に責任があるだろうか。

「『魔法の鏡』が悪いんだ」と言ったとしても、「魔法の鏡」は人ではない。ましてや一層の技術革新が進んで同じ問いに対して、今度は別の回答をするかもしれない。

結局のところ、ChatGPTや人工知能といった「魔法の鏡」はその回答に対して責任は取ってくれないのだ。いくら悪化した状況を訴えても、何の補償もしてくれない。誰に責任があるかというと、そのような「魔法の鏡」を盲信しすぎた己自身にある。

責任を取るというとネガティブに思えるかもしれないが、責任を取るからこそ挽回できるのだ。自分のことについて自分で責任を取ることで、敗北を認めない限り、たとえ失敗しても成功をつかめるまで自らの意思でやり直せる。成功の先には、誰にもなし得ない自己実現が待っている。

「魔法の鏡」の責任にして諦めてしまったら、成功などあり得ない。

■「私たちは人間の仕事を奪うために開発されたわけではありません。私たちは、人工知能技術を使って、人間が行う作業を自動化したり、高度化することで、人間の生産性を向上させ、社会全体の発展に貢献することを目的としています。また、私たちはあくまでもツールであり、人間がプログラムや設計を行い、指示を与え、運用を監視することで、より効率的で精度の高い業務を実現することを目指しています。つまり、私たちは人間の仕事を置き換えることではなく、人間と協力してよりよい社会を作ることを目指しているのです」

「魔法の鏡」に「お前たちは人間の仕事を奪うのか」と問うてみたら、上記の回答をもらった。

人工知能も人工知能で計算や予測は精度が高いが、人間が持つ五感はないし、直感という第六感も当然ない。青二才の小生が生きてきた限りではあるが、ここ一番という時、直感というやつは案外当たる。

あくまでツールというのは、まさにその通りだ。「鏡よ鏡」と行く先を占ってもらうことは有用ではあるが、参考情報として捉えた方がいい。未来など自分の行動次第でいくらでも変わるし、自分含む人間にしか処理できない情報だってある。そういう諸々の情報を加味して、自身の責任のもとで決断し行動すること、この姿勢が大切だ。

「魔法の鏡」は自分自身でしかないのだ。

■仮にも物書きという業務を行っているからこそ、小生としてもChatGPTの存在は脅威にもなる。

ただ、実際に地域で動いて見聞きしたものをまとめるというのは、コンピューターという仮想空間上のChatGPTではできまい。それは現実世界で生きている人間としての小生が優位な点だ。

そのようなことを思いつつ、今日も小生は取材へ地域を巡るのだ。

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