【こども食堂通信】川口だからこそ考える「共生」〜難民ってなんだろう?後編

前回に引き続き、先日4/27の川口ホープこども食堂内で開催された難民フォトグラファー・小松由佳さんの講演の模様をお伝えいたします。

中東シリアにも訪れたことのある同氏ですが、そんな同国である出来事が発生します。

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21世紀最悪の人道危機ーシリア内戦

民主化運動が弾圧に加熱

2008年にシリアを訪れアブドゥルラティーフ一家と生活を共にした同氏。

しかし、その3年後の2011年から始まったのがシリア内戦です。

それまで同国で40年近く一党独裁体制を敷いてきたアサド政権。ちょうど前年にチュニジアのジャスミン革命いわゆる「アラブの春」がありましたが、それを契機に同国内でも同政権への抗議運動が起こります。

初めはささやかな運動だったものの、全国レベルにスケールが拡大していくにつれて軍がデモ隊に対して発砲を行うようになります。そこから国家と反体制派による内戦へと至ったのです。

今現在も続いている同戦で2240万の国民のうち50万人が命を落とし、1350万人が国内外への避難を余儀なくされています。実に国民の半数以上が被害を受けていることから、21世紀最大の人道危機とも称されます。

日本国民の半数以上ー世界の難民

同戦で国外退去を余儀なくされた国民も約800万人いますが、そうした人々は難民となります。

同国以外にも政治弾圧や強制労働などで世界各地で難民が発生しており、その数は年々増加していて2018年現在では6850万人と日本の人口の半数以上いるとされています。

中でも同国は今現在、世界で最も難民を生んでいる国となっています。


同国からの難民はトルコやヨルダンなど周辺の国々へと逃れていますが、逃亡先で言葉も通じずなかなか仕事にありつけなかったり、難民キャンプでの暮らしになるので孤独感が強かったりとその生活にはいくつもの不自由が生じているのです。

内戦がもたらした一家への変化

同氏は内戦発生後も同国を訪れています。普段通りの生活が営まれているようでも、人々は公の場では政治について語らず国家に対して大いに恐れを抱いていたといいます。

一緒に過ごしたアブドゥルラティーフ一家にも会おうとしますが、今外国人と会うことはスパイ容疑をかけられるということで会ってくれなかったといいます。しかも一家の何名かは民主化運動に参加して逮捕されたり国外に逃げていたりと、一家離散の状況でした。

同国においては政府批判は重罪とされており、同罪で逮捕されるとひどい拷問を受けその後は刑務所に送られ生きているか死んでいるのかもわからなくなると言われています。

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日本に逃れた難民のご主人

難民となった末っ子との結婚

ただなんとかして一家の末っ子であったRさん(仮名)に合流した同氏。

Rさんも民主化運動に参加して逃げ回っていたのですが、ちょうど合流した際に同じく運動に参加していた兄の逮捕を知り悲しみにくれた様子を同氏はカメラに収めています。

その後Rさんはヨルダンに逃れた難民となるのですが、以前より親しくしていた同氏はそんなRさんと結婚。

2015年には来日を果たし、現在では2人の子宝に恵まれています。

日本社会への適応の苦労

砂漠での放牧から現在は中古自転車の輸出業に携わっているというRさんですが、このRさんとともに同氏は難民がいかに日本社会に溶け込むのが大変なのかを痛感したといいます。

Rさんが日本に来てまず驚いたのが、「お金がないと生きていけない」ということ。それまでは大家族で暮らしていたためお金がなくても普通に生活できており生活コストも低かったのですが、日本では生活コストが高くお金の必要性を強く痛感したといいます。

またシリアでは1日に3〜4時間働けば十分ですが、日本では毎日8時間働かなければならならずそれが当たり前という社会に大いに戸惑ったそうです。

そしてシリアでは家族や友人と毎日過ごしているのが当たり前でしたが、日本では家族や友人と語らうゆとりの時間をあまり持てず強い孤独感に苛まれました。

他にも礼拝やハラールなど文化的な違いや偏見にも大いに苦しみました。

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