どのような人が求められるか

採用時に大事なポイント

相浦:採用業務をしている中で、履歴書に「特技ギター」とあれば、この人は利用者さんを楽しませる素敵な音楽会をやってくれるんじゃないか、と期待します。スタッフの強みが利用者さんの生活を豊かにするということがこの仕事にはあると思います。

髙坂萌恵氏(左)と原氏(右)

今日参加している髙坂さんも趣味でパン作りやお菓子作りをやっていて、製菓学校に通っていたところ就職を決めてくれたので、私の施設の就労支援のひとつにパン屋さんを加えることができました。それぞれの強みが仕事に活かされ、それが障がい者の支援になっていくところがこの仕事の魅力のひとつであると思います。

採用する際には、そんな個人の好きなこと、強みも大事に考えています。

バラエティ性が肝

ー私も一般企業に勤めていますが、そういう職場だと特に面接の場で社風にあった人材を演じようというのはあります。もちろん各施設で色はあるとは思いますが、このように障がい者福祉こそ自らの強みがダイレクトに生きるということは全く考えもしませんでした。

相浦:障がい者の支援には専門性が必要になります。

それは揺るぎようがないですが、その専門性を土台にした上に、それぞれの強みをもったバラエティに富んだスタッフがいたら楽しいですよね。利用者さんが笑顔で暮らしてほしいですとか、様々な経験をしてほしいですとか、そんな思いを持っているスタッフがほとんどです。

だからこそ、バラエティに富んでいる方がいいんです。

原:新卒でこの業界に入って来てくれる分には本当にありがたいし、様々な業界を経験した後でもいい、何かのタイミングで思い出して、この業界に入ってきてくれれば…。本当は今すぐほしいところではありますがね。

障がい者福祉という業界があるということを思い出してもらうための種まきに今回のイベントをしたいと思います。

千代田:知ってもらえればその魅力を分かって頂けるはずと信じています。

原:毎年、中学生が職業体験学習で3日間施設に来ます。体験先は生徒さんの希望で決まるらしいのですが、第1希望で来る生徒さんは、残念ながらほとんどいないです。(笑)

ですが、3日間の職業体験学習後の感想文では、ほとんどの生徒さんが「こんなところとは思わなかった」「とても楽しかった」と書いてくれています。

知ってくれさえすれば、その魅力を分かってくれるということを実感しました。そこをどう伝えていくかが課題ですね。

ーなるほど、そうでしたか。

待ちから攻める態勢へ

相浦:求人について、今までの私たちはハローワークや求人サイトなどどちらかというと待ちの態勢でいました。

そして、今回も足を運んでいただくイベントではありますが、これを機に、私たちの方から足を運んでいく機会を増やせたらと思っています。

そのためにも私たち自身がその仕事の魅力を語る準備をしないといけない。仕事の魅力について、相手側からの質問には答えられますが、実際に出向いて語るという段階にはまだまだ至っているとは思いません。

今回のイベントでは、髙坂さんを始め、経験年数10年未満の若手スタッフが学生と同じ目線で話ができたらいいと考えています。イベントの前半はこちらからの発信になりますが、後半は学生さんと同じ目線で数年前まではあなた方と同じでしたというスタンスで話ができるような雰囲気が理想的です。

こういったイベントは初回なだけに、学生さん以上に準備しているスタッフの方が、緊張しているかもしれません。それでも、短時間ではあるものの、市内の施設のパネル紹介やムービーなどを製作しております。

こと高齢者介護の世界だと、PR隊によるブースも就職イベントなどで登場します。介護の仕事はそういうPR体制が先行しているのですが、その後手に回っていては人材も確保できません。

障がい者福祉の世界でもそのようなPRに長けたスタッフが各施設に1人はいるようになると理想的です。

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