地域の元気発信で盛況 小川町商工祭2年ぶりに開催

小川町の事業者らが出店する第43回小川町商工祭が11/3(祝・文化の日)に小川町役場前広場で開催された。(主催:小川町商工会)

コロナ禍が落ち着きを見せる中、多くの地域住民らが足を運び賑わいを見せた。

家族連れで賑わった商工祭

昨年開催分はコロナ禍で中止となったため、2年ぶりの開催となった同祭。晴天に恵まれた会場には朝早くから子どもを連れた人々が多く来場した。

コロナ禍ということで会場入口にはアルコール消毒液が設けられ、各ブースでもアクリルパーテーションなどを設けて感染対策にも力を入れた。

主催の同町商工会はパンフレットを持参した来場客に甘酒を配布。暖かい甘酒を口にした人々からは笑顔が見られた。

商工会各部の取組

同町商工会からは青年部と女性部も出展した。

例年子ども向けの企画を実施してきた同会青年部は、お悩み相談と占いのブースを出展。占いは2時間待ちになるほどだった。

同会青年部は地域で働く45歳以下の青年約50名から成り、製造業やサービス業と業種も幅広い。同祭や小川町七夕まつりなどのイベント運営・出展をはじめ交流会や勉強会を通じて会員同士や地域との交流を深めている。

「今後も自己研鑽と地域活性化に資する活動を展開できれば」と同会青年部。

同会女性部は会場に隣接するリリックおがわ内に休憩室を出店。乳児のミルクに使うお湯の用意や折り紙で作った長靴と、女性ならではの視点が生かされている点が興味深い。

実際に子どものおむつ替えに来た女性客の姿もあった。

部としての活動では、地域の清掃や研究会の他に他県からのおもてなしで地域の紹介や意見交換会を開催。こうした取り組みは県内でも珍しい。地域の特産品である和紙を用いたインテリア製作にも取り組んでいるという。

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各事業者・団体の紹介

地域の事業者や団体も多く出展した。

環境サービス

廃棄物処理や上下水道修理などを展開する環境サービス(小川町大字角山、原一代表)も例年通り出店。自社の事業PRや子ども向けの風船配布を行った。

ソーシャルディスタンスに気をつけての出店となったが、「社長さんは元気か」と来場者と密にコミュニケーションを交わしていた。

同社の事業を見ると、コロナ禍でワクチン針の廃棄が増えているという。記録的な猛暑が観測された今年の夏は蜂の巣駆除も多かったようだ。

「今後も末長く快適な暮らしのお手伝いができれば」と同社。

カネミ薬局

小川町駅前で化粧品・調剤薬局・エステを展開するカネミ薬局(小川町大塚)は、自社で扱う化粧品類を紹介。

創業55年で元々は化粧品販売から始まったが、現在では上記3事業を通じて美のトータルプロデュースを提供。地域に密着し、カウンセリングで肌の様子を確認して顧客の悩みやニーズに丁寧に向き合うのが持ち味となっている。

昨今のコロナ禍では、遠出ができないゆえに地域の同店に買い物に来ている客が増えているという。コスメだけでなく保湿液も最近の売筋。

近年ではネットからの集客に力を入れており、YoutubeやInstagramにも新商品や美のワンポイントなどをアップしている。

立教大学観光学部西川研究室

池袋・新座にキャンパスを置く立教大学観光学部西川研究室は、地域の観光資源である和紙を活用した観光まちづくりプロジェクトの研究成果を紹介した。

研究室を主宰する西川亮准教授の専攻は都市工学で、学生も政策のみならずまちづくりや都市計画の観点から観光需要に対応したまちのあり方を考えている。

地域で観光振興やフリーペーパー作成を行うおいでなせえと共同で実施した同プロジェクトでは、地域外の視点から地域の人々でも感じていない和紙の魅力をいかに伝えていくかを考えた。実際に学生も原料のコウゾから和紙作りを体験するとともに、学生にも和紙に興味があるかなどアンケートを取っている。アンケートによると5割超の学生が和紙に興味を持っており、7割以上が和紙ができる過程に興味があるということだった。

これらの調査や体験を踏まえて、実際にコウゾ畑を巡ったり紙すき体験を行う学生向けのモニターツアーを企画。

緊急事態宣言の発令でオンラインでの開催となったものの遠方からの参加も集めた。参加者からは「個人旅行では体験できないことが盛りだくさんだった」「名前しか知らなかった小川町に活用できそうな資源が多く存在していると気づいた」といった声が上がっている。

同研究室では他にも、武蔵野銀行と共同で草加市のまちあるきマップを製作している。今後も「地域に根ざしたまちづくりを」をモットーに、都市計画の視点から地域の価値を引き出していくと意気込む。

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