新座市で感じる武蔵野 その4 被災地の分までー新座市総合運動公園

今月11日で東日本大震災から9年となる。

震災に伴う原発事故でJR常磐線も一部区間で運休となっていたが、14日には全線で運転を再開する。しかし、10年近く経とうとする今でも以前として被災地の復興は道半ばだ。

そんな中、被災地の思いを受け継ぎ希望を届けている場所が新座市内にはある。それが今回紹介する新座総合運動公園だ。

春は桜の本多緑道

用水も渡る関越道

平林寺を後にして、野火止用水平林寺堀に沿って南に進む。

周囲には林や田畑が広がり、往年の武蔵野の光景が広がっている。自販機で新鮮な苺を売っている農家もあり、東京のすぐ北にありながらここまでのどかな場所があるのかと思わされる。

しばらく進むと街を南北に走る関越自動車道の上を渡る。沿道とともに平林寺堀もこの上を渡っていく。

同市内には新座料金所もあり、交通情報でよく車の流れが映し出されるのでテレビで見たことがあるという人も多いことだろう。

せせらぎ沿いに咲く桜

関越道を渡り、やや北を走る野火止用水の本流へと足を運ぶ。

関越道より西側の同用水沿いは本多緑道として整備されている。

緑道沿いには桜並木と雑木林が続き、昔ながらの風景が残る。

本多緑道の桜の写真

(新座市HPより)

同緑道では春になると、多くの桜が咲き乱れる。武蔵野に流れる清流と華々しい桜の共演は、風流なことこの上ない。同市内でも有数の桜の名所となっている。

もう少し南に行くと本流と平林寺堀が合流する史跡公園があるのだが、ふるさと新座館からずっと辿ってきた同用水とはここでお別れする。

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体育館・陸上競技場など併設ー新座市総合運動公園

同緑道の隣には新座市総合運動公園が位置している。

広大な面積を誇る同公園には、体育館や陸上競技場や野球場といった運動施設が整備されている。

主に学校やクラブによるアマチュアスポーツに使用されている。ちょうど体育館ではジュニアバスケ、陸上競技場ではジュニアサッカーの大会が開催されていた。

陸上競技場の西側にはマレットゴルフ場があり、埼玉県内に存在する5カ所のうちの一つだ。

被災地へと届ける希望のひまわり

公園一角の花畑

ところで同園の一角、ちょうど体育館と陸上競技場の間には本多の森お花畑という花畑がある。

まだ花の季節ではないので花は咲いていないものの、野球グラウンドほどはあろうかというスペースに多くの苗が植えられているのが見て取れる。

これは同市の市民ボランティア団体「花達人(かだん)」が植えている菜の花。毎年春になるとあたり一面が花で黄色く染まる。3月下旬〜4月中旬が見頃だ。

被災地に代わっての育成

菜の花の季節が終わると、この花畑ではもう一つ別の花が育てられる。

それがひまわりの花だ。花達人と新座ひまわりプロジェクトが共同で育て、毎年8月上旬〜下旬に見頃を迎える。

ただ、このひまわりの花は単なる鑑賞のために育てられているというわけではない。

ひまわり育成の経緯

(新座市産業観光協会HPより、以下同)

ひまわりの育成は、福島県のNPO法人シャロームが食用ひまわりを育成し、そこから採れた種で油を精製しその収益を県内の障がい者支援活動に活用していたことが発端となっている。

9年前の震災前から上記活動を行なっていたが、震災に伴う原発事故により土壌汚染が懸念され育成が困難となっていた。そのため同法人は県外の支援者に呼びかけて、ひまわりを育成して種を収穫し同法人へと届ける「シャロームひまわりプロジェクト」を実施している。

同市内でもこの動きに呼応し、2012年に市内の障がい者支援団体が栽培グループを立ち上げ新座ひまわりプロジェクトとして発展した。翌2013年より同法人から届いた食用ひまわりの種を撒き、同花畑での育成が始まった。

地域一丸での育成へ

初年度以降現在に到るまで継続して育成されている、同花畑での食用ひまわり。

翌年からは花達人ら市民ボランティアだけでなく、市内の小中学校も協力するようになる。一昨年の時点では20近い地域の学校が協力している。まさに地域一丸での育成といえよう。

毎年6月ごろから「春りん蔵」「サンリッチオレンジ」といった品種の種を植え、花が咲いた後の9月ごろに種を収穫する。毎年収穫される種は160〜180kgに及び、乾燥作業を経てシャロームへと送られる。

同プロジェクトでは育成活動だけでなく、福島の小学生との交流活動なども実施している。

これからも同花畑で育ったひまわりが、サンフラワーの名の通り新座から被災地へ太陽の如く希望の光を届けていくことだろう。

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