今月初めに住みたい街ランキング関東版で大宮が4位に食い込んだトピックを紹介しましたが、どうやら企業にも埼玉に移りたいというところが多いようです。
人も企業も引っ越したい埼玉
「住みたい」人気は上昇中
こちらは今月初めにご紹介した内容ですが、リクルート調査の住みたい街ランキング関東版の最新の結果で大宮が4位に、浦和が8位にランクインしました。先にも書いたように大宮に関しては前年にベスト10入りを果たしたばかりなのに、1年間でとうとうベスト5にまで食い込みました。
他にも浦和をはじめ和光市や川口など埼玉の多くの街が同ランキングで順位を上げています。交通の便はもちろん物価や生活インフラの充実が影響しているようです。
それだけに住みたい場所として、埼玉の人気が高まっていることが伺えてきます。
企業にも人気上昇中!?
ところでこのような埼玉に移りたいという思いは、どうやら企業の間にも強いようです。
その証拠に、昨日埼玉新聞にこんな記事がありました。
帝国データバンク大宮支店が26日に発表した全国の本店移転企業調査によると、埼玉県の2009年~18年の企業転入超過数(転入から転出を差し引いた数)は743社だった。08~17年の超過数を118社下回ったが全国トップを維持した。高速道路網や鉄道網の充実、広い土地を確保しやすい点などが評価され、企業進出が進んでいる。
(「埼玉、全国トップを維持 企業転入超過数で1位 交通インフラ充実、少ない災害、土地確保しやすく高評価」 埼玉新聞 2019/3/27)
2009〜2018年の過去10年間に埼玉へ本店を移転した企業数から埼玉の外へ移転した企業数の差をとった転入超過数を見ると、埼玉県が743社の転入超過で全国トップの数値だったということです!
2008~2017年の転入超過数からは118社下回っているものの、全国トップの座はキープしたままです。
東京のすぐ北にありながら、東北道や圏央道をはじめとした道路や各新幹線など鉄道という交通の便はもちろん、広い土地を確保しやすい点が人気につながっているということです。
進む東京からの移転
記事はこう続きます。
他都道府県から埼玉県内に転入した企業数は2263社で、08~17年を97社下回った。県外転出は1520社で、21社増だった。
転入企業2263社の転入元は、東京都の1892社(構成比83.6%)で最多。千葉県86社(3.8%)、神奈川県63社(2.8%)と続いた。同支店では「企業側が鉄道網、高速道路網など交通インフラが充実し、都内に近く、地価が安く広い土地を確保しやすい点を評価している。災害が少ない点も大きく、圏央道沿いを中心に企業の転入が進んでいるとみられる」とした。
2008〜2017年に比べると97社下回ったものの、ここ10年で2,263社が埼玉に転入してきたということです。
そして転入元を見ると最多なのが東京都で、その数はなんと全体の83.6%を占める1,892社!
前述したような交通や土地はもちろん、災害が少ない点が高く評価されているのだそうです。確かに海がない分津波の心配はありませんし平地も多いので洪水の心配はありませんからね。東日本大震災などを受けて災害時のBCP(ビジネスの存続可能性)への注目が高まっている昨今、災害の少なさは大きな評価ポイントになっていると言えます。
これは管理人の想像ですが、埼玉はベットタウンとしての性格が強い分そこに勤める人々も住む場所が確保しやすいことでしょうから通勤の負担も軽減されることでしょう。特にワークライフバランスの見直しに取り組む昨今の風潮では、そんな埼玉に会社そのものを持ってくるという選択肢が多く取られていると考えます。
物流拠点としての埼玉
業種別にみると、どのような企業が多く転入してきているのでしょうか?
転入企業を業種別にみると卸売業が557社(24.6%)で最多。サービス業524社(23.6%)、製造業469社(20.7%)で続いた。
一番多いのがスーパーや量販店などの小売店に商品を収める卸売業。これにサービス業、製造業と続きます。
卸売業がトップなのは、上述したような交通利便性や地価の安さや災害の少なさというメリットを最大限に享受できるからでしょう。商品を保管するのに倉庫が必要ですし、そのためにはこのようなメリットがあるところでないと作りづらいですからね。
特に多くの倉庫が設けられている三芳町や戸田市などは、自治体の財源の足しとして国から支給される地方交付税交付金が必要ないほど法人税を賄えています。
いずれにせよ物流拠点として埼玉の注目度は高まっていると言えそうです。