
昨年12月以降に中国・武漢を皮切りに新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)がアジアを中心に大流行している。
我が国でも今年に入ってから感染例が多数報告されており、予防に向けてマスクが品薄になる、イベントが中止になるといった影響が出始めている。
埼玉県内においても武漢からの帰国者を中心に感染例が報告され、昨日2/21(金)には未就学児の感染例までもが報告されるに至っている。
すでに多くのメディアやウェブサイト等でもなされてはいるが、当サイトでも感染防止やもしもの時の場合の対策をまとめる。今回は個人・家庭へ向ける。
新型コロナウイルス感染症とは?
現在流行している新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、発熱や上気道症状を引き起こすウイルス。発熱やのどの痛み、1週間近い咳や倦怠感を引き起こす。重症化すると肺炎を引き起こし、実際に死亡例も確認されている。特に高齢者や基礎疾患がある人が感染すると重症化する可能性がある。
潜伏期間は1〜12.5日に及ぶとされ、いったん陰性と診断されても時間の経過とともに感染が発覚する恐れもある。
ヒトからヒトへ感染した例が報告されており、感染のしやすさもインフルエンザと同等とされるが全容は未だわかっていない。
エイズ治療薬で治癒したという報道もあるが、現時点で同ウイルスに有効な抗ウイルス薬などはなく、対症療法を行う。感染者には14日間の健康状態観察が推奨されている。
埼玉県内での感染状況(2020/4/5現在)
埼玉県内では4/5現在で186の感染例が確認されている。
チャーター便帰国者から感染確認
政府は随時中国・湖北省の邦人のうち帰国希望者をチャーター機で日本へと送り届けている。
このうち症状の見られなかった人々は和光市にある国立保健医療科学院や税務大学校(上図)へ一時滞在し、経過観察後に随時帰宅している。
これらの施設に滞在、もしくはチャーター便で帰国した人々から感染例が確認されている。
- 2/1 30代男性:和光市内施設で感染確認
- 2/10 40代男性:帰国後の検査では陰性で、小児とともに帰宅後に感染確認
- 2/21 未就学男児:2/10に感染確認された男性の子息
2/3には感染可能性のある人々が乗船するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」が横浜港に到着しているが、同船下船客の一部も税務大学校に滞在していた。
なお2/1には、国立保健医療科学院で滞在者の受け入れにあたっていた内閣官房職員が飛び降り自殺を行なったことが判明している。
未就学児の感染初確認
本日、埼玉県内にお住まいの方 1名(未就学児 男性)が #新型コロナウイルス に感染していることが判明しました。この患者は埼玉県が11日に感染を発表した40代男性(患者の父親)の濃厚接触者です。https://t.co/sCN43pgfkz#埼玉県知事 #大野もとひろ pic.twitter.com/foDTYTrjVD
— 大野もとひろ 埼玉県知事 (@oonomotohiro) February 21, 2020
特に2/21に感染が確認されたのは、感染者の濃厚接触者たる未就学の男児だった。
帰国後に幼稚園に通ってはいないというが、同年代で感染が確認されたのは国内では初めてのことだった。
チャーター便帰国者以外の感染
3/6以降、上記チャーター便帰国者でない感染者が相次いで確認されている。
- 40代女性:感染発覚者が利用した大阪のライブハウスを訪問、さいたま市在住
- 40代男性:2/26から札幌へ1泊旅行、富士見市在住
- 60代男性:2/21〜3/1にエジプト旅行、川越市在住
- 60代女性:上記60代男性の妻でエジプト旅行同行、川越市在住
- 30代男性:上記60代男性の同居家族、旅行に同行せず、川越市在住
- 50代男性:2/24〜3/2にパリ旅行、入間市在住
- 50代女性:上記男性の妻でパリ旅行同行、入間市在住
(以下省略)
特に3/6に感染が確認された40代女性はさいたま市在住で、市内では初の感染例となった。
経路不明での感染も増え続けた結果、3/31には県内での感染者数が100を超えた。4月に入ると1日あたりの感染確認者数が20を超えるまでになった。
一方で感染が確認された患者の大半は症状は軽く、4/5時点で31名が退院している。
感染から死亡者発生
本日、#新型コロナウイルス 感染症で県内医療機関に入院の方1名がお亡くなりになりました。お亡くなりになられた方に哀悼の意を表するとともに、ご遺族の方に心よりお悔やみ申し上げます。感染者も2名確認されています。
https://t.co/CpObX0ICd0
フルバージョン動画
https://t.co/rOADdDvBbv pic.twitter.com/jh3qi23lsb— 大野もとひろ 埼玉県知事 (@oonomotohiro) March 22, 2020
3/22、陽性反応があり県内医療機関に入院していた感染者の死亡が発表された。県内では初の死者となる。遺族の意向により当該感染者の居住地や年代・性別などは明かされなかった。
特に高齢者を中心に死者数は増えており、4/5時点で3名を数える。
死者も発生したことにより、依然として予断を許さない状況だ。
感染を防ぐには
日に日に感染者が報告され不安な日々が続くか、個人・家庭で感染を予防するにはどうすべきか。
感染経路を知る
予防にあたっては、まず同ウイルスの感染経路を理解しよう。
以下2つが経路として考えられる。
飛沫感染
感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つば など)と一緒にウイルスが放出され、他者がそのウイルスを口や鼻から吸い込むことでの感染を指す。
特に屋内などで、お互いの距離が十分にとれない状況で一定時間いるときに注意が必要だ。例えば満員電車での移動や人が密集するイベントなどが想定される。
接触感染
感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスが付着する。そこを他者が触れるとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触ることで粘膜から感染することを指す。
電車やバスのつり革、ドアノブ、スイッチなど不特定多数の人が触る箇所については注意が必要だ。
今からできる感染予防
手洗いは効果大
予防にあたって、まず石鹸やアルコール消毒液などによる手洗いを行うことが大切だ。これだけでもかなりの確率で感染が予防できる。
しっかり石鹸を泡立て、指の間や指先など手の隅々まで30秒ほど行うといい。1回のみならず2回行うのも有効だろう。
特に外出した後には入念に行うことが望ましい。
咳エチケットを心がけよう
公共の場では咳エチケットを意識しよう。
咳などの症状がある場合は、咳やくしゃみを手でおさえると、その手で触ったドアノブなど周囲のものにウイルスが付着し、ドアノブなどを介して他者に病気をうつす可能性がある。それゆえマスクの着用やティッシュ・ハンカチ・服の袖で口や鼻を覆う咳エチケットが求められる。特に屋内などで、お互いの距離が十分にとれない状況で一定時間いる場合には心がけたい。
また持病がある場合は公共交通機関や人混みの多い場所をできる限り避けるなど、より一層注意すること。
マスクの使用について
飛沫感染を防ぐため、咳やくしゃみ等の症状のある人にマスクは有効だ。
ただ予防用にマスクを着用することは、混み合った場所では一つの感染予防策と考えられるが、屋外などでは相当混み合っていない限り着用にあまり効果はないという。
前述のようにマスクが品薄になっているが、官民が協力して国内生産体制の強化や輸入品の確保に取り組み、例年以上の枚数が流通する見込みになっている。
それでも他の商品と抱き合わせによるマスク販売を行う小売店もあるようなので、十分注意をされたい。
(参考:厚生労働省HP)