川が育む吉川市 その4 食べたら〇〇の味ーますやで食べるなまず料理

お待ちかねのグルメ回。

吉川市ということで、名産となっているなまずを実際に食する。

吉川のなまずの現状

天然なまずは減少傾向

初回にも書いたように、川に挟まれていることもあり古くからなまずに縁のあった同地域。

稲作地帯だけあり地域には川の水を引き込んだ用水路や小川が各所に流れ、なまずは人々にとっても非常に身近な生物であった。特になまず捕りは子どもたちであって娯楽であり、家に持って帰れば食材として歓迎されるという側面もあった。

高度経済成長期の1960年代に入ると、同地域にも都市化の波が押し寄せた。それにより水質汚濁やえさとなる小魚の減少などが進んだ。

こうしたことから、今日同地域での天然なまずの個体数は非常に限られたものとなっている。

共食いを克服ー養殖なまず

それでも古くから地域とともにあったなまずでまちおこしをしようと、商工会が中心となってなまずをかたどったせんべいや饅頭などの開発を行ってきた。

そして1996年からは農事組合法人吉川受託協会が中心となり、同市産なまずの養殖が行われている。

なまずは稚魚の時に共食いをする習性があるため、これまで養殖は困難とされていた。そこで同会では昼と夜にバッキ(噴水のように水を噴出させ、酸素を取り込む)を行って酸欠問題を解決し、餌のやり方に工夫してこの難関を克服した。

勢いよく跳ね上がるなまず

同市で育ったなまずから採った卵を人工授精して孵化したなまずは、1年半の飼育期間で4〜50cmに成長。市内をはじめとした飲食店や個人へと販売される。

うなぎの捕獲減に伴い、近年ではなまずの蒲焼きとしての用途も注目されている。

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ますやで気軽になまずを

取材実績多数

そんな同市内ではなまず料理を扱う飲食店も数多い。「吉川に来てなまず、うなぎ食わずなかれ」という言葉もあるくらいで、近藤勇など著名人が昔から食べに来たとされている。

今回紹介する割烹ますやもその一つ。江戸時代末期よりこの地で営まれている創業180年超の老舗だ。現在では5代目が当主を務めている。

なまずを中心にうなぎなどを提供する同店は、「ZIP!」や「噂の東京マガジン」などTV番組や新聞・雑誌などで紹介されることも多い。

あの人と同級生!

橋本聖子氏など著名人が来店することも多い同店。それにちなんだ写真やサインなども店内には飾られている。

ちなみに当主は、テリー伊藤氏と早稲田実業高校で同級生だったということだ。

なまずを伝える取り組み

なまず料理の提供はもちろん、同店では郷土の味たるなまず料理の魅力を後世へと伝えるべく地域の小学校と連携した特別授業も展開している。

なまずを触る児童捌いたなまずを見る児童たちと市長

なまずのことはもちろん市の歴史について講義し、実際に子どもたちの前でなまずを裁く場面もあった。

子どもたちもなまずに実際に触れたりして、とても有意義な取り組みと言える。

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