大宮駅東口のビル火災など昨年もさいたま市内では火災が大きく報じられた。
同市消防企画課が発表したところによると、昨年2022(令和4)年に同市内で発生した火災件数は306件で、前年比6件増で同2%増となった。
住宅はじめ建物火災や車両火災が増加傾向にあるという。
増える建物・車両火災
(さいたま市統計資料より、以下同)
同年の火災件数は306件で、前年比6件増で2ポイント増。
このうち住宅含む建物火災は192件で同21件12.3%増、車両火災は26件で同5件23.8%増となった。前者のうち住宅火災は128件で同23件21.9%増。なお、その他の火災は減少(88件、同20件18.5%減)。
出火原因別にみると、「放火(疑いを含む)」が53件(17.3%)で最多、「たばこ」43件(14.1%)、「こんろ」30件(9.8%)、「配線器具」28件(9.2%)、「電気機器」21件(6.9%)の順。上位3位は変動がないものの、電気関係の火災が増加傾向にあるという。
被害棟数も25%超増
火災により焼損した建物は前年比59棟25.7%増の289棟となった。焼損床面積は7,440㎡で、同4,448㎡増で比率にして48.7%増。損害額は3億7,991万5千円で、同4,754万4千円14.3%増となった。
り災世帯は同227世帯456人で同31世帯15.8%増だが、り災人員は同10人減。
被害規模も拡大傾向にあるが、迅速な避難や消化活動でなどで周囲の人的被害には繋がっていないことがうかがえる。
住宅火災で死者発生
同年の火災による死者は6人で、前年比5人45.5%減となった。いずれも住宅火災による死者で65歳以上の高齢者だった。
火災による負傷者は同7人15.6%増の52人となった。このうち、住宅火災による負傷者は39人で、同2人増。
死者が発生した住宅火災では、住宅用火災警報器が未設置の住宅又は維持管理が不適切なケースが見られたという。初期消火中や避難中にやけどや煙を吸引することで負傷に繋がっている。
搬送増も大多数は軽症ー救急・救助出場件数
同年の救急出場件数は、同市誕生後最高となる80,365件で、前年比13,925件増。事故種別で最も多いのは「急病」(55,008件)で、「一般負傷」(11,662件)、「交通事故」(4,168件)と続く。
搬送人員は65,397人で、同8,536人増となった。年齢区分で見ると、高齢者35,793人、成人21,144人、乳幼児・新生児が5,518人と続く。しかし、医師による初診時の程度別では入院を要しない軽症が36,138人、入院を要する中等症が23,763人で、重症は4,951人で死亡は532人にとどまる。
特に高齢者による急病での搬送が多いようだが、いずれも軽症と診断されるケースが多い。コロナ禍が続くだけに、コロナ発症だけでなく自宅で過ごす時間が長くなることで生活習慣病での搬送も多いとみられる。
救助出場件数も同じく同市誕生後最高の985件で同108件増。「建物等による事故」が581件と最多で、「火災」(151件)「交通事故」(85件)と続く。救助活動件数も同104件増の645件で、救助人員は同49人増の413人。