食を軸に交流 農と食の展示・商談会2023と埼玉県農商工連携フェア開催

農業法人や食品加工事業など食を主軸に展開する事業者・団体などが出展する埼玉県内最大規模の商談会農と食の展示・商談会2023埼玉県農商工連携フェアが、2/1(木)にさいたまスーパーアリーナ(さいたま市中央区新都心)にて開催された。主催は埼玉りそな銀行で、県が共催。

3年ぶりの開催で、試食なども交えて出展者・参加者らが交流した。

「開催前から注目度高い」

同イベントには販路開拓を図る県内を中心とした100を超える事業者・団体が出展し、個別商談や新商品紹介などを行なった。このうち、農と食の展示・商談会2023は主に食品加工を手がける事業者・団体が、埼玉県農商工連携フェアには農林畜産の生産者や農業団体などが出展。

例年4,000人近くが来場する同イベントだが、3年ぶりの開催となる今回は3,640人が来場。「1,100人が来場予約を行ない、開催前からも注目度が高い」と県担当者。

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ユニークな食品紹介ー農と食の展示・商談会2023

越生町と農家・農協・商店の第三セクターによる越生特産物加工研究所(入間郡越生町大満)は、自社で生産し特産の梅や柚子などを用いたドリンクや菓子類などを紹介。同社社長で同町の新井康之町長もブースに立ち、これから見頃を迎える越生梅林をPR。地域のベに梅の地域団体商標にも尽力中。

秩父源流水(秩父市大滝、内藤悦弘代表取締役)は、奥秩父山系で採れた湧水を用いたミネラルウォーターを紹介。秩父多摩甲斐国立公園内の採水地で採れる同水は、広葉樹林と石灰岩層によって浄化されミネラルを多く含む。同社はそうした水を秩父源流水として売り出すだけでなく、事業者・団体のオリジナルラベルにも対応。近年では関東地区でミネラルウォーターも手がけている。

とろろ芋の製造などを手がけるマルコーフーズ(深谷市新戒、村岡守代表取締役社長)は、自社で手がけるとろろ芋の試食を展開。小分けの袋に入ったとろろ芋を手軽に蕎麦に添え、アクセントを加えることができる。夏場に多く売り上げるが、通年使用できる商品開発にも着手。「和食のイメージが強い中でも、他のスタイルを強化していきたい」と意気込む。

三口物産(三郷市幸房、李星代表取締役)は、「三口一品」ブランドで展開する自社生産のキムチを紹介。自社で生産した野菜を用いて、普通の白菜キムチだけでなくネギキムチやカクテキなど水平展開。健康食品として人気上昇中のキムチだが、自社直営店を利用する客からは「スーパーのキムチが食べられないほど美味しい」と高評価。

世界に挑む油揚げ

同イベントには輸出を視野に入れるもしくは手がける事業者・団体なども多く出展した。

その一つの富岡食品(深谷市東大沼、冨岡宏臣代表取締役)は豆腐や油揚など大豆の加工食品を手がける。稲荷用の油揚げも北日本は出汁の糖度が高く南日本では低いものが好まれるが、関東ど真ん中の企業として、同社はそうした各地の嗜好にも対応する開発型企業となっている。

国内向けでなく同社では輸出用の商品も手がける。特に油揚げは現地の寿司店などに卸す例があるが、欧州向けに醤油を使わず昆布だしなどを用いた商品も展開。同社にとっても開発は一筋縄ではなかったものの、「トマトソースとの相性が良い」と好評という。

鳥インフルで渦中の鶏卵事業者の声は

ここのところ鳥インフルエンザの感染例が県内の養鶏場でも相次いでいる。鶏卵の品薄も問題となっている。

出展した境野養鶏(本庄市新井、境野德夫代表取締役社長)は、全鶏舎に水洗と消毒を行う空舎期間を設けて新しい雛を受け入れる「オールイン・オールアウト方式」をいち早く採用。東日本地域を中心に30超の大規模農場を分散配置し、鶏病対策も万全だ。

本社のある本庄では採卵用雛育成や採卵を行い、卵の加工は新潟で行っている。

近年では飼料代の値上りが深刻で、販売価格の維持に同社としても奔走している。そのような中の同病蔓延で品薄が起きており、生産者としても逆風が吹いているという。それでも「(逆風への対応に向けて)加工販売に力を入れたい」と同社。

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新商品を紹介ー埼玉県農商工連携フェア

同時開催となった埼玉県農商工連携フェアでは、県内を中心に農林畜産業の生産者が出展し日頃の活動内容や新商品などを紹介した。

会場の一角では「農業発!新商品お披露目会」を開催。農業者など県内22事業者が六次産業化の新商品や試作品をPRした。

新井農林(上尾市大字今泉)は、乾燥きくらげを練りこんだうどん・パスタを紹介。国産きくらげを用いてものどごし良好。地域のスーパーにも扱いがある。

大宮平田農園(さいたま市北区東大成町)は、見沼で無農薬野菜を栽培するが不適格野菜を用いた「野菜スイーツ」を開発。コクーン2でも野菜の販売などを行なっているが、スイーツ含め販路拡大に意欲を示す。

渡邉梨園(久喜市上清久)は同園で栽培した梨を用いた「Dasaitamaゼリー」を紹介。通年で販売できる商品としてインパクトのある名前を採用し、地域でも評判が出ている。公共施設などでも扱いあり。

ギャラリー

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