こんばんは。埼玉県の気になるトピックをピックアップする日々是埼玉です。
久々にこのトピックをピックアップしました。
生産・出荷とも2期連続の上昇
埼玉県内の生産活動を見る
ベッドタウンや行楽地以外にも、生産拠点という側面もある我が埼玉県。
こと製造業に至っては事業者数が全都道府県で第6位であり、ネギや小松菜など近郊農業も盛んで、国内における一大生産拠点になっております。
そのような生産活動の実態を示す数値として、県が公表しているのが鉱工業指数。
埼玉県内の鉱業や製造工業における生産・出荷・在庫の動きを、2010年の12ヶ月の平均を100.0とした比率で業種別に表します。
毎月公表しているものと四半期ごとに公表しているものの2種類があるのですが、このほど今年7~9月の第3四半期における同指数が発表されました。
出荷増で在庫は減少
県発表の今年7~9月の鉱工業指数が以下の通りです。
指数 | 前期比(%) | 前年同期比(%) | |
生産 | 96.7 | 2.8 | 1.4 |
出荷 | 97.2 | 1.3 | 1.6 |
在庫 | 110.3 | -2.6 | -8 |
在庫率 (在庫/出荷) |
141.8 | 0.3 | -2.6 |
生産・出荷は2期連続の上昇となる反面、在庫は2期連続の低下・在庫率は2期ぶりの上昇となりました。
前年同期比でも生産と出荷が増加している反面、在庫は8と大幅に減少しており、出荷が増えたことで在庫が減っているのが伺えます。
化粧品やパチンコ機器が躍進?
生産・出荷は23業種 、在庫は20業種を対象と同指数。
各業種に分解して何が上がって何が下がったを見ていきます。
生産では10業種が上昇し、13業種が低下。パチンコなどを含む業務用機械工業・化粧品などを含む化学工業などの業種で上昇した一方で、半導体製造装置などを含む生産用機械工業・開閉制御装置などを含む電気機械工業などの業種で低下しました。
出荷ではパチンコなどを含む業務用機械工業・化粧品などを含む化学工業などの7業種で上昇した一方で、半導体製造装置などを含む生産用機械工業・電力変換装置などを含む電気機械工業などの16業種で低下しました。
低下業種よりも上昇業種の数が少ないのにトータルでは上昇しているということは、業務用機械工業や化学工業がかなり伸びたのだということでしょう。
需要増に備えての在庫増?
続けて 在庫 では11業種が上昇し、 9業種で低下。
乗用車などを含む輸送機械工業・アルミエクステリアなどを含む金属製品工業などの業種で低下しました。
逆に銅電線などを含む非鉄金属工業・プラスチック製容器などを含むプラスチック製品工業などの業種で上昇したということです。
いずれも生産に欠かせない物品だけに、自動車などの完成品で低下したのにこれらの業種で在庫数が伸びたというのは、例えば生産を増やす需要が高まったときに真っ先に供給できるようにしようとしているためなのでしょうね。
回復基調の中の足踏み感
これに合わせて少し前の10月中旬ですが、同期の埼玉県四半期経営動向調査の結果も発表されています。
製造業をはじめとした県内の2200の事業者を対象にその経営状況を聞くもので、四半期毎に調査を行なっています。
鉱工業指数に続いてその結果を見ていきましょう。
3期連続悪化も年単位では好況?
まずは今年7~9月の第3四半期の自社業界の景況について。
「好況である」と回答した企業は7.9%に対して「不況である」とした企業は38.5%で、
これらを差し引いた景況感DIは-30.6となりました。
第2四半期期から0.3ポイント減少して3期連続で悪化傾向にはありますが、前年同期比では5.4ポイント増加と年単位では好感触をつかめているようです。
現場からは
「業界の中小企業が減っている印象があり、廃業した同業者の仕事が回ってくる」(輸送用機械器具)
「どの企業も多忙な様子ではあるが、良い企業と悪い企業の二分化が進んでいる」(プラスチック製品)
「少し前に底打ちから良くなっていると思ったが、そうでもない」(商店街)
といった声が上がっているようです。
今後の見通しは好転
続けて今後の見通し。
「良い方向に向かう」と答えた企業は10.9%で「悪い方向に向かう」とした企業は19.0%、
差し引いた先行きDIは-8.1となりました。
悪い方向へ向かうという回答が多かったものの、前回調査から3.9ポイント増加し2期ぶりに改善したということです。
実際の現場からも、
「当面、現状維持の見込みであり、良い方向に向かうとみている」(金属製品)
「旅行申込は増える見込みであり、良い方向に向かうとみている」(サービス業)
といった声が上がっており、比較的先行きについてはプラスに捉えているようですね。
深刻な人材不足
主な経営上の問題点について
一番多かったのが「売上の停滞・減少」(45.3%)でしたが、これに「人材の不足」(39.9%)「経費の上昇」(29.3%)が続きます。
ここ1年で増加した事業コストについては、
やはり「人件費」(50.9%)が最多で、「原材料費」(40.6%)「配送料」(31.5%)と続きます。
そして県に望む施策については、
「人材確保、従業員の能力開発支援 」(41.9%)が一番多く、「販路開拓、受注機会の確保支援(ビジネスマッチング)」(28.5%)「事業展開に必要な資金支援」(28.1%)がこれに続きます。
埼玉に限らず日本全体がそうでしょうが、人手不足が浮き彫りとなった調査結果となりました。
来年4月からは残業時間の上限や有給休暇の年5日取得義務を謳った働き方改革法案が大企業から順次始まります(中小企業は2020年以降)が、人手不足が進んでいる現状からするに業務の効率化やワークシェアリングといった取り組みがますます必要になることと思われます。
4割の企業が地域と関わりあり
最後に各事業者と地域との関わりについて、42.9%の企業が「持っている」と回答しました。
本社移転なども盛んに行われてる埼玉県で地域との関わりは薄まりつつあるのかと感じましたが、まだまだ根強く残っているようですね。
具体的な取り組みについて
「地域活動への参加(防災、クリーンデー、お祭り等)」(38.1%)が最も多く、
次いで「物品の提供や寄付への取組」(24.8%)「地域の教育機関や団体と連携した取組」(13.8%)となりました。
地域との関わりで今後興味のある活動については、
「シニアの活躍を推進する活動」(37.1%)が最も多く、
これに「地域の伝統芸能、文化、スポーツに関する活動」(32.9%)「街の防災に取り組む活動」(28.1%)と続きました。
当サイトでも様々な地域のイベント情報をお伝えしておりますが、このような事業者の皆様のご協力があってこそ。
改めて、いつも本当にありがとうございます。