長瀞を訪ねた先の4連休はちょうどGo to キャンペーンが始まったタイミングでもあった。東京発着の除外が物議を醸したが、宿泊費の35%が戻ってくるということで新型コロナで苦境に喘ぐ観光・宿泊業の起爆剤になるか注目される。
こちらでも地元の宿泊業の一助になれればということで、荒川のほとりの民宿長瀞荘に泊まった。
石挽き・手打ちの蕎麦屋を併設
長瀞岩畳を荒川上流沿いへ進み、1kmほど行くと秩父鉄道線上長瀞駅周辺に至る。ここまで来ると皆野町との町境もさほど遠くない。
今回泊まる長瀞荘は同駅のほど近くに位置する。
上の画像にもあるように、民宿という顔の他に土地らしくそば処勉強屋という一面もある。
勉強屋の方では地元をはじめ北海道や小諸などの国産蕎麦粉を使用した、石臼挽き・手打ち蕎麦を提供。
入口にある眼鏡をかけた二宮金次郎像がまた印象的だ。
親子三代・昔ながらの民宿
勉強屋の裏が民宿長瀞荘となる。
この地で親子三代・40年以上に渡って営業しているという同店。建物自体もなかなか趣や渋みがあり、これぞ民宿といった出で立ちだ。
ちなみに宿帳は勉強屋で書くことになるので、宿泊の際はまず最初に勉強屋に立ち寄ったほうがいい。
室内の模様
出発1週間ほど前に電話したところ空きありとのことで、大人1名で予約した。
1名から最大100名まで泊まれ、部活動の合宿やお泊まり保育などで使われる機会も多い。
女将さんに通され今回の客室へ。これまた風情ある6畳の和室だ。
ちゃぶ台にテレビにエアコンという設備に、アメニティも浴衣やタオルや歯ブラシと普通の旅館と遜色ない。WiFiも備えており、ネット接続も万全だ。
ただ、民宿ということで布団は自分で敷く必要がある。またバスタオルは用意されていないので、忘れずに持参しよう。
ちなみに6畳一間が基本だが、他にも10畳〜20畳の部屋が多くあり宿泊人数に応じて間仕切りを取り払うなどして多様なニーズに対応している。
館内設備の紹介
風呂とトイレは共同となる同宿。
中の撮影は控えたが、両者ともこの3月にリニューアルしたばかりで快適に過ごすことができる。
このうち風呂は5名前後が同時に使用可能で、入浴時間は23:00までとなる。
他にも館内には120畳の多目的ホールや約180畳の武道場があり、合宿や研修などに用いられている。
合宿で使用した団体による記念のメッセージや写真も随所に置かれており、古くから愛されていたことがわかる。宿泊者が自由にメッセージを書き残せるノートも置かれていて、満足した感想が多く見られた。
一人でもグループでも 夏季限定のバーベキュー
4種の肉を詰め合わせ
そうしているうちに夕刻18:00になった。同宿の夕食は18:00からとなる。
夕食は勉強屋で取ることもできるが、夏季限定で勉強屋と道路挟んで向かいの長瀞渓谷バーベキュー場のバーベキューを選択できる。
この日は梅雨の後半で雨が降っていたが、屋根付きのバーベキュー場なので天候の心配はいらない。
間隔をとってテーブルごとにコンロが配される。
そしてこちらがバーベキューの具材。一人前ではあるが、牛にイベリコ豚に鶏、そして2代目宿主がこだわったという羊肉の4種類の肉がてんこ盛りだ。
アルコールも心配いらず
そしてバーベキューといったら欠かせないのがビールなどアルコール。
こちらは併設されている自動販売機で購入する形となる。ビール・ハイボールは¥300でチューハイは¥250。
これ以外に食材の持ち込みはできないものの、飲料の持ち込みは可能だ。ただ同宿周辺にはコンビニやスーパーなどの商業施設はないため、長瀞駅周辺で買うなどして確保する必要がある。
いい肉で話も広がる
ビール片手に2代目こだわりのラム肉をいただく。
外の空気を感じながら心地よい音と香ばしい匂いの元で焼ける肉。同宿を選択してよかったと感じずにはいられない。
こちらも2代目こだわりのソースをつけて頬張る。赤身が多く締まった肉に風味あるソースが合わさり、大満足に尽きる一品だ。
肉を焼きながら、隣のテーブルの宿泊客とも思わず談笑。若い女性の二人組だったが、浦和の方から何度も来ているそうだ。長瀞に来たら思い切りラフティングをして同宿で疲れを癒し、翌日またラフティングというのが鉄板だとか。
新型コロナ下において対面で人と話す機会も少なくなっている昨今。美味しそうな肉をつまみなら見ず知らずの人とも話が広がり、まるで魔法にかけられているようだ。
里の定番 鮎の塩焼き
バーベキューだけでなく、ワンプレートも付いてくる。
里の魚の代表格、鮎の塩焼きだ。
こちらも腹から豪快にいただき、効いた塩気を肴にビールをゴクリ。やっぱり鮎の塩焼きとビールの組み合わせの右に出るものはない。
これが自分で釣った鮎だったらなおのこと美味しく感じられることだろう。
そんな風に旨味たっぷりの料理と他の宿泊客との談笑に浸っていたら、だいぶ夜も更けて来た。
光陰矢の如しというが楽しい時は実に早く過ぎていく。このあたりで床につかねば。