【埼玉県議会短信】多選自粛条例廃案など可決ー2019年12月定例会での審議議案・意見書

先月12/20に閉会した埼玉県議会の12月定例会では、補正予算案や37の議案が可決・認定および5件の意見書が採択された。

主な可決内容について詳しく見ていく。

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12月補正予算案について

同会では、台風19号からの災害復旧に係る経費に所要の予算措置を講じるとともに、東京オリンピック・パラリンピックの観戦機会の提供など、当面緊急に対応すべき事業について以下の通り補正予算が編成された。

  • 一般会計:231億3,975万7千円(補正後累計 1兆9,204億1,501万3千円)
  • 特別会計(災害救助事業、国民健康保険事業、県営住宅事業):15億8,283万4千円
  • 企業会計(地域整備事業):13億968万7千円

災害復旧への予算額

このうち災害復旧については、公共施設などの復旧費用と被害を受けた中小企業等の支援にそれぞれ補正予算が割り当てられた。

前者については概ね以下の内容だ。

  • 土木施設(道路・河川・砂防・公園):122億5,920万円
  • 農林施設(農業用施設、森林管理道等):62億1,573万8千円
  • 交通安全施設、社会教育施設等:4億6,029万3千円
  • 県営住宅《県営住宅事業特別会計》:2億2,437万7千円

県内の多くの河川で氾濫が発生したこともあり、河川をはじめとした土木施設の復旧費用に100億円以上が投じられる。加えて社会教育施設として、県立川の博物館などの復旧に係る経費も計上されている。

続けて後者は以下の通り。

  • 中小企業や農家、社会福祉施設等に対する支援:41億3,881万円
  • 観光需要の回復に向けた助成:9,572万6千円
  • 災害救助法に基づく被災住宅の応急修理経費の負担《災害救助事業特別会計》: 12億5,060万円

総計でおよそ55億円規模となった。これらの予算により、農業用機械や中小企業等の施設・設備などの復旧に対する助成や被災地への旅行・宿泊商品の割引支援などを行う予定と知事は提案要旨で述べている。

オリパラ観戦機会提供への予算額

7月からの東京オリンピック・パラリンピックでは埼玉県も一部競技の会場になるが、県としても地域の小・中学生に観戦機会を提供する予定だ。

それにあたりチケット購入に充てる債務負担行為が設定され、2億5,503万7千円を限度としている。

なお、審議にあたり総務県民生活委員会では「低学年の場合は熱中症により観戦が難しい場合が考えられる。また、付添い等が必要な特別支援学校の児童生徒もいる。これらについてどのような対応を行うのか」と質疑があった。これには「暑さへの対応については、会場の最寄駅に配置する都市ボランティアに、周辺の冷房が効く場所の情報などを周知する。特別支援学校への対応としては、バス移動が必要な場合には、県が相談に応じて、組織委員会等の関係機関と調整を行う。また、教員に加えて保護者が付き添う場合には、保護者分のチケットも配分したいと考えている」と答弁があった。

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可決された主な議案

多選自粛条例の廃止条例

補正予算以外の議案としては、第108号として提出された以下の議案が可決となった。

埼玉県知事の在任期間に関する条例を廃止する条例
埼玉県知事の在任期間に関する条例(平成十六年埼玉県条例第五十二号)は、廃止する。

附則

この条例は、公布の日から施行する。

令和元年十二月二日提出
埼玉県知事大野元裕

提案理由
知事の在任期間に関する定めを廃止したいので、この案を提出するものである。

上田清司前知事(現:参議院議員)時代の2004年に、同氏在任中は知事の在任期間を3期12年までとするいわゆる多選自粛条例が可決した。しかし3期目を終えた2015年の知事選にも同氏は出馬し4選。同条例は半ば有名無実化し、議会最大勢力たる自民党県議と知事との間に対立が生まれることとなった。

16年ぶりに知事が入れ替わったこのタイミングで同条例を廃止する上記議案が出され、可決となったことで同条例は廃止となった。

審議にあたっては企画財政委員会において「知事の在任期間に関する条例を守らせるために、執行部として何か取り組んできたのか。また、条例の廃止についてはいかがか」と質疑があったが、これには「本条例は前知事の政治信条に関するものであり、自身への戒めとしてあえて残すという考えが示されていたので、執行部が守らせる、廃止させるというのは非常に難しいと考えていた」とと答弁があった。
加えて、「条例が守られていないという状況を踏まえ、所管課として前知事に対し、何か行動を起こさなかったのか。執行部がしっかりと説明していたにもかかわらず、前知事が条例を守らなかったということか」という質疑に対し、「執行部としては、条例の状況について、折にふれて知事にしっかり説明してきた。それを踏まえて知事として判断されていたと認識している」との答弁があった。

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