可決された主な意見書

同会で可決された意見書は5件あった。

その一部の内容を見ていく。

老朽化した商工会館の建替えに対する支援を求める意見書

老朽化した商工会館の建て替えの支援を国に求めるべく、以下の意見書が可決となった。

中小企業・小規模事業者の経営相談の役割を担う商工会及び商工会議所(以下「商工会等」という。)が拠点を置く商工会館は、建築基準法に基づく現行の耐震基準が導入される以前に建築され、老朽化しているものが少なくない。
商工会館は、商工業者のみならず地域の催事会場等としても利用されている公共性の高い施設であり、発生が予想されている首都圏直下型地震等により建物が被災した場合に、商工会等の機能停止のみならず一般住民等の被害が懸念されるため、安全の確保は極めて重要である。
本年7月には、「中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律」が施行され、商工会等は、小規模事業者が災害対応力を高めるために行う事業継続力強化を支援する役割を担うこととなった。
加えて災害発生時においては、商工会館を拠点として管内の被害状況を把握するとともに自治体等に報告し、災害救助法が適用された場合には「特別相談窓口」が設置されることからも、商工会館が機能停止に陥ることのないよう早急に対策を講じる必要がある。
よって、国においては、老朽化した商工会館の建替えを推進するため、補助制度を創設するなど財政支援措置を講じるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和元年12月20日

                                                   埼玉県議会議長   神尾   高善

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣   様
経済産業大臣
国土交通大臣

今回の台風でも直後に各地の商工会館が支援拠点として機能していたが、今後もしも同様ないしはそれ以上の規模の災害が起きた場合同施設が損傷を受ければ地域の復興の足かせになりかねない。

それゆえ、同施設の重要性を理解した上でその安全の担保を求めるべく、国に建て替えへの支援を求めている。

スマート農業の推進を求める意見書

農家の省力化を実現すべく、以下の意見書が可決となった。

我が国の農業は、担い手の減少、高齢化の進行等により労働力の不足が深刻な問題となっているものの、一経営体当たりの経営耕地面積は拡大している。また、農業の現場では依然として人手に頼る作業や熟練者でなければならない作業が多く、省力化、人手の確保、負担軽減などが重要な課題となっている。
そのため、新規就農者を増加させるための対策を行うことはもとより、少ない人手で経営規模を拡大することを可能にするとともに、誰もが取り組みやすい農業を実現するため、ICT及びロボット技術等のスマート農業技術の導入・活用を行うことが不可欠である。
国は、農業現場や経営へのスマート農業技術の導入による効果検証を行っているほか、本年6月に「農業新技術の現場実装推進プログラム」を策定し、新技術の導入により実現することが期待される将来像や新技術を農業現場に実装するために必要な施策等を示した。
しかし、農業経営者の関心は高い一方で、スマート農業機械が高額であるなどの理由により、導入を考えていないとの声も多い。スマート農業機械導入のための補助制度を充実させることはもとより、複数の農家でスマート農業機械を共有するなど、低コストで導入できる手法をモデル化して普及を推進することが重要である。
また、スマート農業技術においては気象や過去の収量等のデータの収集が重要であり、これらのデータを集約・統合して活用できる農業経営者が不足しているため、実証事業等を通じて、人材育成の仕組みを整備することが求められている。
さらに、農業経営者の誰もが新技術に精通しているわけではない中で、近年続々と実用化されるスマート農業技術を現場の農家に導入してもらえるよう、普及・拡大する方策をとらなければならない。
よって、国においては、スマート農業の推進に向けて、下記の事項を実施するよう強く要望する。

  1. 国が行っているスマート農業技術の農業現場への実装に向けた実証事業を継続し、実証地域や品目を拡大するとともに、十分な予算を確保すること。
  2. スマート農業機械導入のための補助制度を充実させるとともに、スマート農業機械の導入及び利用に係るコストを低減する手法を検討・開発し、普及させること。
  3. スマート農業技術に必要なデータの収集を進めるとともに、実証事業等を通じて、データを収集・活用する営農方法に精通した人材を育成する仕組みを整備すること。
  4. 新規就農者を対象とする農業次世代人材投資事業を拡充するとともに、新たにスマート農業に取り組む農業経営者の研修費用の補助を行うこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和元年12月20日

埼玉県議会議長 神尾 高善

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 様
財務大臣
農林水産大臣

近年問題になっている人手不足に加え、新規就農者の減少などで耕地面積が拡大しつつある農業においては省力化が課題になっている。

こうした中で注目を集めているのがロボットやICT技術を活用したスマート農業。しかしその普及には機械・装置の低廉化や技術啓発や人材育成などいくつもの課題がある。

それゆえ国に対しても、実証事業継続や技術開発推進や導入補助などを求めている。

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その他県政トピックス

埼玉県自転車活用推進計画に対する意見募集

県では、自転車活用推進法第10条の規定に基づき、県の実情に応じた自転車の活用の推進に関する施策を定めた「埼玉県自転車活用推進計画」の策定を進めている。

これにあたり多くの県民の皆様の意見を反映するため、同計画に対する意見を2/4まで募集している。
同計画の素案については、特設ページか各県土整備事務所などで閲覧ができる。

詳しい募集内容や提出方法などについては、県HP内のお知らせを参照のこと。

 

次回の県議会は2/20(水)開会の2020年2月定例会だ。

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