瀬戸大也選手がパリ五輪へ決意 令和4年度埼玉スポーツの未来を考える会開催

埼玉県内のスポーツ振興に向けて活動する埼玉県スポーツ協会(上尾市東町)は1/13(金)、企業や競技団体はじめ県内大学など地域のスポーツ関係者の新たな協力関係構築に向けた令和4年度埼玉スポーツの未来を考える会を、ロイヤルパインズホテル浦和(さいたま市浦和区仲町)にて開催した。

第一部の講演会では毛呂山町出身の競泳・瀬戸大也選手(28)が登壇。来年に控えるパリ五輪に向けた決意などを語った。

スポーツで県勢活躍、さらなる飛躍を

昨年2022年はラグビーのプロリーグであるリーグ・アンにおいて、熊谷市を拠点する埼玉パナソニックワイルドナイツが初代王者に輝いた。また、サッカー皇后杯では三菱重工浦和レッズレディースが初優勝、北京パラリンピックでは深谷市出身の村岡桃佳選手がアルペンスキー種目で金メダルを獲得した。加えて、栃木県で開催された第77回国体では男子が目標となる3位以内に入賞。国内外で県勢の大躍進が目立った。

コロナ禍で3年ぶりの開催となった同会冒頭に同協会は参加者各位に感謝を述べ、「うさぎ年の今年も、埼玉県スポーツが大ジャンプするように」とさらなる飛躍に期待を込めた。

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プール外で緊張ー瀬戸大也選手が講演

「五輪で金メダル」が目標

続けて講演会に入り、瀬戸大也選手が登壇。「大会では緊張しないが、それ以外の場所だと緊張する」とのことだが、J1・浦和レッズでの会場アナウンスで有名な朝井夏海氏の進行で肩をほぐす。

水泳を始めたきっかけについて、同選手も幼少時より体動かすのが好きだった同選手。サッカー教室なども体験したが、両親の勧めで実家近所のJSS毛呂山スイミングスクール(入間郡毛呂山町岩井西)に入会。「スクールがあったからこそ水泳を始められたし、運命的な出会いだった」と当時を振り返る。

2000年のシドニー五輪も観戦したが、「世界最大の大会である五輪の水泳で金メダルとりたい」と意欲を示した。水泳以外の競技は三日坊主だったが水泳には熱中、出場した地区大会で結果が出なくとも、強い上昇意識のもとで一つ一つ自分の目標を両親とも立てて行きこなしていった。全国大会に出場する選手が自分と同年代の時に出した記録を意識してそれを超えていくよう努力することで試合も楽しくなっていった。

同年代の荻野公介選手の存在も刺激で、始めて会った時には非常に大柄で衝撃を受けたという。荻野選手に勝つことを強く意識したが、良きライバルかつ戦友として互いに切磋琢磨。荻野選手は現役引退して解説者となったものの、「欲言えばまた日の丸掲げて共に戦いたい」と希望。

切り替えの早さ評価

同会に出席していた花咲徳栄高校競泳部の細貝孝樹コーチも登壇し、高校時代の同選手を振り返った。

同選手も全国で活躍する選手をを多く排出した同コーチに惹かれて当時勤務していた埼玉栄高校に進学するが、競泳部の設立に向けて同選手入学と入れ違いに転勤となった。直接の指導はなかったもののインターハイにも同行し大学進学までも支援、現在のトレーニング体制の基礎を作ったのも同コーチだったという。

「いろんなところで助けてくれる」と同選手も感謝。

同コーチも「目標を立てるのは時間がかかるけど、立てればその道にしっかり進んでいく姿勢を中学から示していて、埼玉や日本を背負う選手になると確信した」と同選手を評価。揺るぎない努力や気持ちの切り替えが早い点も高く評価している。

パリ五輪へ再出発

高校時代にはインターハイの400m個人メドレーで三連覇を達成したが、2012年のロンドン五輪では日本代表から落選し大きな挫折を味わった。

それでも早大進学後には世界水泳や世界短水路選手権で相次いで金メダルを獲得。昨年に豪州メルボルンで開催された世界短水路選手権では男子400m個人メドレーで前人未到となる6連覇を成し遂げている。しかし、2016年のリオデジャネイロ五輪では同種目で銅メダル、1年延期となった2021年の東京五輪ではメダルには届かなかった。

各大会で獲得したメダルは毛呂山町の実家に飾ってあるが、あまり見ることはないという。しかし、「悔しい思いをしたリオ五輪の銅メダルは見返すことがある」と同選手。

地元開催となった東京五輪はコロナ禍の影響で前代未聞の延期となったが、4年に1度アスリートが皆命がけでやっているからこそ五輪の価値も考えたという。「忘れたい1年で、全てが自分からなくなっていった」と当時を振り返る。

同大会での結果を受けて、応援してくれる人々へ向けて来年のパリ五輪への再出発を掲げた。現在は東海大学で練習に励み、加齢はあるものの記録も伸びつつある。

大会まであと1年となり世界各国も的を絞ってくるが、「自分も遅れずにやっていきたい」と意欲。まだ達成していない「五輪で金メダル」の目標達成に燃える。

屋内50mプールに期待

現在県では川口市神根公園内に屋内50mプールの建設を推進しており、令和9年度中の供用開始を目指している。

同選手も「埼玉のスイマーにとって非常に喜ばしいこと」と評価し、2028年のロス五輪に向けた強化にも期待。25mプールが多い土地柄だけに県内出身者は短水路も強いものの、レベル底上げに強く期待を込めた。

自身も日本選手権で代表選考外になるまで現役を続けたいとしているが、引退後は地域で世界を目指すスイマーを支援していける存在になりたいと視野。「自分がやってきたことをジュニアスイマーに伝えていければ」と述べた一方で、「埼玉国体が行われたら、リレーであってもレジェンド代表として出場したい」とも。

自分を育ててくれた水泳への恩返しとしてパリに挑みたいとした上で、「その先もできる限り競技を続けつつ、次の世代にバトンタッチしたり指導者になれれば。まずはパリに向けて頑張っていく」と抱負を語った。

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地域での活動はー瀬戸大也選手インタビュー

ー今年は埼玉地域でどういったことをしていきたいか

パリ五輪に向けて忙しくなかなか時間は取れないが、地元開催となる福岡の世界水泳で活躍してる姿を地域住民やスイマーに見せられれば。

国体についても、また埼玉県代表として参加したい。

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