
厚生労働省埼玉労働局(さいたま市中央区新都心、増田嗣郎局長)は、来年春に県内の高校や大学などを卒業し就労を希望する新卒学生の就職内定率を12/1に公表した。
コロナ禍で企業説明会の中止や採用活動の縮小などが相次いだ結果、就職戦線にも少なからぬ影響が出ているようだ。
県内大学等卒業予定者の内定状況
まずは県内の大学等卒業予定者の内定状況を見ていく。
同局管内の大学37校・短期大学12校・大学院28校における10/1時点での学生からの報告など取りまとめたものになる。
大卒で大幅減
(同局発表資料より、以下同)
それによると、10/1時点で県内大学学生の就職内定率は46.0%で、前年同期比7.8%減となった。同時点での短期大学学生の同率も30.8%で、同8%減となっている。
大学と大学院を合わせた内定率は、同4%減の46.9%。
特に大学生の内定状況はここ3年ほどは過半数を超えていたが、大きく下がって半数を下回った。
コロナ禍による採用活動縮小などで就活において苦戦を強いられている様相が伝わってくる。
文系が好転ー大学院生の内定状況
一方で大学院生の内定率は同5.7%増の60.5%となった。
ポスドク問題も取りざたされている中で直近3年間は6割前後に上昇しつつある。
特に文系での内定率が11.6%増の23.1%で、大学院生全体の内定率上昇に寄与したと見られる。
県内高校卒業予定者の内定状況
続けて県内高校卒業予定者の内定状況を見る。
今年度の選考はコロナの影響で1ヶ月後ろ倒しの10月16日となったため、昨年9月末と今年10月末のデータを比較する。
(同局発表資料より)
10月末時点での県内高校卒業予定者内定率は63.3%で、前年9月末比1.9%減となった。
特にここ5年ほどで増加傾向にあった求人数が同17.6%減の14,178人に低下している。また同じく上昇傾向にあった求人倍率も同0.2ポイント減の2.31倍になった。
求人数の減少に見えるように、コロナ禍における採用活動の消極化が影響していると考えられる。