市民目線で国際理解を 第1回国際協力フェア in Saitama開催

埼玉県内でフェアトレードや途上国支援など国際協力活動に取り組むNGO団体がその活動内容や成果を紹介する第1回国際協力フェア in Saitamaが、12/18(日)にRaibocHall市民会館おおみや(大宮区大門町)にて開催された。主催は埼玉NGOネットワーク。

各分野で注目されているSDGsも絡めて、市民目線で国際理解を促進した。

市民による市民のための国際協力フェア

県内では毎年夏に埼玉県国際交流協会主催でさいたまスーパーアリーナにて交際フェアも開催されてきたが、コロナ禍で中止になっている。そのような中で開催された同イベントは、県内では初となる国際協力に特化した、市民主催のイベントにとなった。

買って学んで味わって

同イベントには国際協力やSDGsをテーマに、県内21の団体が出展。

このうち国際協力に関して、カンボジアはじめ東南アジア諸国で活動するCHANGアジアの子供財団(川口市芝新町、斉藤興仁理事長)は子どもたちへ向けた諸国のクイズを展開。各国の意外なトリビアに子どもたちも興味津々。ポル・ポト政権下以降、カンボジアでは若年層の割合が急増中で、教育インフラの整備が急務となっている。同会としても教育支援などにもあたっており、コロナ禍ではあるが今年は約2年7ヶ月ぶりに現地入りしたという。今後は本格的に現地で活動を再開したいと意気込む。

バングラディッシュで活動するシェア・ザ・プラネット(川越市菅原町、筒井哲朗代表理事)は、同国で生産された生活雑貨などを販売。同国で農業や女性の就業支援にあたる。イスラム教圏内ゆえ女性の社会進出にはまだまだハードルも高く、食料や気候に関しても問題は多い。それでも物資供給より農法の指導などノウハウの共有にも力を入れる。現地の子どもたちが描いた10年後の未来の絵も紹介されたが、「乗り物やロボットなどが描かれ、日本とさほど変わらない」とも。

同施設内の和室では、フェアトレードのコーヒーや日本茶なども振舞われた。

狭山茶の産地たる県内の学校などで急須で淹れる茶の普及に努める狭山お茶育研究会は、入間や所沢と茶の産地で採れた茶葉を利用した日本茶や紅茶を急須で淹れて販売。畳敷きの和室で、生け花を含む和文化を嗜む者も多くいた。他の産地の茶に比べて狭山茶はしっかりとした茶と言われることも多く、中国や欧州への輸出も視野。特に中国は茶の伝来国であり、現地に適した品種の栽培も検討しているという。

フェアトレードでラオスのコーヒーを販売する東洋大学ボランティアサークル「Smile F Laos」もコーヒーの販売を展開。同大の授業の一環として始まり、販売で得た収益の一部でオリジナルの絵本を作製し現地の子どもたちに絵本を届けることを目標にしている。オープンキャンパスで活動内容に惹かれる者も多く、学生主体での国際協力を体現している。

留学希望者も回復傾向

国際協力というテーマから、将来的に国際協力やそれに先立って海外留学に関して情報を提供する団体も出展した。

埼玉県国際交流協会(浦和区北浦和、鷺坂長美理事長)によると、今年度の留学生の応募も例年の水準に戻ってきているという。欧米やオーストラリアといった国が人気。

同協会では留学支援だけでなく、日本に来ている留学生について県内企業への就職も支援。こうした留学生は企業からの評判も上々で、海外進出する際の戦力として採用する企業も多いとのこと。

スポンサーリンク

SDGsも訴求

同イベントではSDGsをテーマに活動する団体も多数出展。その活動内容をアピールした。

さいたま市内を中心に活動するSDGsさいたま応援団(森啓祐代表)は、身近なところから流れ出たプラゴミが環境に与える環境についてパネル展示。河川にも風化の進んだペットボトルやビニール傘などが投棄され、水流の妨げとなったり河川の生態系に影響を与えつつある。そうした問題に関するパネル展示を県内各所で実施し、SDGsの啓発に努める。12人の会員はシニア世代が多く、次の世代へ向けた布石にもなっている。パネル展示だけでなく、ゴミ拾いや他団体との交流も実践。自身も手を動かすことでSDGsを各自の自分ごととして周囲に訴えている。

国際箸学会(川口市並木元町、小宮山栄会長)は健康をテーマに出展。落花生の模型を一定の時間内に箸を用いてどれだけ移動できるか計測できるか、高齢者の機能訓練や子どもへのマナー研修での実施を通じて箸を用いた文化の普及啓発に努める。近年では欧米など海外でも箸文化への注目が高まっている。介護などで外国人労働者も多いが、ベトナム人など箸文化がある国からのスタッフが箸を扱うと利用者からも好評という。

「遊びながらも健康維持を」と文化振興を通じた健康増進に邁進。

スポンサーリンク

この記事が気に入ったらフォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事