不動産売買サイト「SUUMO」を運営するリクルート住まいカンパニーは、昨日3/3に住みたい街ランキング2020関東版などを発表した。
昨年の同ランキングで大宮駅は過去最高となる4位に食い込んだが、果たして今年の結果はいかほどであったか。
調査概要
- 調査対象:関東圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県)在住の20歳~49歳の男女7000名
- 調査方法:インターネットによるアンケート調査
- 調査期間:2020/1/6〜1/16
順位同じも得点上昇ー住みたい街(駅)ランキング
まず同調査の目玉となる住みたい街(駅)ランキングの結果を見ていく。
これは各調査対象に住みたいと思う街を最寄り駅という形式で、上位3駅尋ねたもの。順位によって点数を割り振り、調査対象全員からの値をランキングとして集計する。
(リクルート住まいカンパニー発表資料より、以下同)
こちらが同ランキングの上位20位。1位は横浜だが、大宮が昨年と同じく4位にランクインした。
上位4駅の顔ぶれは変わらないが、大宮についてはスコアが688で前年比121増となっている。前年同様3位につける吉祥寺が同8増の782だったことを踏まえれば、古くから住みたい街として名を馳せた吉祥寺を大宮が追い越す日もそう遠くないのかもしれない。
また浦和は前年比2位下降の10位となったが、19位にマンション開発が進むさいたま新都心(同4位上昇)が食い込み、上位20駅のうち3駅を埼玉勢が占めている。
住みたい街の魅力項目
浦和が順位を下げたとはいえ前年に引き続き上位10位に大宮と浦和が名を連ねるが、どのような点が魅力と感じられたのか。
これによると大宮は「デパートや大規模商業施設がある」「映画館や美術館、動物園などの施設が充実している」といった点が魅力になっているが、浦和はこれらに加えて「小学校・中学校などの教育環境が充実している」「資産価値がありそう」といった点が魅力とされているようだ。
反面「どこにいくにも電車・バス移動が便利だ」という交通利便性については、両者ともほぼ同程度になっていた。
回答者の属性
こうした両都市の魅力の違いは、回答者の属性にも色濃く出ている。
ライフステージ構成別
その一つがライフステージ構成別の回答者内訳。
これによると大宮はシングル世帯男女からの人気が高いが、浦和は夫婦+子ども世帯からの人気が高いことがわかる。
浦和について「小学校・中学校などの教育環境が充実している」ことが魅力という声が強いが、子どもがいる世帯が浦和高校の存在など教育水準の高さを評価している可能性がある。
年代別
年代別に見ても大宮は全ての年代からほぼ同じ程度支持を得ているが、浦和は年代が上がるにつれて支持率が高まっている。
「資産価値がありそう」という声にもあるように、経済力のある中高年からは資産としても評価を得ているのだろう。
居住都県別
最後に回答者の居住都県別の内訳を見た。
大宮・浦和とも、埼玉県在住の回答者の割合が75%を超えている。他の駅には見られない2者特有の特徴だ。
そうなると同じ埼玉県民の中でも大宮や浦和に住みたいという者が多いということになる。
なお大宮・浦和以外の駅で同割合はいずれも10%台だが、唯一池袋では31.3%となっている。「埼玉の植民地」などといわれることも多いほど埼玉には馴染みのある池袋だが、実際に評価をする埼玉県民も多いのかもしれない。
川口・和光市も穴場ー穴場と思う駅ランキング
同社では、穴場だと思う駅についてもランキングを発表している。
調査対象に交通利便性や生活利便性が高いのに家賃や物件価格が割安なイメージがある駅を3つまで答えてもらい、その合計数でランキングを作成したものだ。
上位20位までを見ると、3〜5位に川口・大宮・和光市と埼玉県内の駅がランクインしている。また所沢が11位、浦和が20位にそれぞれランクインした。
川口や和光市については住みたい街(駅)ランキングでは40位台だったにも関わらず、同ランキングでは上位に食い込んでいる。特に川口は同ランキングで前年よりも7つ順位を上げた。
家賃相場で見ても川口は隣駅で2位の赤羽よりも安いし、和光市に至っては都内駅はもちろん大宮よりも安い。どちらも一駅隣は都内にも関わらず家賃相場の安さが高く評価されているようだ。また和光市は地下鉄2路線私鉄1路線、川口は中距離列車は停まらないも京浜東北線に徒歩圏内に埼玉高速鉄道線(川口元郷駅)と交通利便性についても申し分ない。