【さいたま市議会短信】MaaS導入など質問 2021年2月定例会代表質問から

開催中のさいたま市議会2月定例会の代表質問より、一部答弁を紹介する。

さいたま市版「MaaS」の導入について

吉田一志議員(公明)から、市が導入を進める「MaaS」に関して質問があった。

質問内容

昨年11月に、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部改正が施行された。
同法では自治体主導で地域交通をデザインし、必要な交通サービスの確保・改善が求められている。そのためにも地域における輸送資源を総動員し少子化高齢化への対応を図り、新しい技術を積極採用し利用者目線に立ったネットワーク構築が重要となる。

市では2019年6月に新たな交通モビリティによるまちづくり協議会を設立した。
同協議会では少子高齢化で縮小が懸念される交通網を維持するとともに、高齢者や障害者など交通弱者に向けた支援を強化し、行政主導でアクセス性向上や市民の利便性を高める魅力的な交通体系構築を図っている。

市の移動に関する課題は、交通渋滞や主要駅での混雑解消、交通空白地域や観光客の利便性や回遊性確保など多岐に渡り、地域によって抱える課題が違う。
それゆえ、その解決に向けた施策も異なる。

現在地域公共交通計画の策定が進められており、移動手段の効率化を図るソフト面のインフラとしてMaaSの概念が反映されるとされる。
都市部と郊外部では同じ概念を組み込むとしても施策が異なる。
前者では既存の交通機関を組み合わせて利便向上や活性化を図るが、後者ではAIデマンドバスの運行など交通手段の高度化を図ることが考えられる。

これら交通課題の統合的解決に向けて市の目指すMaaSの姿や交通体系の現状、将来像を聞く。

市長からの回答

同質問を受けた清水市長からの回答。

交通体系への施策の現状について。

生活道路整備や自動車利用環境の向上や公共交通・幹線道路ネットワークの充実などにより公共施設などへのアクセス向上や交通空白地区への解決などへ努めた。

課題としては都心内のネットワーク維持に資する移動サービスの拡充や広域交通拠点性強化、交通空白地帯における多様な公共交通の持続性確保などがある。

課題に対する取り組みの一環として、移動サービス拡充へシェア型マルチモビリティの実証実験を大宮駅やさいたま新都心周辺で予定する。
また、地域ニーズに応じた生活確保に資するAIデマンドバスの実証実験を、岩槻区や美園地区にて予定する。

加えて既存交通手段の活用を基本に地域としてより効率的かつ持続的な地域旅客輸送体系確保を目的に、地域公共交通計画を現在策定している。同計画内において、交通体系の将来像として市民の日常生活の移動手段として便利で魅力的なまちと持続可能な公共交通ネットワークを構築を目指すと明記した。

市が目指すMaaSは、骨格となる鉄道やバスなど公共交通とシェアモビリティやデマンドバスなど新たなモビリティサービスをシームレスかつ快適につなぎ、地域の個性を生かすMaaSやラストワンマイルの移動手段を確保し地域の課題を解決するMaaSになる。

引き続き地域関係者や交通事業者と連携しながら、MaaS推進に努めていく。

スポンサーリンク

コロナ対策としての経済対策について

神田義行議員(共産)は、コロナ禍における経済対策について質問した。

質問内容

緊急事態宣言発出からコロナ感染から市民の暮らしを守るという点で、国では雇用調整助成金や持続化給付金の延長が決まった。
飲食店を中心に時短営業に対する助成金も出されている。

しかし補償の範囲は非常に狭く、緊急事態宣言下で地域経済を守るにあたっては不十分と言える。
昨年市では中小企業に向けた独自の10万円給付を行ったが、この間の感染拡大で多くの事業者が赤字に追い込まれ、倒産廃業も深刻となっている。

コロナによる不況は絶対に避けなければならない。
川口市や蕨市のように給付金の第二弾を実施している市町村もありさいたま市でも必要と考えるが、見解を聞く。加えて国が実施している持続化給付金のように、中小企業の規模に対応した市独自の給付を実施すべきであるが、見解を聞く。

同時に、失業者が市内に溢れるのを防ぐ必要がある。
生活保護の活用だけでなく、今後予想される臨時職員や会計年度職員の採用について市で行なっている就労支援に情報提供し、雇い止めに遭った人々の就労に結びつけることが必要だ。
特に今後はワクチン接種が始まり人手が必要になるが、ぜひ検討願いたい。

質問への回答

企業への給付に関して、阪口副市長は以下のように回答。

長引くコロナの影響で市内中小企業・小規模事業者の経営は予断を許さない状況が続く。

国の第三次補正予算では中小企業への事業継続支援や事業再構築支援が組み込まれている。こうした国の制度を活用し市内経済状況を注視しながら、市として必要な経済対策を早急に検討する。

雇用対策については日野副市長より回答。

市では業務繁忙や常勤職員の育児休業代替に会計年度任用職員を採用している。
新型コロナ対策のための新規事業や事業拡大にあたり同職員採用となれば、雇い止めに遭った人々への就労機会提供にもなる。

同職員採用には公募が原則で市報やHPで公開しているが、引き続き広く募集を行う。必要に応じてハローワークの求人申し込みを行うなど、多くの求職者に採用情報を共有するよう努める

昨年6月より緊急雇用創出事業として雇い止めに遭った人々などを同職員として採用しているが、今後の雇用情勢を注視しながら再実施も検討する。

スポンサーリンク

この記事が気に入ったらフォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事