安らぎの土地で癒しを 青葉園で藤の花が例年より早く見頃

新型コロナウイルスの流行拡大により、例年4月中旬〜5月上旬にかけて開園される藤花園(春日部市)の今年の営業が中止となった。樹齢1200年で特別天然記念物に指定されている藤の花を有する同園の営業中止は、開園以来はじめてという。

一方で、西区三橋にある青葉園では県指定記念物の藤の花が早くも見頃を迎え、墓参り客や地域住民に癒しを与えている。

おことわり
4/25(土)時点での開花状況になります。
気候などにより開花状況は常に変動しますので、あらかじめご了承ください。

青葉園について

公益財団法人青葉園が運営する同園は、1952年に設立された戦後初の民営墓地。都内近郊において東京ドーム3個超にあたる15万平方メートルという広大な敷地を有し、区画数は延べ22,000区画にも及ぶ。

宗教不問で多くの著名人も埋葬されている。

近年では墓参り代行サービスなどもはじめており、時代のニーズに対応している。

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見頃を迎えた藤の花

同園正門を入ってすぐ左手に見えてくるのが、名物の藤の花だ。

埼玉県の指定記念物ともなっている。

例年4月末〜5月下旬にかけて見頃を迎えるという藤の花。花房の高さは長いものだと1.5mに及ぶ。

暖冬の影響もあってか今年はすでに見頃を迎えている。周囲にしておよそ30mはあろうかという藤棚の周りには、芳しい花の香りが漂う。

藤棚の下に入ることはできないものの、周りから眺めるだけでもその華やかさは圧巻だ。

藤の花のいわれ

ノダ性の三尺藤に属するというこの藤。樹齢は700年とされる。

昭和初期に近隣から東大成町の藤園に集められたといい、1953年には県指定天然記念物となっている。

その後大宮郵便局建設のために1965年に同園に移植されて今に至っている。

以来地域で長く愛されてきており、手入れも同園によってなされている。

咲き誇る季節の花々

この藤の花の周りにも季節の花々が多く植えられている。

ちょうどつつじや牡丹が花を咲かせており、藤の花と一緒に新緑の同園を彩る。

園内いたるところに

これ以外にも同園内のいたるところに藤の花が植えられている。同じく紫色の美しい花を咲かせている。

藤のアーチもあり、この時期に通り抜けるのはとても心地が良い。

ベンチが置かれる藤棚も一定間隔で存在し、ひとやすみにはちょうど良い。

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高さ日本一・三重の塔

記念物の藤の花を抜けると、広大な敷地に見渡す限り多くの墓が建つ同園。

敷地のほぼ中央に、ランドマークの三重の塔が見える。

辺り一面墓地の中で、一際目立つ。

萬霊追悼三重塔という名称の同塔は1978年竣工と塔にしては比較的歴史は浅い。

それでもその高さは31mで、三重の塔としては日本一の高さを誇る。

鎌倉時代に造られた福井県の国宝・明通寺三重の塔を参考に、建築技師の安田昭二氏が総桧でつくりあげたものだ。内部には木彫りの観音像が奉安されている。

同塔の隣には青葉園記念館(日曜・祝日開館)があり、同園に埋葬された人々の遺族より提供された品々が展示されている。

その他見どころ

他にも敷地内各所に彫刻などのモニュメントがある同園。記念物の藤の花の隣には英霊追悼塔や学習院初代総長の乃木希典の銅像もある。正門からは正反対になるが、あじさい園もあり梅雨の時期には綺麗な花を咲かせる。

正門外には休憩所や食事処三門も存在する。

あくまで墓地であるため墓参り客に配慮しながらの見学をお願いしたいが、多くの霊が眠る中で今を生きる我々としても安らぎを感じられるスポットだ。

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