【埼事記 2021/3/5】埼玉も緊急事態宣言再延長 「春」はまだか

■まもなく東日本大震災から10年となるが、5年以上もの長期間起きていた地震がある。長野県松代町(現:長野市)周辺で1965年8月から約5年半もの続いた松代群発地震である。

最大震度は5だったが、昼も夜も70万回以上も続いた地震に地域住民の多くがノイローゼになったという。

1970年6月にパタリと止んだが、いつ終わりが見えるかわからない状況だっただけに地域住民の気苦労の大きさが慮られる。

一連の地震で負傷者は出るも死者は出ず、我が国の地震予知は同地震を契機に大きく発展したという。

■地震ではないが、終わりの見えない振動が地域を揺らし続けている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言だ。

コロナ禍で始まった2021年は1/8からの2回目の緊急事態宣言で始まった。稀に見る厳冬下で人々の免疫も落ち、感染者が続出した。そのような状況下で感染爆発を防ぐために三大都市圏へ同宣言が発令された。発令に伴い、地域の商店や事業者も時短営業を余儀なくされ、客足が落ち閉店に追い込まれた店舗や事業者も数知れない。

当初1ヶ月とされていた同宣言も、2月に入って1ヶ月の延長となった。埼玉含む東京近郊の1都3県以外では、感染者数に減少が見られるとして宣言解除がなされるところも出てきた。

■1都3県は同宣言下にあるが、延長期限となる今月に入ってから2週間程度再延長するよう大野元裕知事ら各都県首長が政府に要請。これを受け、政府も1都3県に同宣言を再延長させる見込みだ。再延長後もその時の状況によって再々延長もありうる。

同宣言前は1日400人超が新規感染とされていた埼玉も、同宣言による時短営業や密の防止および気温も上がってきたこともあり新規感染者数は同100人台まで減少してきた。しかし、ここのところは同水準で下げ悩みとなっている。

他の都県も同じような状況であるため、揃って再延長を要請したというわけだ。

■暦の上では春に入り気温も上昇しつつある。桜の開花も近づいてきた。

それでも新規感染者数が連日100人近くいる状況が続いている。

当サイトでも煽っていることだろうが、暖かくなってくるに従って人が外に出るようになってきていることもあるのかもしれない。動物や虫と同様暖かくなると動き出すようになるのが人間の性ではある。いくら暖かくなって免疫が上がっても、その性で帳消しになっているというのがなんとも形容しがたい。

■何より一層苦しいのは、地域の商店や事業者だろう。

支援金の支給こそあれど時短営業を余儀なくされ赤字が続く中で、再延長で客足が遠のく状況が続く。2週間という期間であっても、その間は1分1秒が繁盛期の数倍にも長く感じられることだろう。

気温も上がってきて、さあここから稼ぎどきというときなのに続く赤信号。ともすれば廃業に追い込まれかねない。

外野の視点で書いてはいるが、その気苦労は想像を絶するものに違いない。

■河津桜が咲き出しているところもあり季節は春だが、いつ明けるともわからぬ緊急事態宣言下で地域はまだまだお寒い「冬」真っ只中だ。

そんな中で、自粛疲れや廃業・失職への恐怖に陥っている者も多いことだろう。思い切って外に出てパーっとストレスを解消したいが、感染者が止まらないだけにそれも許されない。このやるせなさやもどかしさをどこにぶつけるべきか。

感染対策へは仕方がないとはいえ、地域や市民はすっかり冷え込んでしまっている。冬来れば春遠からじというが、早いところ「春」が来てくれないか。

スポンサーリンク

この記事が気に入ったらフォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事