先日1/18(土)に熊谷地方気象台で初雪が観測された埼玉県。これは去年よりも2日、平年より23日遅い記録だという。
秩父三大氷柱でも氷の生育が追いつかないなど暖冬に見舞われた埼玉であるが、大宮第二公園でも一足早い春の息吹が感じられた。
埼玉における今年の暖冬について
果たして今年の冬は平年に比べてどの程度暖かいのか、気象庁が発表している熊谷地方気象台の観測値を元に解説する。
平年比1℃超
まずここ3ヶ月間の平均気温と各月の平年気温を比べてみた。
2019年 | 平年(1981〜2010年平均) | |
10月 | 19.2 | 17.0 |
11月 | 12.3 | 11.2 |
12月 | 7.3 | 6.3 |
(単位:℃)
いずれの月も平年より1℃以上高くなっている。
なお1月における平均気温の平年値は4.0℃だが、今年は1/21時点で既に6.2℃をつけている。
そこからも、今年の埼玉の冬は暖冬であると言い切って良さそうだ。
日照時間は少なめ?
ここのところ埼玉県内ではぐずついた天気が続いているが、日照時間についても同じく比較を行った。
2019年 | 平年(1981〜2010年平均) | |
10月 | 116.9 | 148.2 |
11月 | 188.4 | 169.9 |
12月 | 158.4 | 203.2 |
(単位:時間)
11月は平年を上回ったものの、それ以外の月では平年よりも少ないことがわかった。特に10月は台風19号などによる雨天も多く、少なくなったのは納得だ。
埼玉に限らず全国的に暖冬傾向にある今年の日本列島だが、その原因は偏西風の位置によるものなどが考えられているという。
花々にも異変発生
暖冬によって県内に咲く花々にも異変が生じている。
滑川町山田の国営武蔵丘陵森林公園の梅林で、梅の開花が確認された。
梅園には約120品種、約500本の梅の木がある。3月上旬まで、早咲き、中咲き、遅咲きの梅の花がリレーのよう順次、開花するのが特徴。
開花を確認したのは昨年12月28日。早咲きの「八重寒紅」という品種。約50本あり、その中の数本に、数輪が開花している。
梅林の見頃の最盛期は2月下旬から3月上旬。一足早い"春の足音"に、野鳥撮影に訪れていた女性も「鳥と梅、良い写真が撮れました」と笑みを浮かべていた。
〜以下略〜
(「梅が開花、森林公園で一足早い"春" 梅林の見頃は2月下旬から3月上旬 早、中、遅咲きの開花リレーへ」 埼玉新聞 2020/1/9)
(上記記事より)
滑川町にある国営武蔵丘陵森林公園では、既に先月末に梅の開花が確認されていたのだという。通例は1月下旬ころから咲き始めるものなので、やはりこの暖冬によって開花が早まったものと見るべきだろう。
大宮第二公園梅林での開花状況
梅というと大宮でも大宮第二公園に約500本の木が植えられた梅林がある。こちらでも既に咲いているのか行って確かめることにした。
天候などにより開花状況は日々変わりますので、あくまで参考程度と捉えてください。
白梅はまだ蕾も
同梅林は白梅が中心の梅林。
いくら暖冬と入っても、白梅の見頃は2月に入った頃からだけに流石に多くの木々はまだ硬い蕾に覆われた花々を宿していた。
とはいえ今後この暖冬が続けば、開花が早まることも十分考えられよう。
紅梅は既に開花中
それでも歩いていると確かに花が咲いている梅の木がある。流石に満開というほどではないが、この時期らしからぬ鮮やかな花々がしかと見て取れる。
森林公園と同じく、やはり咲いているのは早咲きの八重寒梅が中心だ。
なお梅林外にも同公園内には梅の木が植えられているが、既に花をつけている紅梅の木が多く見られた。
紅冬至も見頃
加えて梅林の中ほどには背の低い紅冬至も花をつけている。1月中旬には満開になるという品種ではあるが、淡い紅色の花がまた奥ゆかしく美しい。
手前には花をつけた八重寒紅の木もあり、ツーショットを撮ろうと多くの人々がカメラを向けていた。
ロウバイはもう少しか?
梅林内にはロウバイの木もあるが、この時点では蕾だった。そろそろ咲き始めてもおかしくない頃ではあるが、紅梅に先を越されてしまった。
天候にもよるが、開花にはもう少しかかるかもしれない。