川越市内の産業団体が集い展示や飲食・物販やステージイベントなどを行う令和4年度かわごえ産業フェスタが、11/26・27の2日間にわたり川越駅西口のウェスタ川越(同市新宿町)で開催された。主催は同イベント実行委員会。
家族で楽しめる展示などを通じて、地域住民が交流を深めた。
市制100年の年に復活!
コロナ禍で2019年の開催を最後に中止となっていた同イベントは3年ぶりの開催。10月の川越まつりや会期中11/27開催の小江戸川越ハーフマラソン同様、同市市制100周年の記念すべき年にリアル開催で帰ってきた。
同施設内の多目的ホールはじめ施設外の多目的広場には地域の事業者・団体らが模擬店やステージで出展。
3年ぶりの開催に、家族づれを中心に多くの来場客で賑わった。
技術・ワークショップで交流深める
このうち多目的ホールには工業・技術系の事業者・団体らが多く出展した。
BTM川越ラボ(同市脇田本町)は小型シングルボードコンピュータ「Raspberry Pi(ラズベリー パイ)」を利用して同イベントのために製作した入退室システムを出展。集積型の同機を用いてICカードで入室・退出を接続したパソコンで管理できる。様々な分野に応用可能な同機であれば2万円程度で構築も可能といい、低価格と多機能性を訴求した。
金属加工・電気工事・木工工芸の3科類を有する県立川越高等技術専門校(同市並木)は、木製のギターピックのワークショップを展開。子どもを中心に予約も多数入り、熱心に木を磨きピック作りに勤しむ子どもの姿も見られた。「同ワークショップを通じて木工に興味を持ってもられば」と同校担当者。
協同組合川越バンテアン(同市問屋町)は好評の塗り絵コーナーを展開。県内初の卸商集団組合で46社が加盟する同組合はメセナとして芸術をテーマにしたまちづくりを推進、一角に彫刻の伊佐沼工房も立ち上げている。色手本を参照に、大人も子どもも真剣な面持ちで塗り絵に集中し芸術を楽しんだ。
会場では川越まつりにちなんだ、東洋大理工学部機械工学科による山車ロボットコンテスト2022も開催。同市内外の高校生が製作し山車に見立てた自律型ロボットを指定の位置に移動・演技を行わせて、その芸術性や技術性を競う。
狭山工業高校(狭山市富士見)からも課題授業として複数の生徒が参加。同校の原嶌茂樹教諭も「自分からやっているので生徒の自主性も高まる」と手応えを感じている。
夫婦別姓アンケートもー市民団体出展から
同施設外の多目的広場には同市内の市民団体や事業者などが出展した。
同市内で男女共同参画社会実現に向けて活動する団体が加盟する川越市女性団体連絡協議会(同市元町)は、来訪客に向けたアンケートを実施。同会の知名度や社会制度の中で男女差を感じた経験の有無、夫婦別姓制度への賛否などを尋ねた。特に年配の市民では夫婦別姓への抵抗がある中で、若い市民では賛成の声が多いという。年配の市民の間でも家事を意識する者が増えてきており、一人残された時のことを考えているようだ。
「偏見を持たれることはあるが、各団体にもそれぞれの使命がある」と加盟団体への活動へ理解を求め、啓発に努める。
川越市シルバー人材センター(同市石原町)も女性会員らが手作りの生活雑貨類などを販売。同市内でも定期的に出張販売を行なっているが、自身のスキルや経験を生かして参加する者も多い。小学生に向けた手提げバッグの受注生産も行なっており、家事に仕事に忙しい子育て世帯には好評。「何もしない生活よりも充実しているし、60歳を過ぎても上り坂」と日々の活動にやり甲斐を見出す。
新名物も続々
同市内の事業者も多数出展した。
半導体などに向けたガラスエッチングを展開するフォアサイト(東京都文京区)は、自社で展開するBtoCブランド「KOEDO川越硝子」を出展。同市内でガラス加工を行ってきたが、半導体分野などで長年培ってきたケミカルエッチング技術を生かして食器やインテリア雑貨などガラス製品を展開している。
特に各地のマンホールをステンドグラス風のコースターに仕上げたマンホールコースターは、11月に所沢市で開催されたマンホールフェスタでも好評だったという。同市マンホールを象ったものもラインナップし、「デザインがいい」と来訪客からも好評。
特製の切子グラスも酒や水をグラスに注ぐと、底面に描いた桜や菊の花が側面のカット部に写り込む仕様。従来の切子細工では難しい仕組みを、「KOEDO E-PRO」認定のケミカルエッチングで実現している。「寺紋をつけたものを作って欲しい」と寺院からも注目を集めているという。
ナナコライブリーエフエムで放送中の「ラジぽて縁結び」もMCを務める大野ひろみ氏考案のタイアップカフェを展開。同市出身の狭山市にある宮野園(狭山市北入曽)のお茶やおやつセット、グッズなどを販売。ステージMCの合間をぬって同氏も店頭に立ち、ファンとも交流した。
飲食においても、協同商事(同市中台南、朝霧重治代表取締役)が「コエドビール」を販売。ホップの代わりにマカと高麗人参を使用し苦味のない味に仕上げた限定醸造の音ト鳴も販売され、食品と合わせて飲む来訪者も多くいた。