かつての城下町岩槻の商店街の一角に、空き店舗を活用したカフェChartoraが2月にオープンした。
さいたま市らが推進してきた岩槻リノベーションまちづくりの第一弾として、まちの再生・活性化に寄与する拠点として注目される。
岩槻リノベーションまちづくりについて
市では浦和美園および岩槻地域の都市機能強化や定住・交流人口増に向けた検討の一環として、岩槻駅周辺での都市課題を複合的に解決するために、リノベーションまちづくりを2年前より推進してきた。
具体的には、地域の空き家や空き店舗などの遊休不動産と地元の資源や産業・人材を活用して、まちなかの消費の流出など、地域経営課題の解決を図りながら、地域のコミュニティを活性化して新しい価値を生み出すまちづくりとなる。
各地の事例などを紹介する3回の講演会を始め、昨年2月にはリノベーションスクールとして10人程度のユニットによる空き物件を活用した事業プランを提案、その実事業化が進められてきた。
カフェChaToraについて
同スクールで集まった岩槻家守舎によって栄町商店街にオープンしたのがカフェChatoraだ。
1960年代築で2階建の物件は長らく化粧品店TORAYAとして利用されてきたが、同店が駅前ビルに移転するにあたり空き物件となっていた。
その1階部がカフェ、2階部がシェアオフィスとして生まれ変わる。
店舗内観
1階部のカフェは無機質で居心地の良い温かみのある空間を意識して、素材を生かした木の内装を採用した。窓の格子など、元の店舗にあったものを使い方を変えてリユースすることで、懐かしさを残し店舗の歴史を継承していけるよう考えて店舗のリノベーションを行ったという。
湿り気のある空間を目指し、床の土間を生かして濡れた感じも印象的だ。
店内ではカフェ営業と並行して写真展なども開催。化粧品店として使用されてきた同店舗の往年の姿を振り返る写真も展示された。
商品ラインナップのこだわり
茶とスパイス中心に季節を感じられるカフェメニュー。
このうちカレーはスリランカカレーと付け合せに惣菜があるカレーをベースに、和風出汁と季節の野菜を煮込んだ。
デザートにはチーズケーキやシフォンケーキ、豆乳プリンがあり、それぞれ茶やスパイスを生かして作っている。
一般的なカフェと異なり、同店では茶が提供される。
ほうじ茶に和紅茶とそれぞれ風味の違うこだわった三種類を用意しており、親しみやすいように岩槻の町の名前がつく。
レトロチックも新鮮味ある空間で、こだわりの食器で小豆と一緒に楽しむほうじ茶は奥ゆかしいことこの上ない。
店内でのイベント
カフェ部では今後、作り手を招いてワークショップの開催や作品を飾れる展示スペースとしての利用、映画の鑑賞会などを実施できたらと同店。「こういったことがやりたいという相談があれば、前向きに検討していきます」とも。
2階のシェアオフィスは工事中だが、オープンに向けて新型コロナが落ち着いてきたら作業体験ができるワークショップを検討している。
地域へのメッセージ
今後へ向けて、まずは同店をハブにした仲間づくりをしていきたいと同店。
仲間とならやりたいことができる、仲間と話していたらこんなことができちゃった。そういったコラボをやっていき、岩槻らしい新しいことや新しい発見をしていけたらと展望を抱く。
加えて、やったらできちゃったというような小さい成功体験を含めた意識づくりもしていきたいと意気込む。
岩槻の街がよりよくなるきっかけとなるよう、私らしくいられる場として開店した同店。作家が作った陶器のカップで飲む茶は格別だ。
「岩槻に来たついでにカフェChaToraへ、カフェChaToraに来たついでに岩槻へ、足をのばしていただけたらと思います」と同店。
店舗紹介
- 住所:埼玉県さいたま市岩槻区本町4-1-7
- 電話:048-793-4751
- 営業時間:11:00~18:00、20:00~23:00()
- 定休日:月曜日、火曜日