【日々是埼玉 2020/7/25】通販定期購入の相談増ー2019年度県消費生活相談から

埼玉県及び県内市町村では、消費生活支援センターなどを通じて消費に関する県民から相談を日々受け付け、解決のためのアドバイスや事業者との斡旋を行っている。
このほど、昨2019年度に県及び県内市町村で受け付けた消費生活相談の内容をとりまとめた埼玉県消費生活相談年報が公表された。

昨年度にあった相談件数は53,997件で前年度から減少しているが、通信販売の定期購入やマルチ商法に関する若者からの相談が増加傾向にある。

相談件数全体は減少

(埼玉県発表資料より、以下同)

昨年度県や県内自治体に寄せられた消費に関する相談は総計で53,997となり、前年度比8.0%(4,686件)の減少となった。

相談件数自体は前年度である2018年度に58,663件とここ10年で最大値を記録したが、幾分か落ち着いたようだ。

このうち相談種別別の受付件数を見ると、「苦情」が50,270件で全体の9割以上を占める。

相談方法については、電話が42,890件と全体の約8割を占めている。

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若年層の相談が増加

相談者の内訳を性別・年代で見る。

性別では、女性からの相談が54.7%であるのに対し男性からの相談は42.3%と、前年度に引き続き女性が男性を上回った。もっとも男性の件数は前年度とほぼ同数の21,240件だったのに対し、女性では27,516件と前年度比15.5%減となった。

そして年代別構成をみると、30代以上では全ての年代で件数が減少している。特に60歳代では7,516件と同37.4%減となった。高齢者に向けた警察などによる注意喚起も盛んに行われていることが背景にあるとみられる。

しかし、20歳未満と20歳代で件数が増加している。

若年層ほどデジタルコンテンツでトラブル

さらに年代別にどのような商品・サービスで相談が来ているかを見ると、30代以下と世代が若くなるにつれデジタルコンテンツの比率が高まっている。

ソーシャルゲームの課金や情報商材など情報端末を所持したことによりそれらに関するトラブルが増えていることが背景にあると推察される。

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通販・マルチ関連の相談が増

取引方法別に件数を見る。

店舗販売に関する相談は10,705件(前年度比3.4%減)に対し、無店舗販売は23,671件と同1.8%増となった。

後者の内訳をみると、通信販売(同3.1%増)やマルチ・マルチまがい(同14.9%増)などで増加している。

定期購入での相談が増加中

通信販売については全ての年代で相談件数が増加しているが、特に問題になっているのが定期購入だ。

2019年度は3,719件で、前年度の倍以上となった。

特に健康食品、化粧品や飲料などでトラブルとなっているケースが多い。
「お試し」で注文したつもりが定期購入であった、初回価格の安さばかりが強調され定期購入の表示は小さく気づけなかった、2回目に大量の商品が届き高額請求された、解約したいが電話がつながらない、返品保証とあるのに条件が厳しく解約できない、など内容は多岐に渡る。

また内容別に見ると「未成年者契約」(前年度比341.6%増)や「高価格・料金」(同314.3%増)で特に増えている。

若年層で増えるマルチ関連トラブル

マルチ・マルチまがいも特に若年層で深刻だ。

特に同種の相談が集中する29歳以下の相談件数は372件で、前年度比250件から122件増と大幅に増加。2014年度以降最多となった。
相談件数を年齢別に見ると、20歳から23歳までの間で280件(75.3%)を占める。
特に20歳と21歳にそれぞれ90件以上と、未成年者に対する民法の保護規定が適用されなくなった時期に集中しているようだ。


商材を見ると、バイナリーオプションや外国為替取引(FX)、株式の先物取引などの投資に関する相談が187件(50.3%)と過半数を占める。

加えてオンラインカジノが63件(16.9%)と、商品のみならず儲け話などの情報が主流となっている。

同年代を対象にした勧誘のきっかけで一番多かったのが学校・勤め先の知人・友人で、261件と7割近くを占める。

またインターネットを通じて出会った人が52件、SNSなどインターネット上の情報も13件とネット絡みの勧誘も多い。

特に前者ではある種信用している存在から勧められることで信じてしまう可能性がある。少しでも怪しいと思った場合は消費生活相談センターはもちろん、他の友人や親族などにも相談するのが賢明だろう。

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