今回から深谷市の見どころをじっくりご紹介してまいります。

まずはこの度1万円札の肖像への採用が決まった渋沢栄一に所縁のある血洗島地区のご紹介です。

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渋沢翁の生まれ育った血洗島

その名の由来は…

大宮から車で北上すること約1時間半、今回ご紹介する深谷市に到着しました。

同市でまず最初に立ち寄ったのは、渋沢栄一の生地である血洗島地区です。

中心市街地から北西におよそ6km離れた同地区には、169世帯449人(2019/1/1現在)が暮らしています。主に農業用地と住宅地から構成されています。

血洗島とかなり特徴的な名前ですが、「ちあらい」という名前の由来には諸説あります

  • 荒地を表す「地荒れ」や常に川の水に洗われる土地を意味する「地洗れ」がなまった
  • アイヌ語で「下」「終」「端」を意味する「ケシ」が「ケセン」に変化して、これに「血洗」の文字が当てられた

そして「血洗」という漢字の由来としては、以下のような説があるそうです。

  • 平安時代、八幡太郎義家の奥州遠征の際にこの地で合戦があり、腕を切り落とされた家臣の一人が片手を洗った
  • 日光の神と赤城の神が戦った時、負傷した赤城の神がこの地で傷を洗った

生地に残る渋沢邸

同地区内には渋沢の生地も残されていますが、その地に今も残されているのが旧渋沢邸「中の家(なかんち)」です。

この地の開拓者として代々農業を営んでいた渋沢家ですが、養蚕や藍玉作りをはじめ雑貨店や質屋も営んでいた同家は苗字帯刀が許されるほど裕福な家系でした。そんな渋沢家の中心としてこの地に建てられていたのが中の家で、渋沢自身もこの地で生を受けています。

現在残されている主屋は妹夫婦によって1895年に建てられているため、彼の生家ではありません。ですが彼が生まれた場所として埼玉県の史跡にも登録されています。

しばしば帰省した主屋

同邸の中心に位置するのが、前述した主屋です。

切妻造の2階建となっている同屋。2階部分が養蚕に使われていたことから屋根に「煙出し」と呼ばれる天窓があり、典型的な養蚕農家の形を残しています。

建物内は玄関である土間部分以外立ち入ることはできないのですが、1階には畳敷きの部屋が5間ほどありかなり広い家であることが見て取れます。

特に奥の書院造りの部屋は忙しい合間を縫って帰省していた渋沢のために設けられたもので、10畳の広々とした面積に平屋部分なので高さもあり、のびのびとくつろげる空間になっています。

渋沢は東京・飛鳥山に私邸を構えていましたが東京大空襲で焼失してしまったため、この中の家は数少ない彼に馴染みのある木造建築となっています。

今に伝える往年の輝き

主屋も大きいのですが、その主屋を取り囲むように土蔵が4つも建てられてます。

順番は前後しますが、正門の横には広い土間と6畳4間から成る、1911年築の副屋も建てられています。

こちらは藍玉や蚕糸を扱うお店として使われていましたが、後に近隣の子どもたちに漢字を教える学者の住居や1954年までこの地にあった八基村農業協同組合事務所として使われていたこともあったそうです。

このように主屋だけでなく広大な敷地に多くの土蔵や広い副家があることから、渋沢家がどれほど裕福な家系だったかは想像に容易いことです。

なお主屋を中心とした範囲は2010年に深谷市の指定史跡となっています。

養子に宛てたメッセージ

主屋の裏には渋沢にゆかりのある人物の追悼碑が建てられています。元々は東京都台東区にある渋沢家の墓所にあったものですが、2014年にこの地に移設されてきたものです。

渋沢の父である市郎右衛門や母のえいの追悼碑に混じって、

こんな碑も建てられています。誰だかわかりますかね?

実はこれ、渋沢のいとこで後に渋沢の養子となった渋沢平九郎の死を悼んだもの。平九郎については越生町や飯能市のご紹介でも取り上げましたね。

1867年の飯能戦争で官軍に敗れ黒山(越生町)の地で自害した平九郎ですが、その死から50年後に当たる1917年にこの碑が建てられました。

ここには平九郎が生前使っていた刀を手にした際に渋沢が思い描いた詩が刻まれており、平九郎の鎮魂を祈るとともにその純粋無垢な忠誠心への感銘が表れています。

中の家エトセトラ

そんな中の家ですが、1985年からは渋沢の子孫によって設立された青淵塾渋沢国際学園の施設として使用されてきました。多くの外国人留学生がこの地で学び、その数は43カ国679名にも及びます。

しかし2000年に同学園が解散したことから深谷市に帰属するようになりました。

また2017年には天皇皇后両陛下がこの地を訪れ、記念の植樹も行われています。

他にも同家ゆかりの品が多く残されていますよ。

スポット紹介

旧渋沢邸「中の家」

  • 住所:埼玉県深谷市血洗島247-1
  • 電話番号: 048-587-1100(渋沢栄一記念館)
  • 開館時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
  • 休館日:年末年始(12/29~1/3)
  • 備考:駐車場あり(大型バス可)

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