ウィズコロナも大盛況 第47回あげお産業祭開催

上尾市の農業・商業・工業に携わる事業者・団体が出展し地域産業をPRする第47回あげお産業祭が11/12・13の両日、同市民体育館とアリオ上尾の2会場で開催された。主催はあげお祭り・あげお工業フェア2022・あげおアグリフェスタ各実行委員会。

ウィズコロナのもとで3年ぶり開催で、地域内外から多くの参加者を集めた。

体験要素も重視

農業(アグリフェスタ)・商業(あげお祭り)・工業(工業フェア)と3つの切り口で開催される同イベントは、同市民体育館を中心に2会場に分散して開催。例年は2日間で約9万人が来場するが、コロナ禍において密防止を心がけた。

特に工業フェアではドローンデモ飛行やワークショップや親子ロボット教室と体験要素を充実。先端技術に触れる機会もあり、参加者を飽きさせない工夫も仕掛けた。

原油高で経営に苦しむ事業者も多い中、運営に携わる同市環境経済部の吉備則子氏も「市民・事業者・行政で一緒に盛り上げられてうれしい」と各位の協力に感謝を込める。ウィズコロナの中でも大きな賑わいが生まれ、確かな感触がつかめている。

注目集めたドローン飛行

同市民体育館で開催されたあげお工業フェア2022では、NTT東日本がドローンのデモ飛行を実演。橋梁診断に利用されるドローンが人や障害物を避けて飛行し、災害や有事の際にも役に立つことをPR。上昇したドローンから会場の様子がモニタに映されると、若年層だけでなく年配層も思わず足を止め歓声をあげた。

ドローンを初めて見る人も多かった中、同社渡辺裕也氏も「興味を持ってもらえる機会をもらえてうれしい」と手応えを感じる。

同市・桶川市・伊奈町の製造業の中小企業を中心とした事業者約90社が加盟する上尾ものづくり協同組合(同市本町、石川泰正理事長)も出展し、各社紹介やレーザー実演を実施。会員企業の間でもコロナ禍や事業承継への対応が課題だが、一部には増収増益を成し遂げているところもある。同組合としても各企業への情報共有などに励むが、「技術を持っているからこそ大手企業にも勝る」と各企業の技術に自信を見せる。

会場では第23回アイデアグランプリINあげお(主催:上尾商工会議所)の試作品も展示。「2段階ジャンプ傘」や「ゼリーがこぼれないふた」と身の回りで商品化可能なアイデアについて、評価したものを参加者が投票した。

上尾発のあのフルーツも

同市民体育館横でのアグリフェスタでは、地域で農業に従事する事業者・団体らが出展。自らが手がける農産物の販売などを行なった。

このうち、上尾市中核農業者協議会は同市で採れた新鮮野菜を販売。遊休農地が増えていて後継者確保が課題の中、有機野菜への栽培にも乗り出すなど品質向上へ日夜努力。

上尾市キウイフルーツ研究会も出展し、会員企業が育てたキウイフルーツを販売。1978年結成の同会では、同市上平の特産物を目指して若手が取り組めやすい作物としてキウイフルーツを栽培。現在では約10の農家が加盟し、農協への販売や贈答販売へ向けて栽培からエチレンガスでの熟成までを手がける。近年では黄色いキウイの人気も高まっており、多品種栽培にも積極的。各農家による直販ではリピート購買も多いという。

インバウンドも見込んで

商業を中心としたあげお祭りでは小売業やサービス業や卸売業と地域の各方面から出展が集まった。

日本茶や海苔の製造・販売などを手がける矢島園(同市上野、矢嶋紀朗代表取締役)は、荒茶や黒豆入玄米茶など人気商品を中心に販売。茶娘による試飲は、多くの来場者の足を止めた。物価高など続く近年でも売行は安定。円安が続くのを好機と捉え、インバウンド客に向けて抹茶の品揃えも充実させていくという。

上尾税務署は現金1億円の重量体験などを通じて、来年に施行が迫ったインボイス制度をPR。事業者登録の期限も迫る中、「ギリギリにならないように」と余裕を持った登録を呼びかけた。

米穀や酒類の小売販売などを展開する須田商店(同市南、須田安彦代表取締役)は、ビール・焼酎・ハイボールなど同社で扱う酒類を300円の格安価格でカップに入れて提供。対象の日本酒には、北西酒造(同市上町、北西隆一郎代表取締役)が生産し、今月開催された関東信越国税局酒類鑑評会で純米吟醸酒の部において最優秀賞を受賞した「文楽」もあった。

コロナ禍で消費者の需要も変化する中、地域の飲食店によるテイクアウト商品販売AGETAKEや自社取扱商品を配送するスーダーイーツと、販売方法にも工夫。「協力してくれる人がいて、ありがたい」と須田氏も感謝を表す。

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