エキュート大宮がオープンして今年で15年を迎える。駅構内を商業施設とした駅ナカの代表格とされるエキュートは大宮から始まり各地に広まっていった。交通拠点から買い物やグルメと訪問先としての機能も駅は帯びつつある。
そんな同施設の一角で昨年12月より営業をしているのがカフェ・TIMBER HOUSE(ティンバーハウス)だ。多くの人が行き交うターミナル内で山小屋をイメージした内装を採用、くつろげて安心できる時間を提供する。
店舗コンセプト
同施設では西側、新幹線改札に近い位置にある同店。階段上がって二階部にあるが人通りが多いコンコースにも看板が出ている。
店舗へ続く階段を見上げると木の壁にハンモックがかかり、鉢植えされたツタ植物が天井からおりている。あたかも森の中に迷い込んでしまったようだ。
テーブル席が主体の店内にも、木や植物を用いた装飾が多く施される。席数も100あり、エキュート大宮内の店舗としては最大だ。
同店のコンセプトは「山小屋」。キャンプなどで訪れる山の心地よさを感じてもらおうと、エキュート大宮全体のイメージでもある「ツリー」にもかけてゆったりできておしゃれな空間を演出する。英語で木材を意味する「TIMBER」を名に関するだけあり、見事にマッチしているといえよう。
元はこの場所にはエキュートオープン以来パークサイドカフェが入居していたが撤退。空いた場所に同店が入居したが、その際これまで利用してこなかった層を取り込みたいということでこのようなコンセプトを打ち立てた。
オープンから半年が経過した現在は前店舗のメインターゲットだった4〜50代のミドル層だけでなく、3〜40代の若手客も増えてきている。
階段を上ることから固定客が多い傾向だったが、新規客がふらっと立ち寄ることも珍しくないという。
なお同店は全館禁煙となっている。
料理のこだわり
わかりやすさ、地場性を主眼
カフェメニューも充実しているが、同店で力を入れているのは定食メニュー。
ランチ時間帯は国産牛山小屋風デミグラスハンバーグセットや肉厚アジフライのセットなど全10種を¥1,000より提供する。誰にとっても馴染みがありわかりやすいメニューを多く採用するが、アウトドア色を演出するため全ての定食に豚汁をつけるなどこだわりも見られる。
地域色を強くしているのも大きな特徴。
食材は大宮市場から仕入れたものを多く使用し、モーニングには埼玉産の卵・彩たまごを用いたメニューを展開。大宮ということでランチメニューには大宮ナポリタンもある。
夜に人気・ちょい飲みセット
カフェだけでなくサワーやハイボールなどアルコール類も提供する同店。
夕方以降になるとちょい飲みセットが売れ出す。
和洋アラカルトの¥990で、一人入店のサラリーマンやOLに好評だ。
期間限定メニューを展開中
通常メニュー以外に定期的に期間限定メニューも展開する。
チーズの海に浮かぶ石焼オムライス
その一つがチーズの海に浮かぶ石焼オムライス(¥1,290)
チーズを入れて焼いた熱々の石焼オムライスに、たっぷりのチーズを客の前で好きなだけかけてくれる。
合わせてシンプルなパスタが欲しいという声に応えて、至極のたらこパスタセット(¥1,100)も提供。少しだけ出汁を入れて仕上げた一品だ。
「どちらもサラダ、豚汁付きで大満足な定食」と同店。
生クリーム専門店milkとコラボ
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先週からは生クリーム専門店milkとコラボしたメニューも提供している。
milkは産地・ブレンド・製法にこだわり抜いた「究極の生クリーム」が主役の生クリーム専門店で、2017年のオープン以来300万人以上を動員している。
同店限定メニューとして、究極の生クリームを用いた宇治抹茶ホワイトチョコミルクパンケーキを提供。関西の店舗で好評を収めたが、同店で関東初上陸となる。濃厚抹茶と生クリームを組み合わせ、幅広い世代に訴求する。
他店と比べた大宮店の特徴
同店を運営するオペレーションファクトリーは、関西を中心に都内にもTIMBER HOUSEを展開する。
オープンして半年が経過したが、こと埼玉にある同店においてはわかりやすい商品が好まれる傾向にあるという。流行の発信源である隣の東京では先端的なものが好まれるが、ベッドタウンでもあるだけに地元ではオーソドックスなものをという志向が客の間にもあるのかもしれない。
また、最新の流行よりも少し前に流行ったものの方が好まれやすいという傾向もあるようだ。前述のように一時期ブームとなったパンケーキも提供しているが、これもそれを踏まえたものといえよう。
もちろんそれだけでなく、人気が沸騰しつつあるバナナジュースも同店では提供している。関東では数少ない店舗の一つだけに、新たな文化が入ってくることも期待できよう。