【さいたま市議会短信】災害対策に関する請願から見る防災のあり方

先日12/20に閉会したさいたま市議会12月定例会。

同会では10の請願が出され、審議結果は不採択5件継続審査4件となりました。(取り下げ1件)

特に10月の台風19号の接近に伴い、災害対策に関する請願も3件ありました。

いずれも継続審査となりましたが、当該請願の内容を振り返りつつ防災のあり方について考えていければと思います。

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請願第45号 避難情報の発令について

3件の請願のうち、まずは避難情報の発令について川島浩氏より出された請願です。

請願内容

台風19号ではさいたま市内でも重症・軽症各1名、床上浸水937件床下浸水331件などを記録し(11/5現在)、多くの公共施設などにも被害がありました。

当時さいたま市防災無線により緊急情報が放送され、避難勧告や避難指示が発令されました。

特に市中央を流れる芝川についても、埼玉県からは氾濫危険水位情報が10/12 22:20に発表され、川口市でも同日23:16に芝川・新芝川の避難指示(緊急)が発令されました。しかしさいたま市から避難勧告や指示は出されませんでした。

それでもTwitter等の情報によると、同じ頃に大宮区東部の芝川沿いでも床上浸水が発生し住民をボートで救出したとありました。

それゆえ市に対して災害に関する県との連携を強化して、県から提供された危険水位情報も反映した避難勧告や避難指示を適切に分かりやすく発令することを求めています。

請願から考えたこと

芝川・新芝川について市では避難勧告や指示を出さなかったということですが、当時市では以下の河川について避難勧告や指示を出していました。

【避難勧告】

  • 入間川:10/12 17:30発令
  • 鴨川・鴻沼川:10/12 18:30発令

【避難指示】

  • 荒川:10/13 3:05発令

確かに荒川流域で発令はされていましたが、芝川流域では出ていなかったことがわかります。

しかも荒川に関しては夜中の3時という時間帯です。もちろん水位のこともあるのでこの時間になったのでしょうが、それよりも早い段階で危険度が高い流域については避難を促す必要性もあったように感じます。

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請願第46号 避難勧告等を呼びかける防災無線の放送内容について改善を求めます

河野正弘氏からは防災無線の放送内容について請願がありました。

請願内容

台風の上陸に伴い、10/12 18:30頃に防災無線から以下の通り避難勧告が流れました。

こちらは防災さいたまです。鴨川・鴻沼川が氾濫する恐れがあります。洪水に関する警戒レベル4避難勧告を発令しました。対象区域は、西区、中央区、桜区の区域。そして、北区、大宮区、南区の一部区域です。

対象区域にお住まいの方は、すみやかに避難を開始してください。外が危険な場合は、屋内の高いところに避難してください。

「北区、大宮区、南区の一部区域」とありますが、具体的にどこが含まれるのかこれではわかりません。

実際には北区は日進町1~3丁目と別所町、大宮区は大成町1~3丁目と桜木町4丁目、三橋1・2・4丁目が避難勧告の対象区域でした。しかしそれらの地域とは離れた地域でも放送を聴いて不安になった住民が次々と避難所に向かい、高齢者や幼い子供連れが暴風雨の中でびしょ濡れになりながら避難をするなど、かえって事故を招きかねない光景も見られたといいます。

災害時に防災無線で避難勧告等を放送する際には、区ごとに放送内容を分け、対象となる具体的な町名を伝えることを求めます。また放送が聴き取りづらいといったこともあるので、同一の放送を3回繰り返すなどして確実に伝えることを求めます。

放送内容を市のHPで確認しようにも、アクセスが集中したためかつながりにくく、広報課のTwitterは防災無線と同一の内容を書き込むだけで、具体的な避難対象町名が書き込まれたのは放送から30分以上経ってからでした。

これらネットでの避難勧告の伝え方についても改善を求めます。

請願から考えたこと

特に前半部分で具体的な地域への呼びかけについて改善の余地があると請願にはあります。

防災無線は基本的に行政区単位で流れるものですので、本当は大成町や文蔵など地区単位で流れれば理想的でしょう。しかしそれだと改修コストも嵩むでしょうし、システムの運用も複雑になりかねません。

そこで活用してみてもいいのではと感じるのが、地域の自治会。

自治会であれば対象地域の各家庭に確実に避難を呼びかけることができると考えます。また避難訓練も随時実施しているため多少なりとも避難所運営のノウハウはあることでしょう。

行政からの連絡を受けて各会長が各班長へ通達し各家庭へ、あるいは行政からの連絡前に自主的にということもできるはずです。

最近では加入率の低下が問題になっていますが、これを機に一層の活用を検討すべきと考えます。

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