
こんばんは。
明日はいよいよ東大成町商工親和会の昼市、気合い入れて頑張るぞ!
今週はやたらイベント告知が多いのですが、今回もイベント告知のような内容になります。すいませんね…。
日本屈指の薪能・大宮薪能!
5月末の風物詩
ゴールデンウィークは終わってしまいましたが、今週もさいたまスポーツフェスタなど、たくさんのイベントが行われていますね。
明日も上述の昼市や、アートフルゆめまつりが控えています。
そんな5月なんですけど、5月末には例年大宮を代表するあるイベントが行われます。
今年で37回目を迎えるこの行事が、今年も月末の25・26日17:00〜21:30にかけて、大宮の総鎮守・氷川神社の境内(雨天の場合は市民会館おおみや)で行われます。
ある出来事をきっかけに
今年で37回目を迎える同行事。
きっかけは1982年に東北・上越新幹線が大宮を起点にして開業したことでした。これを祝おうと、始まったのが大宮薪能です。
以来40年近くに渡り、氷川神社の境内に特設舞台を設けて行われてきました。
薪能という名前の通り、舞台の周囲に薪のかがり火を焚いてその中で演目を演じるんですよ。
氷川神社という関東、日本を代表する神社でかがり火で幻想的に照らされた舞台で行われる能は見るもの誰もを魅了し、国内でも高い評価を受けています。
3流派の能が上演
各日に上演される演目は、以下の通りです。
- 素謡【金春流】翁(おきな) 金春 安明
- 能 【観世流】胡蝶(こちょう) 藤波 重彦
- 狂言【大蔵流】仏師(ぶっし) 善竹 十郎
- 能 【金春流】土蜘(つちぐも) 本田 芳樹
- 素謡【金春流】翁(おきな) 金春 憲和
- 能 【宝生流】花月(かげつ) 藤井 雅之
- 狂言【和泉流】鐘の音(かねのね) 野村 万作
- 能 【金春流】葵上(あおいのうえ) 金春 安明
能だけでなく、合間に狂言や素謡も上演されます。
この辺りは、さすが本格的な能といったところでしょうか。
特徴的なのは、観世・金春・宝生と、3つの流派の能を上演するところ。
私も詳しく知らなかったのですが、能には5つの流派があり、2つくらいは上演することはあっても3つ上演するのはなかなか珍しいようです。
そこは2日に渡って開催されることを最大限に生かした結果ではないでしょうかね。
I don't know 能 so much
第22回大宮薪能鑑賞会が開催
とはいえ、日本人なのに能のことっていまいちよくわからない。
まさにI don't know 能 so muchな状態なわけです。
アマチュアだけど大宮の地域情報を発信する者として、これはいけないということで、本日市民会館おおみやで開催された第22回大宮薪能鑑賞講座に参加してまいりました!
地域で文化への奉仕活動を行われている大宮シニアライオンズクラブ主催で、毎年薪能に先立って行われているイベントです。
これに参加して、ばっちり予習しちゃおうっと。
本番の舞台に立つシテ方が解説!
本日講師を務められるのがこの方。
能楽師の父の元に生まれた同氏は、幼少期から「隣の家の人が止めに来る」という厳しい稽古を受け、1976年には文化庁芸術祭優秀賞を受賞され、海外でも能楽を上演された金春流の能楽師です。
大学のスクールでも能を教えられているということですが、若手であっても修行に来られる方が多いのだとか。
お面に飾りで七変化
歌舞伎などとは異なり、演目の主役であるシテ方はお面をかぶるのが能。
今回は能講座ということで、実際の演目に使う飾りやお面を紹介。
同氏が使われているお面は、江戸時代からのものもあるようですよ。
博物館だとガラスケースに飾られるものが、小道具としてそのまま使われるのだと同氏。
こちらは同氏とそのご子息の芳樹氏が本番で上演する、金春流土蜘蛛で使われる鬼の面。
ナマハゲのように、一見するとビビりそうですね。
能の謡い(うたい)を実際に体験
また、会場では観客にもより実感をつかんでもらおうと体験プログラムも用意。
結婚披露宴でもおなじみの、高砂のフレーズを会場の皆さんと一緒に体験します。
実際にやってみた結果がこちら。
意外と息が続かないですね…。
これを難なくこなすのは、かなり大変なことでしょう。
実際の上演演目を生上演!
観世流仕舞胡蝶
そして、休憩を挟んで、実際に薪能で上演される演目の生上演に入ります。
こちらは1日目に上演される、観世流胡蝶。
大和の国・吉野の山奥に住む僧が、一条大宮の古い宮のなかに、見事に咲いた色違いの梅を見つけます。
すると、一人の女性が話しかけてきます。この女性は、梅の花に縁のない身を嘆く蝶の化身であり、僧にお経を読んでもらって成仏したいといいます。そして夢の中に現れると言い残して夕空へ消えていきました。
その晩、その僧が見た夢に前述の蝶の化身が現れて、喜びの舞を見せた後に明け方の空へと消えていくという内容です。
実際の演目とは異なりお面はしていませんが、まさに能と言ったらこれと言えるような演目です。
金春流葵上
こちらは翌26日に上演される、金春流葵上。古文で有名な六条御息所が登場しますよ。
物の怪にとりつかれ重態に陥った光源氏の正妻、左大臣家の息女の葵上。
回復させようと様々な方法を試みますが、うまくいかず。
梓弓の音で霊を呼ぶ「梓の法」の名手、照日の巫女を招いて、物の怪の正体を明らかにすることになりました。
巫女の法に掛けられて姿を表したのが、ご存知元皇太子妃で源氏の愛人の六条御息所の怨霊です。葵上に嫉妬をし、やり場のない辛さが募っていると訴えます。そこから、葵上の魂を抜き取ろうとしていたのです。
家臣たちは御息所の激しさにおののき、偉大な法力を持つ修験者横川小聖を呼び寄せます。
小聖が祈祷を始めると、御息所の心に巣くっている嫉妬心が鬼女となって襲いかかってきました。
激しい戦いの末、御息所の怨霊は心安らかに成仏するのでした。
古文というと、あまりの悔しさに握った指が手の甲を突き抜けたっていう作品があったけど、ありうるのかな…。
宝生流花月
こちらも26日に上演される花月。
九州筑紫の国、彦山の麓に住む男性が、7歳の息子が行方不明になったことをきっかけに出家し、諸国修行の旅に出ます。
京都の清水寺に着いた僧は、門前の人に会い、何か面白いものはないかと問いかけます。門前の人は、花月(かげつ)という少年を紹介し、一緒に小歌を謡います。
しばらく花月を見ていた僧は、花月こそが行方不明になった息子だと確信し、名乗りを上げます。感動の父子対面を経て、花月は天狗にさらわれてからの旅路を振り返る舞を見せ、僧と一緒に仏道の修行に出るという内容です。
金春流土蜘蛛
そしてこちらが、ポスターにも出ている金春流の土蜘蛛です。
病気で床に就く源頼光。
ある夜、頼光の元に見知らぬ法師が現れ、病状はどうか、と尋ねます。不審に思った頼光が法師に名を聞くと、古今和歌集の歌を口ずさみつつ近付いてきます。
その正体は蜘蛛の化け物。糸を繰り出し、頼光をがんじがらめにしようとします。頼光は、枕元にあった源家相伝の名刀、膝丸で斬りつけ、法師はたちまち姿を消してしまいました。
騒ぎを聞きつけた頼光の侍臣独武者に対して、頼光は化け物を成敗するよう命じます。独武者が土蜘蛛の血をたどっていくと、化け物の巣とおぼしき古塚がありました。これを突き崩すと、その中から土蜘蛛の化け物が姿を現しました。
土蜘蛛は糸を投げかけて苦戦をしいられましたが、ついに土蜘蛛を退治したという内容です。
糸を投げかけるシーンは必見ですよ!
氷川神社で幽玄の世界へ
その後質疑応答を経て、鑑賞講座は無事終了。
本番も楽しみにしております!
いかがでしたか?
氷川の杜で繰り広げられる幻想的な能は、春の夜に皆さんを幽玄の世界へと誘ってくれるはずです。
チケットがいりますが、ぜひ春の風物詩の大宮薪能をご堪能ください。
現場からは以上です!
イベント紹介
- 開催日時:5/25(金)・5/26(土) 17:40~21:30 (17:00開場)
- 開催場所:埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1-407 武蔵一宮氷川神社 ※雨天の場合は市民会館おおみや大ホールにて開催 当日15:00までに判断するとのこと
- 観能料:S席 7,000円 A席 6,000円 ※全席指定・パンフレット付き
- 観能チケット購入方法:大宮駅観光案内所での購入か代金引換 詳細は上記HP参照
- 問い合わせ先:さいたま観光国際協会 048-647-8339 (土日祝除く)
- 備考:薪能開催に伴い、氷川神社周辺で交通規制あり