宇宙の若田光一さんに届け!さいたま市宇宙劇場で手を振るイベント開催

さいたま市北区出身で10月よりISS(国際宇宙ステーション)に長期滞在している宇宙飛行士の若田光一さんに向けて手を振るイベントが、12/8(木)に同氏が名誉館長を務めるさいたま市宇宙劇場と隣接するDOMショッピングセンター屋上にて開催された。主催は同市教育委員会。

夕暮れの北西の空に見えたISSに向けて地域の小学生らが手を振り、故郷・大宮の地からエールを贈った。

「宇宙にはワクワク溢れている」

九州大学工学部・大学院を卒業した同氏は日本航空での航空エンジニアを経て、1992年にNASDA(現:JAXA)からミッションスペシャリスト候補に選出。1996年以来現在までに4回の宇宙滞在経験がある。10月より日本人最多となる5回目の宇宙滞在に出ており、半年間ISSにおいて将来の宇宙開発に繋がる各種実験に努める。

イベント前段、同劇場ホールではJAXA協力のもとISSの予測軌道などを解説。17:24頃に北西方面の上空490kmに現れ、5分ほどで南東方面へ抜けていくとされた。

同氏からのメッセージも放映。「宇宙にはワクワクが溢れている」とした上で、そうしたワクワクした気持ちは普段の生活の中でも見出せると説いた。

共に学んだかつての小学生も

地域の小・中学生が多く参加した同イベントには、同氏の小学生時代の同級生も参加。

同氏は宮原小学校と大宮別所小学校に在籍していたが、当時はおとなしい子であったという。それでも「昔から宇宙に行きたいと話していた」と同級生の一人。3回目までの宇宙滞在は皆働き盛りなこともあってなかなか会うこともできなかったが、50歳になった4回目の宇宙滞在の際には宇宙での経験などを多く話していたと思い出を語った。

「一緒に遊んでいた仲間が宇宙飛行士になってうれしいし、還暦が近いだけに励みになる」と同級生にとっても同氏の存在は希望になっている。

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ISSの若田さんへエール届ける

ISSに搭乗する同氏に手を振るため、参加者一行は同劇場からDOMショッピングセンター屋上に移動。

当日は雲はあっても観測には最適な好天で、日がくれた東の空には満月と火星も見えた。同劇場スタッフによる即興の天体ショーも行われ、ISS出現を待つ一行にも好評。

同地にいた高校生らも合流し、サイリウムを携えて多くの参加者がその時を待った。

見えなくなるまで手を

出現予測時間前のカウントダウン後、しばらくすると北西の空にISSの光が見えてきた。「あれじゃないか」と参加者からも声が上がる。

高速で動くISSが確認できると、「頑張って」というエールとともに一行は精一杯手を振った。

5分ほどで大宮駅方面の南東に抜けてしまったが、参加者も大宮駅方面へ詰めかけ見えなくなるまで手を振り続けた。

大宮区から母親と共に参加した小学3年生の女子は「日本人でISS船長なのはすごいし、何より同じ市出身でうれしい」と喜びをあらわ。浦和から母親と小学3年の兄と参加した年中の男児も「手を振って楽しかった。将来は宇宙エレベーターに乗りたい」と胸を躍らせた。

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「第2第3の宇宙飛行士出てくれれば」

同イベントに参加し共に手を振った細田眞由美教育長は「今日感じたワクワクで宇宙に行きたいと思う子どももいるはず。それがモチベーションにつながるし、人を動かすはず」と感想を述べた。

子どもたちの宇宙や科学技術への興味関心を高める取り組みとして2018年より若田宇宙飛行士アカデミーも開講しているが、「後輩として第2第3の宇宙飛行士が地域から出てくれれれば」と期待を膨らませる。

同イベントの模様は、JAXAを通じてISSの同氏にも届けられるという。

5度目の宇宙滞在を記念して、同劇場があるJACK大宮5階では12/24(土)まで若田光一宇宙飛行士展を開催しており、同氏が子どもの頃に描いた絵などゆかりの品々やパネルを展示。1/22(日)には宇宙劇場まつりの開催も予定されていて、特別なプラネタリウム番組放映や各種ワークショップも行われる。

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