オープンに再構築を 春日部市・粕壁商店街NEXT PROJECTが歩道で社会実験

春日部駅東口商店会連合会を中心に春日部市や県など行政・商工団体と共同で地域商店街の新たな運営体制構築を目指す「粕壁商店街NEXT PROJECT」が、12/23(金)に春日部駅東口ロータリー(同市粕壁)歩道空間において模擬店出店を中心とする社会実験を行った。

駅高架化も始まるなど再開発の気運が高まる地域において、新たなまちづくりの形として継続実施を目指す。

市民参加型のオープンストリートへ

「想像外のニーズも把握」

同実験は10月分に続く2回目の開催。

鉄道高架事業が始まった同駅周辺では、約10年間は高い壁で囲われた工事現場となる。そうした歩道空間の一部を民間で利用する社会実験が行われてきた。

10月の開催では、ほこみちプロジェクト事務局プロデューサーの山名清隆氏をゲストに、道路を通行以外の目的で柔軟に利用できるようにする国土交通省推進「歩行者利便増進道路」(通称:ほこみち)をテーマに、未来の同駅周辺やその空間利用について語り合った。同駅周辺の飲食店も模擬店として出店し、テイクアウトメニューを販売している。

こうしたディスカッションや模擬店出店を通じて、一人用の惣菜や学習塾に通う生徒の夕食と「想像外のニーズが拾えている」と同団体。店舗だと入りづらくても、歩道に出店してオープンな形だからこそ、利用しやすいことも背景にあるのではと分析する。

ふらっと客にも反響

 

歩道部への出店が行われた同実験では、ヤマヤ(同市粕壁)・BORDER CAFE(同市粕壁東)・けいらく(同市粕壁)の3店舗が出店。ヤマヤは刺身やオードブルなど、BORDER CAFEはコーヒーやパン、けいらくは酢豚やサンラータンスープなどテイクアウトメニューを販売した。

日が明るい16時頃から出店したが、日が沈むにつれて会社帰りの駅利用者などの利用も多く見られた。会場前を通った通行客も思わず足を止め、冷え込む気候でコーヒーなど温かい商品を注文。店舗スタッフとの談笑にも花を咲かせた。

継続実施にも意欲

同実験は、国交省推進のコロナ感染症対応の沿道飲食店等の路上利用に伴う道路占用制度を利用して実施。同プロジェクトとしてはほこみち適用に向けて、市民が気軽に出店・利用できるオープンな形での社会実験として実施している。県内でのほこみち適用例はまだなく、東日本でも適用例は少ないという。

3月までは原則月1回とし、同駅周辺は飲食店が少ないだけに以降はほこみち適用のもとで日常的な出店や出店範囲の拡大にも積極的。「出店を通じて地域課題を解決できれば」と同プロジェクト。

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地域全体の再構築へ

ベットタウンとして注目の高まる同市地域では一定の人口が確保できるゆえ、市場規模は決して無視できない。空き店舗もほとんどないほど商売が盛んになっているが、市場と担い手の高齢化が喫緊の課題となっている。

今後は同実験の実施だけでなく商店会のサービス技術・品質向上も推進し、地域全体でのバルイベント開催も視野に入れる。街全体の再構築へ向けて様々な主体と協力すべく同プロジェクトとしても努力していく。

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