オゾン利用でSDGsを 第2回彩の国SDGs技術賞大賞に小川町・エコデザイン

県が主催する第2回彩の国SDGs技術賞で、エコデザイン(比企郡小川町、長倉広弥代表取締役社長)が大賞を受賞した。

半導体洗浄にオゾン水を活用、環境への貢献度の高さが数値にも現れたと分析する。

オゾン水で薬液削減

同社は各種産業分野向けにオゾンを使うための装置を開発・販売。オゾンは酸素から作られ、殺菌や脱臭・洗浄等に作用した後はまた酸素に戻る。環境にも優しい機能的物質となる。

半導体製造時には従来、洗浄用として硫酸・塩酸・アンモニアといった薬液を大量に消費・廃棄してきたが、資源浪費や環境負荷および二酸化炭素排出量増大につながっている。

同社の手がける半導体洗浄用オゾン水生成装置は、これらの薬液の代替に水と酸素を原料にしたオゾン水を活用。薬液使用量を72~95%削減し、省資源・環境負荷低減・二酸化炭素排出量削減・コスト削減に繋がり、SDGsにも繋がる。独自技術を採用した同装置は不純物無し・高濃度・大流量・高効率・節水などの特長を持ち、国内外で受注が拡大しているという。

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「今回の受賞は大変名誉」

昨年より行われている同賞は、SDGs達成に資する製品や技術を持つ県内中小企業を表彰し広く紹介することで企業の成長発展を支援、県経済の活性化を促進することを目的としている。

今回の受賞について「大変嬉しいです」と同社・長倉正弥専務。

2000年の設立時から「循環型社会構築に向けた技術支援」をモットーとして活動しているからこそ、同社は当初よりSDGSと同じ方向を向いている。それだけに「今回の受賞は大変名誉なことと感じ、嬉しかったです」と喜びをあらわにする。

どういった点が受賞に繋がったかについては、「第一に技術そのものの環境への貢献度の高さが数値的に明確であるということだと考えています」と長倉専務。
技術の対象とする分野も半導体分野と現在非常に伸びている。それだけに環境への負荷増大が懸念されるが、その軽減につながるという意味でも貢献度が大きいという点が評価されたと分析する。

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地域での交流も展望

オゾンは半導体分野のみならず、排水・排気処理や殺菌など様々な分野で持続可能な社会に貢献しうる。同社としても今後ますますオゾン利用の普及を通じてSDGsに貢献していきたいと気勢を揚げる。

他にも情報発信や交流を通じて、相互に持続可能な社会へ向けての意識や技術力を高め合っていく取組も検討。同社では「エコファクトリー」と称する新社屋を建築中。同社屋にはコミュニティースペースを設け、地域住民や学生や技術者などを対象に情報発信・交流・教育などを行っていく予定。「同じ志を持つ方々とどんどん交流していきたいと思います」と展望を述べる。

SDGsの追及は個人個人の未来に希望を与えるものだと同社は考える。COP26で「化石賞」を受賞してしまうなど日本は気候変動対策後進国となっている。それでも、江戸時代がそうであったように、日本は持続可能な社会について優れたセンスを発揮するポテンシャルを持っている。

「今は眠っているかもしれないその力を揺り起こして、世界に冠たるSDGs先進国を目指していきましょう」と長倉専務。

企業紹介

エコデザイン株式会社

  • 住所(上古寺事業所):〒355-0325 埼玉県比企郡小川町上古寺510-1
  • 電話(上古寺事業所):0493-72-6161
  • 主な公開特許:特開2004-271099 省エネルギー型熱処理装置、特開2004-269326 オゾン発生用放電管 など

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