緊急事態宣言が2週間延長になるなど、コロナ禍の影響は今年も大きい。
桜のシーズンが近づくにつれ、各自治体も花見の自粛を求めるなど季節は春真っ只中にも関わらず春らしくない状況が続く。
そのような中、桜区にある桜草公園および同公園内の田島ヶ原サクラソウ自生地を訪ねた。寒い冬を乗り越えた大地では、着実に春が訪れている。
おことわり
天候などにより開花状況は変動する場合があります。
あらかじめご了承ください。
県花咲く都市のオアシス
100年超えた天然記念物
JR武蔵野線西浦和駅から西に歩くこと約15分、秋ヶ瀬橋手前の荒川河川敷に広がるのが同公園だ。
東京ドーム約3個分に及ぶ16haの広大な敷地には、芝生敷きでこどもと遊べる広場や自然と触れ合えるビオトーブなどが配されている。
その敷地内には一次・二次指定地の2面、国の天然記念物となっている田島ヶ原サクラソウ自生地もある。
かつて荒川流域には同種が自生する場所が少なからず存在したが、開発の進行や環境の変化などにより現在では同地をはじめ数えるほどだ。
1920年に国内初の天然記念物に指定され戦後に特別天然記念物に昇格しているが、昨年は天然記念物指定100年の節目となった。
2年連続!記録的な早咲き
埼玉県150年・さいたま市20年となる今年も県と市の花に指定されている同種の開花が待ち遠しい。
訪問時、自生地はまだまだ青々とした葉が多く見られ開花には至っていないようだった。
しかし同地の環境保全や振興に取り組む田島ヶ原サクラソウ自生地を守る会によると、隣接する第二次指定地においては3/11の時点で同種の開花が認められた。昨年の開花は3/14で過去最速だったが、今年はそれをも上回るスピード開花だったようだ。多くの株は未だ蕾のままであるため、本格的な開花は今月下旬ごろになりそうだ。
例年4月の第三日曜日に行われてきたさくら草祭りは昨年はコロナ禍で中止になり、今年も開催されるかは不透明だ。
それでも地域の花は一足早く顔を出して、地域の節目を祝ってくれているようだ。
自生地賑わす春の花
開花した同種を見るのには少し早すぎたが、同地ではユリ科のアマナが白い花を咲かせていた。
冬の間は保全のため野焼きもされる同地だが、春になると真っ先に花を咲かせるのがこの花だ。
白く可愛らしい花が、優しく春を告げてくれる。
これ以外にタンポポやオオイヌノフグリの花も見られ、自生地にも着実に春がやってきている。そして公園内に多く植えられている桜の開花もいよいよ秒読みだ。
サクラソウはじめ多くの花で彩られる時は、そう遠くない。
ギャラリー
スポット紹介
- 住所:埼玉県さいたま市桜区大字田島3542-1
- 電話番号:048-711-2290
- 備考:駐車場あり(57台)