サービス展開でのこだわり

後発組と異なる点

我々は保育園の事情からこのようなサービスを作り上げましたが、他にも後発で同じようなサービスを展開する企業がありました。
それでもうまくはいっていません。

なぜうまくいかないのか色々理由はあると思いますが、我々は写真屋であるもののそのような後発企業がエンジニア寄りだからということがあると思います。
売る商品は写真であっても、ミッションが異なるために方向性が異なってしまう。

我々は先生方が困っているのを助けたいという一心でしたが、どうしても彼らはネットで写真を売りたいという思いが優先してしまいます。

しかし問題はそこではなく、そもそも先生方は写真で商売をしたいのではなく園内の様子を保護者に伝えるツールとして写真を利用しているわけです。
だからこそニーズとズレが生じてしまい、結果うまくいかないのだと思います。

どうしてもサービスは求められているものでないと続かないですし、会社が終わるときは求められなくなるときですから。
それこそ夏にTシャツではなく、いやいやこっちがいいですよと厚手のコートを売っているようなものです。

だからこそ自分たちの都合で進めてはならないと考えます。

お客にも自分たちにも使いやすく

ーサービスを構築していく上で、一番こだわった点はどういった点ですか?

佐藤社長:使いやすさです。

ーそれはお客様の声を反映していってできたものでしょうか?

佐藤社長:そうですね。自分自身が営業をしていた中で、こういうのがいいと頭の中でイメージができつつありました。

たとえばボタン一つとっても、画面遷移こそすれどエンジニア目線では実際の使用場面では小さすぎることもあります。
特に知識がない人だとクリックした瞬間にマウスがずれることもありますから、そこまで考えないといいサービスはできません。

逆にそのようなことは実際の営業現場で多く体験してきたことですので、自分自身の経験が大いに役に立っています。

それに見やすいものができることで営業自体もしやすくなります。実際に営業の人が使いこなせないと、説明すらできませんから。

何枚売れるかが勝負

ーたしかにUIなどユーザビリティは差別化の原動力ですし、それが決め手になることもありますからね。

佐藤社長:自分自身がエンジニアではなく一般消費者に近い立場からこの世界に入ったからということもあるのでしょうね。
写真を撮っていた時もこんなの良さそうと思いながら撮っていましたから。

これが写真家になると例えば手のアップのように自分の感性のままにとった作品のようになってしまいます。
ですがあくまでカメラマンはクライアントの望むものを撮るのが至上命題です。
何枚売れるかが勝負なんです。

だからこそこの視点がサービスを展開していく上で大きなポイントになると考えています。

成功の反対は挑戦しないこと

ーまさにおっしゃる通りです。逆にそのようなアイディアの源泉になっているのはどのようなことなのでしょうか?

佐藤社長:自分自身も自衛隊時代に「絶対こっちの方がいいよ」と根拠のない自信を抱いていましたが、
逆に自分のアイディアはおかしいのか、それを全て市場に出した際に認められないかを試したいという思いもありました。
それで実際にやってみたら反応もありましたし、やって間違いではなかったのだなと思っています。
でも源泉といったらなんなんだろう…。

ーそのような探究心が原動力になっているのでしょうね。

佐藤社長:人生は一回しかないですが、いいなと思っていてもやらなかった、ということは自分の中でも嫌だと思っていました。
やる前にうまくいかないよと言う人もいますが、それはあなたの経験上の話ですし100%そう言えるのと思ってしまいます。

失敗なんて存在しない

自分の好きな言葉の一つに「成功の反対は挑戦しないこと」というものがありますが、やりもしないのに無理というのはナシなんです。
できないことを一つでも多く見つけられればそれでいいんです。

できることを見つけようとすると「うまくいかない」とやる前に終わってしまいますが、自分は実際にうまくいかなくても「うまくいかないものを一つ見つけた」と考えています。
また次もやってみようとするとまたうまくいかないものが一つ見つかる。

その後に自分と同じ道をたどる人もいますが、当然うまくいきません。
だからこそ相手がこっちに来ることもないのでしょう。

そう考えると、「失敗」というものはないのだと思います。

もちろんサービスを展開する中でうまくいかないこともありましたが、それはむしろ自分の中では学びになっています。

お客様からの声

ーいろいろ反響も出ているとは思いますが、こんな声があったというのがあれば教えていただけますでしょうか?

佐藤社長:いろいろお声をいただきましたが、「もっと早く出会いたかった」ですとか「よく考えたね」というお言葉をいただきました。
逆に、無料で使えてお金も入ってくるので「詐欺じゃないのか」と言われたこともありましたけどね。

ハッピースマイルと保育園でL判1枚あたりいくらと取り決めはしますが、保育園側はそこに自分たちの取り分を加えて写真を保護者に販売し、取り決めした分をハッピースマイルでいただくというビジネスモデルです。

なので初期費用や月間のランニングコストは一切かかりませんし、写真の取り分も保育園側で自由に決められます。

ー携帯電話の従量課金に近いイメージですね。

佐藤社長:我々のビジネスは保育園を通じて保護者の方に写真を提供するので、B2B2C型なんです。
契約するのは保育園ですけど、最終的なお客さんは保育園の園児さんの保護者さんになります。
こうして保護者さんに喜んで写真をご購入いただいていますし、保育園の皆さんからも無料で今までの苦労が解決されて「ありがとう」とお言葉をいただけています。

日本全国の保育園を回って作ったサービスだけに「なんでこんなに保育園のこと知ってるの」と言われることもあります。
実際園長先生など現場の皆さんの声を踏まえて作ったサービスですし、それだけ現場の声が生かされているためだと思います。

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埼玉ではじまったワケ

いっそのことで埼玉に引っ越し

ー日本全国巡られたとは!逆に佐藤さん自身も新潟のご出身とは伺っていますが、なぜ埼玉でこのサービスを始められたのですか?

佐藤社長:自衛隊を辞めた当初は練馬に住んでいましたが、自分に仕事を振ってくださったクライアントが埼玉にいらっしゃり仕事で埼玉に行く機会も多くなりました。

交通費はいただいていましたが、どうしても練馬からだと時間がかかるのがネックでした。

それならいっそのことということで、埼玉に引っ越してきました。

こうして川越で家を借り、その6畳一間で開業しました。
最初は個人事業でしたが、仕事先で保護者の方々から七五三の写真も撮ってもらえないかとお言葉をいただくことがありました。


最初はそこまで乗り気ではなかったのですが、毎年そのようなお言葉をいただくとスタジオを設けてみようかと考えるようになりました。
2012年のことでしたが、スタジオにいい物件は探しているとこの指扇エリアにあったのでこっちに拠点を移したという経緯です。

なので最初からここを狙ってきたというわけではないんですよね。

アクセス利便性やコストが埼玉の魅力

ー佐藤さんも埼玉に住まれて長いと思いますが、そんな埼玉の魅力はどんなところにあるとお考えですか?

佐藤社長:自然もあるけど都内には出やすいですし、海はないから津波の心配はないところは魅力ですね。

ーやはり東京と比べてコストは安く感じますか?

佐藤社長:実際、家賃や駐車場代は安く感じますね。
むしろこっちにいると、都内に出るのがちょっとした旅行くらいに感じてしまいます。

 

この続きは次回公開します。お楽しみに。

つづく

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