【埼玉県議会短信】原油高に対応 2022年度一般会計補正予算第4号成立

9/22(木)から10/14(金)にかけて開催された埼玉県議会2022年度9月定例会で、知事提出の2022年度一般会計補正予算第4号が原案可決となった。

ウクライナ侵攻長期化による原油・物価高騰や円安の進行、新型コロナウイルス感染第7波などを踏まえ、影響を受ける事業者や生活困窮者への支援策を盛り込んだ。

国庫支出金を財源に

同補正予算の補正額は1,765億1,218万9千円で、補正後の同年度一般会計予算額は2兆4,085億9,544万8千円に拡充。

補正額のうち、おおよそ9割にあたる1,613億983万2千円は国支給で用途に指定のある国庫支出金を充てた。同支出金の内訳では新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金が約88%、同感染症対応地方創生臨時交付金が約5.7%を占めた。

その他、基金による繰入金や繰越金、県債などが財源に充てられている。

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事業者や生活困窮者などへ緊急支援

同補正予算では原油価格・物価高騰などの影響を受ける事業者や生活困窮者、同影響を受けない体制への転換、新型コロナウイルス感染症対策などが盛り込まれている。

各項目の要点を紹介する。

トラック運送事業者などへ補助

このうち、原油価格・物価高騰等の影響を受ける事業者への緊急支援として、74億1872万4千円を計上した。

特にトラック運送事業者の経営改善に対する支援として、約半分の35億3,534万7千円を充当。高騰する燃料費の影響を緩和するため、運送事業者への補助や運送費への円滑な価格転嫁促進といった狙いがある。

また、福祉施設等の運営継続に向けて21億8,972万8千円を計上。高騰する光熱費の緩和が狙いで、高齢者・障害者施設、児童養護施設、保育所、放課後児童クラブ、私立学校などが支援対象。

「生活困りごと相談会」実施

同高騰の影響を受ける生活困窮者等への緊急支援には14億1,017万1千円を計上。

このうち13億5,099万1千円は、生活福祉資金特例貸付の債務者へ向けたコールセンター拡充や、弁護士などの専門家による相談体制の強化に充てる。

また、生活困窮者の相談機会の拡充に2,497万円を計上。相談支援員や弁護士など専門家による相談や生活必需品等の配布などを行う「生活困りごと相談会」を県内4つの地域で実施する予定。

他に、自殺を思い悩む県民の相談体制の拡充に2,404万6千円を充て、SNS相談「こころのサポート@埼玉」の体制を強化。身近な人の悩みに気づき支えることのできるゲートキーパーの啓発・研修動画を制作するという。

中小事業者のクリーン化を促進

同高騰等の影響を受けにくい経営体質・生活様式への転換促進に15億83万5千円を計上。

このうち環境負荷の少ない自動車の普及推進に7億5千円を計上。CO2削減や災害時の交通インフラ体制強化へ、EVなど電気自動車や外部給電器の導入経費を補助する。

また、2億1,357万円をグリーン分野への進出に向けた中小事業者の事業再構築など支援に計上。グリーン分野に関する経営革新計画を策定し経営改善を図る県内の中小事業者に対し、計画の実行に要する経費などを補助する。

加えて、化学肥料の使用量低減に向け2億5,057万7千円を計上。化学肥料使用量の2割減へ必要な設備などの導入経費を補助する。

この他、県産木材供給体制の構築(4,900万円)やECサイト出店など県内中小事業者への海外での販路開拓に向けた支援(1,000万円)などが盛り込まれた。

医療体制は引き続き強化

新型コロナウイルス感染症拡大防止にも、同補正予算の9割にあたる1,619億6,286万円を計上。

このうち、医療提供体制の継続確保・強化に1,480億4,304万8千円を充てた。引き続き県民相談や検査・医療提供・感染者のフォローアップ体制を確保し、軽症の自宅療養者などへ向けて支援センターの体制や協力医療機関との連携を強化するという。ワクチン接種の推進には75億230万8千円を充て、引き続き県ワクチン接種センターの運営などを展開する。

この他、感染不安を抱える妊婦へのPCR検査提供などの支援へ9,268万9千円を計上した。

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