各社の決算状況
ここからは各社の決算状況をピックアップして見ていく。
海外売上が減少ー日本精密
時計バンド及び時計外装部品やメガネフレームの製造・販売などを手がける日本精密(川口市本町、井藤秀雄代表取締役社長)の2021年3月期の連結売上高は46億4,700万円と、前年同期比28.7%減となった。
主力となる時計関連の売上高は同35.2%減。
このうち時計バンドについては、海外取引先の在庫調整長期化に加え感染症の影響よる受注減少などで約半減。国内においても感染症の影響で約4割減。
メガネフレームの売上高も中小チェーン店などからの受注減少で同21.2%減。しかし、事業構造改革による販売管理費のコスト削減や訪問営業の自粛に対応した利益率の高いリモート営業やオンライン営業の強化などにより、セグメント利益は9年振りに黒字転換。
感染拡大防止策により景気は徐々に回復していくと予測した上で、時計関連においてはASEANエリアにおける製造拠点を中心に製造工程の改善などによる生産性の向上及び外部業者への生産委託などによる製造原価の改善や既存の取引先のシェア拡大や新規製品の受注強化、新規取引先の開拓及び販売管理費の低減などの諸施策を継続する。
巣ごもり需要取り込み増収増益ーヤオコー
スーパーマーケット事業を展開するヤオコー(川越市新宿町、川野澄人代表取締役社長)の2021年3月期連結決算における売上高は5,078億6,200万円と前年同期比10.3%増となった。
(ヤオコーHPより)
商品面においては独自化・差別化につながる品揃えを実現するべく、ミールソリューションの充実に注力、「Yes!YAOKO」などプライベートブランドについては、新規商品を展開した。販売面でも頻度品を中心とする価格政策を見直すなどEDLP(常時低価格施策)を拡充し「価格コンシャス」を強力に推進した。
感染症に対して「地域のライフラインとして可能な限り通常どおり営業を継続すること」を基本方針として取り組み、外出自粛や生活様式の変化の中で巣ごもり需要を取り込むのに成功。買上点数増につなげ売上が増加した。
また、デリカ・生鮮センターの積極活用すによる店舗の生産性向上や社員の配置転換などによりコストを削減。経常利益は222億1,100万円(同13.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益も145億9,300万円(同17.1%増)と増収増益を実現した。
今後については、消費者の節約志向の強まりから消費の二極化の加速を想定して、グループ全体で価格対応に注力するとしている。
IT活用などで過去最高収益ーケイアイスター不動産
1都3県を中心に建物売買などを手がけるケイアイスター不動産(本庄市西富田、塙圭二代表取締役)の2021年3月期連結決算において、売上高は1,557億5,331万円と前年同期比29.0%増で過去最高となった。
新型コロナウイルスの流行による外出自粛により自宅で過ごす時間が大幅に増加し、世界的に持家への志向が高まっている。このような中、同社では主力事業である分譲住宅事業の成長戦略に注力し「高品質だけど低価格なデザイン住宅」の提供を継続。また「不動産× IT」を掲げ、居住者がより快適に過ごせる未来型住宅の実現を目指すためのIT活用の研究や各業務のシステム化を推進し、土地仕入れから売上までの回転期間も独自プラットフォームにより短期化した。
結果的に経常利益も同102.3%増の127億8,162万円、親会社株主に帰属する当期純利益も同112.5%増の76億1,625万円といずれも過去最高。
コロナ禍における住宅需要拡大で同社は今後も増収増益を予測するが、世界的な木材不足やコロナ禍長期化による個人所得減に伴う需要後退を警戒する。












