一般社団法人埼玉県物産観光協会(松本邦義会長)はテイクアウト・デリバリー事業に取り組む埼玉県内の飲食店に対して、クラウドファンディング型の保険「さいたま食の安全・安心保証サービス(Saitama Food Security Service：SFSS)」の提供を8/15より開始し、申込を受け付けている。
具体的な感染症対策オンライン研修とテイクアウト・デリバリー事業(店頭販売や移動販売、Uber eats形態も含む)での万一のときの賠償保険をセットにして、格安で提供する。
実施の背景・狙い
新型コロナウイルス対策でテイクアウト・デリバリーに新たに取り組んでいる飲食事業者が多い中、この時期は気温も上がり食中毒事故のリスクも高まる。
そのような中でも同協会は新しい生活様式に基づく万全の体制の確立に向けた取り組みの一環として同保証の早期普及を図り、物産観光の分野で安全安心なエリアとしての埼玉県のブランディング強化に貢献していく狙いだ。
同保証の窓口や保険事故対応を行うのは香川県高松市に本社を置く日本総険で、同協会は県下の飲食事業者等取りまとめる。
なお、引受保険会社は三井住友海上となる。
保証制度の紹介
安価な保証とセミナーが特徴
新型コロナ禍でテイクアウトやデリバリーを始めた埼玉県の飲食店オーナーや店長のために設けられた同保証。
制度費用には埼玉県業種別組合等応補助金があてられており、他にはない安価な保証(保険・セミナー)を提供する。
内容も食中毒などテイクアウトやデリバリー業務で発生する各種トラブルに備えた保険と、オンラインセミナー(食中毒感染症対策・クレーム応対)およびクレーム相談がセットになる。
同セミナーは事業主、飲食店オーナー、店長、従業員(パート・アルバイト含む)が何度でも受講できる。なお、感染症対策に関するセミナーは感染症.com(神奈川県平塚市)が担当する。
提供価格
提供金額は来年1月までに加入の場合に、1店舗あたり年額¥1,000円(税込)となる。
それ以降の加入は、それまでの実績をもとに判断されるという。
なお、同保険はクラウドファウンディング形式を採用。通常のクラウドファウンディングと同じく8/14までに保険料がオプション契約含めて26,500円以上集まると保険が成立する。
目標金額に届かない可能性もあるため、加入申込が必ずしも成立し得ないことは注意されたい。
成立にならなかった場合、申込は自動的にキャンセルされ費用も発生しない。
これらに加えて、有料オプションとして飲食店の賠償保険(年額¥2,440)も用意。補償金額が5,000万円に増額され、店舗内で生じた事故が補償対象になる。
加入対象
前述したように、同保険の加入対象はすでに飲食店用の賠償保険に加入しておりテイクアウトやデリバリーを始めた埼玉県内の飲食店オーナーや店長になる。
飲食店用賠償保険に加入してない飲食店に対しては、オプションの保険への加入を同協会は強く勧めている。
このため、県外の店舗は加入対象にはならない。
例えば複数の地域に2店舗(埼玉県に1店舗、東京に1店舗)ある場合は、埼玉県内の店舗しか加入できない。
保険の補償例
デリバリー・テイクアウト事業に起因する賠償責任の補償
同保険では店舗の施設の欠陥や管理不備により生じた賠償責任、および業務の遂行により生じた賠償責任を補償する。
例えば「提供した飲食物が原因で飲食後に食中毒が発生した」ないしは「弁当の中に異物が混入しており、口内を負傷した」場合、1名・1事故あたり1000万円を限度に補償する(免責金額5万円)
また「デリバリーの客様先で、客所有の物を壊してしまった」「テイクアウトで渡した弁当から汁漏れがあり、絨毯が汚れた」などといった場合、対人対物とも1名1事故あたり1000万円を限度に補償する(免責金額5万円)
事故の際の事故対応費用、訴訟対応費用の補償
事故対応費用、訴訟対応費用についても補償がなされる。
「賠償事故の相手側より訴えられた」「外部の鑑定業者に依頼して、食中毒の原因が自社提供の飲食物であるかどうかの検査を行った」という場合、保険期間中(1年間)は1000万円が補償される。
人格権侵害にかかわる補償
人格権侵害に関して、例えば「従業員が、業務中に知った、お客様個人に関する情報をSNSに投稿したところ、プライバシーの侵害だと訴えられた」や「店舗の繁盛ぶりを伝えようと、お客様の承諾を得ずに顔写真をHPなどに掲載し、肖像権の侵害だと訴えれられた」といったケースが想定される。
この場合、1名あたり100万円、期間中1事故あたり1000万円限度に補償がなされる(免責金額5万円)
対象とならない主なリスク
対象外となるリスク例は以下の通り。
- 火災保険分野
- 加入者の店舗施設(借用施設を含む)および什器備品に生じた損害
- 受託物賠償分野
- 顧客より預かった現金、貴重品等、靴、かばん等の損害、店舗から預かった弁当の損害
など
その他詳しくは保険約款を参照のこと。
申込に関する問い合わせ窓口
◇日本総険 さいたま食の安全・安心保証サービス担当
- 電話：087-823-2850
