新型コロナウイルスをはじめ災害や少子高齢化など我々を取り巻く状況が日々変化する現代、地域社会は多くの問題を抱えている。
そのような地域の問題に対応する資金源として、大宮を中心に活動する9名が発起人となったさいたま幸せ未来基金(仮称)準備会が財団法人設立を呼びかけている。明日7/7からは設立に向けて寄付金の募集が始まる。
さいたま幸せ未来基金(仮称)とは
基金概要
大宮商店街連合会の日野俊彦会長はじめ、大宮ナポリタン会の望月義一会長やさいたま観光国際協会前会長の清水志摩子氏ら9名が発起人となる同基金。
後述するように基金を通じて埼玉県内で活躍したい人々や支援を必要とする人々に対して支援を提供し、地域づくり活動の支援を目的とする。
現在は準備会として活動しているが、今年9月頃に一般財団法人へ、年内には県から公益指定を受けて公益財団法人への移行を目指す。
基金の用途・運営イメージ
寄付⾦・休眠預⾦・遺贈などを活動資⾦とする同基金は、人・環境・文化などの地域資源を活用しながら、「さいたま元気⽟プロジェクト」としてコミュニティビジネスなどに投資・助成・融資などの⽀援を⾏う。加えて、地元で元気に活躍したい埼玉都民や公務員等の定年後の活躍の場、若手の活躍の場作りを行う。
その運営を通じて人と人をつなぐことで、支え合う地域の力を育てる。
国連が定める持続可能な開発目標SDGsや環境省の掲げる地域SDGs(地域循環共生圏)の考え方を踏まえ、最終的には次世代育成チャレンジや経済循環社会の育成、多様性が尊重される地域を目指していく。
寄付金募集について
財団法人設立にあたり300万円の財産が必要となるが、同会はこの分を寄付金として明日7/7より募集する。
一口1万円で、最大で十口まで寄付できる。300万円達成後の寄付は運営資金として保管される予定だ。なお寄附金控除の対象にはならないので注意されたい。
寄付については以下2通りの方法で受け付ける
- 銀行振込:武蔵野銀行 本店 普通1270732 同準備会代表日野俊彦
- 現金持参・郵便書留:清水園フロント(大宮区東町2-204)まで
寄付者に対する特典として、氏名や写真を同基金HPへ掲載する(任意)
寄付申込は、専用フォームより受け付ける。
発起に至った経緯
同基金の発起に至った経緯を、発起人の一人で一般社団法人場所分化フォーラムにおいてローカルサミット事務局長を務める今井良治氏に聞いた。
もともと地域活性化を全国で議論して支援・実践に当たってきた同氏。
地方ではやれることはわかっていても、埼玉をはじめとした首都圏ではなかなか課題がない、見えてこない、気がついてない、そもそも考えてもこなかったのでなかなかできないと感じていた。
しかし、東日本大震災や豚コレラや台風19号、そして今回の新型コロナウイルスで、一人一人が困った、そして地域が困った課題を共感できる場面になった。
そして、新生活様式や定額給付金でもなく、まさに今これからどうやって生きていけばよいかという相談が日々多くの市民から寄せられるようになった。
目的がない単なる手段で終わることなく、地域の哲学から問えるそのためのリソースを洗い出し、貯める受皿を作ろうと考え、今回の動きとなったという。
我々に感じてほしいこと
これからの時代は行政に頼りきりの「お任せ型民主主義」ではなく、自らができる範囲で参加することで、公共を担う形作りを進めていくことが必要だと同氏。互いに感謝しあい、地域を磨き、価値観の共感を作っていく時代になると考える。
感謝し合う地域になるには、ある程度のところで満足することが大切だ。行政でいうなら100%のサービスを求めるのではなく、7割くらいで良いのかもしれない。残り3割は民間が有料で提供し、その分の余力で本当に困っている人をみんなで助ける、そのような社会にならなくてはいけない。
いずれにせよ、地域をもっと楽しくするためにも一歩前に出て一口設立オーナーに参加し、一緒に地域づくりを始めてみてはと同氏。
読者へのメッセージ
埼玉人は天領文化で過ごしてきただけにお上や藩の言いつけには従い、あとは「それなり」に困ってない街としてやってきたのだと同氏は考える。
今回はその「それなり」の当たり前の部分ができなくなり、皆が困ってしまったと考察する。
法律に則った行政サービスは自治体に引き続き任せるとして、それ以外の部分は行政任せにせず、皆でチカラを合わせリソースを出し合い、ちょっと懐かしい過去を思い出しながら、地域を楽しく磨いていくための受皿の一つとしてこのコミニティ財団を活用していただければ幸いとしている。
地域とは「文化力と志民力」と言われている。「ぜひ、志民であるみなさんと一緒に、これかの埼玉を楽しく作って行きましょう」と同氏。
今後の同会の活動内容は同会HPやFacebookページに順次掲載される。