産地存続へ呉越同舟 神川・上里梨PR隊活動中

少子高齢化に伴い全国的に農業の存続が問題になっている。

埼玉県内においても例外ではなく、県北部で梨生産が盛んな神川・上里町においてもその兆候は見られる。

そんな中で、両町地域の梨生産をPRしようと両町の若手梨農家がタッグを組み神川・上里梨PR隊を結成した。(後援:神川町梨出荷組連合会・上里町果樹栽培出荷組合連合会)

神川・上里梨PR隊とは

後継者難に悩む地域

県最北部の神流川東岸に位置する神川・上里両町は江戸時代より梨栽培が盛んに行われてきた。現在においても梨農家が多くあり、梨の栽培はもちろん観光農園として機能しているものもある。

しかし少子高齢化に伴う後継者不足により、生産面積は著しく減少している。神川町においてはピーク時の1/3程度にまで落ち込んでおり、この状況は上里町においても変わらないという。

町の垣根を超えて

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そのような産地の危機のなかで両町の若手生産者が仲間や行政と話し合い、町の垣根を越えて誕生したのが同隊となる。

両町の若手梨農家7名で構成された同隊。元から梨生産に携わってきた者や一度都会に出て再度地域へ戻って梨生産に携わる者などその背景は様々だが、梨生産に懸ける思いは誰も彼も本物だ。

7/3のお披露目会以降、両町広報や各種メディアへの出演、SNS(Instagram)を通じて、両地域の梨の魅力やその生産者の思いを伝える。

フェイスシールドを寄付

埼玉県HP農林部ページより

 

これらPR活動に加えて、お披露目直後の7/7には同隊で取り組んでいる新型コロナウイルス対策をPRするため、神川・上里町および本庄農林振興センターを訪問。それぞれにオリジナルフェイスシールドを寄付した。

このフェイスシールドは隊員らの手作りで、前面には「感染なし(梨)」の文字が掲げられ感染拡大防止を訴える。

これらを受け取った各町長やセンター所長から感謝・激励の言葉を受けた同隊。今月からは梨の販売も行われるが、それに向けて感染対策にも力を入れる。

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活動を通じて伝えたい思い

地元広報やメディア掲載を通じて、応援の声も広がりつつある同隊。

梨作りの模様は地域の誰もが幼い頃から当たり前の様に見てきて、梨も当たり前の様に毎年食べてきた。しかしそれらが存続の岐路にある現在において、この先も梨の町が梨の町であるために問題解決に取り組んでいきたいと意志は強い。

今後の活動予定についてはまだ構想段階であるものの、後継者不足問題を解決するためおよび広く多くの人に梨の生産に興味を持っていただくための「梨塾(仮)」の立ち上げを検討しているという。

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地域での梨作りについて

同隊に地域でどのような品種が生産されているか聞いた。

(神川町HPより)

主力として生産されているのは幸水・豊水。和梨の代表格である前者は8月下旬から収穫が始まり、後者は9月上〜中旬に収穫されきめ細かく柔らかな果肉やジューシーな果汁が自慢だ。

近年では埼玉オリジナル品種の彩玉の生産量も増えつつある。9月上旬に収穫される同種は 大きな果実に甘くみずみずしい果汁がつまっている。

その他、幸水よりも早く収穫期を迎える品種や10〜11月と遅く収穫される品種の生産者も増えてきている。

読者へのメッセージ

すでに今月から販売や梨狩りを始めている農家もあり、本格的な梨のシーズンを迎えた両町地域。

上里町には神流川古戦場、神川町には金鑚神社があり、広がる田舎の田園風景を眺めながら歴史を感じるドライブやサイクリングが楽しい。

また上里インターチェンジ近くには複数スイーツショップが位置するカンターレ上里もあり、買い物や食べ歩きも楽しい。他にも神川町では、梨を使った料理を生産者と飲食店が協力して商品開発を実施している。

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生産者として美味しい梨を届けるだけでなく、産地の抱える様々な問題を解決し梨の町がこの先も続いていくためにこれからも努力していくと意気込む。

「応援とご協力をお願いします!」と同隊。

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