【埼玉県議会短信】豚コレラ・台風19号対策で約4,400万円の補正予算ー2019年10月臨時会

県内に大きな被害をもたらした台風19号に加え、4例を観測するに至った豚コレラと10月は埼玉県内に大きな被害や不安を生じさせる出来事がありました。

こうしたことから大野知事は10/31に臨時県議会を召集し、約4,400万円の一般会計補正予算が成立しました。

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豚コレラ対策に約3,450万円

今回成立した一般会計補正予算は4,395万3千円。使用料・手数料と国庫支出金と繰越金を財源に充てます。

このうち3,453万2千円が豚コレラの対策費としてあてられています。

豚コレラとは?

豚コレラは豚やイノシシに特有のウイルス性の疾病で、感染すると食欲減退に始まり各臓器の充出血などを引き起こし死に至る病です。治療法は無く、発生した場合の家畜業界への影響は甚大なものになります。

国内では1992年の熊本県での例を最後に感染例はありませんでしたが、昨年9月に岐阜県の養豚場で感染が認められました。

後述するように感染予防のためのワクチンは存在するのですが、日本国内では10年以上感染がなかったため他の養豚先進国にならい2006年にワクチン接種を全面中止。その1年後の2007年、国際獣疫事務局の規約により日本は「豚コレラ清浄国」として国産豚肉を輸出することができるようになりました。

それゆえ長い年月を要した清浄国認定が取り消されてしまうため政府も豚へのワクチン接種は慎重でした。

県内の発生状況

(埼玉新聞より)

9月に入ってからは県内の養豚場でも感染が確認され、11/4現在に至るまで以下の4例が報告されています。

  • 2019/9/13:秩父市
  • 2019/9/27:小鹿野町
  • 2019/10/11:本庄市
  • 2019/10/30:本庄市

いずれも感染豚の殺処分をはじめとする防疫措置は施行済みです。

感染率も非常に高い同病、感染源については諸説あるもののイノシシを媒介している可能性がありそうです。現に捕獲した野生イノシシからは同ウイルスの陽性反応が出ていると県のHPにはあります。

秩父での感染で「汚染国」に逆戻りした格好になりましたが、豚コレラの多発を受け政府も豚コレラワクチンの接種を容認する方向で感染地域の都道府県と調整。埼玉でもこの11月より接種が始まりました。なお豚肉の輸出に関しては、一定の条件のもと容認される見込みです。

成立した補正予算・議案

こうした状況で豚コレラ対策として、以下の通り補正予算が組まれました。

    • ワクチンなど医薬材料等の購入 :3,040万6千円
    • 家畜防疫員等の確保                   :  412万6千円

加えて102号議案として、豚コレラの注射にかかる手数料を1頭320円とするよう埼玉県手数料条例の一部を改正する議案が出され、原案可決となりました。

この手数料は初回接種の際には免除になる方向です。このため県内平均である1千頭の養豚農家では2回目以降は生まれてくる子豚が接種の中心となるので、月平均5万円の農家負担になる予想です。

またワクチン接種は都道府県ごとに実施していますが、群馬県の県境地域での感染が報告されていることから今後は同県と常に情報交換し対策を進めていく見込みです。

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台風19号支援に約940万円

農業被害は62億円

続けて先月12〜13日にかけて埼玉県内にも大きな被害をもたらした台風19号支援関連です。

この台風により圏内では3名の尊い命が奪われ、住宅への被害(損壊・浸水)は5,585棟にも及んでいます。

埼玉県は30日、台風19号による農林業被害額が62億1940万円(29日現在)に上る見込みだと発表した。用水路や取水せきなど農業基盤施設の被害が36億3362万円、林業基盤施設の被害が22億2780万円あった。農作物や畜産などの被害は2億6562万円。実態を把握しきれていない地域もあり、被害額は膨らむ可能性もある。

農作物被害は25市町から報告があった。ネギが7982万円で最も被害額が大きい。鴻巣市を中心に、プリムラなどの花壇用苗の被害(5068万円)も大きかった。畜舎の浸水でウズラ10万羽が死亡した日高市など、畜産被害も5市町で確認された。

農林業用施設や農業機械の被害は9241万円。パイプハウスが倒壊したり、トラクターなどの機械が浸水したりした。農業基盤施設については、農地(143ヘクタール)への土砂流入・流出のほか、用水路などの施設159カ所で損壊や浸食などの被害が発生している。

(「埼玉県の農林業被害、62億円超 台風19号」日本経済新聞 2019/10/30)

こうした中農林業への被害も深刻で、10/30現在で被害額は62億円にも及ぶといいます。農作物への被害は3億円ほどですが、その元になる基盤施設に関して被害が大きいようです。

融資限度額の拡大へ

台風によって破損した設備の更新や売上げの減少に伴う資金不足などに対応するため、被災した中小企業への融資限度額が5,000万円から1億円に拡大されます。全体での融資枠は100億円拡大となります。

加えて農業施設や機械に大きな被害を受けた農家に対して、農業近代化資金の融資枠を5億円拡大し15億3000万円としまます。

これにより金融機関への利子補給に追加で費用が発生するため、以下の通り約940万円の補正予算が組まれました。

    • 中小企業への融資限度額の拡大:833万4千円(令和2年度以降限度額は1億9,000万円)
    • 農業近代化資金の融資枠の拡大:108万7千円(令和2年度以降限度額は7,366万8千円)

なお、これまで県には被害を受けた事業者や関係者・商工団体などからの相談が60件近く寄せられているといいます。今年度予算の補正となるため今回の融資は今年度末までの時限処置ですが、来年度以降に関してはこれからの推移を見つつ判断していきたいとしています。

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