【聞かせてくだサイタマ!】川越発「あなたを覆う」ZIPANGメタルバンド「Thick Fog」 その1

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この度当サイトでは新企画として、大宮や埼玉を中心に活躍する人や団体へのインタビュー企画「聞かせてくだサイタマ!」を始めることになりました。

第1弾として、川越を中心に活動するZIPANGメタルバンド「ThickFog」のお二人にその音楽や埼玉への思いを伺います。

 

自己紹介

ー改めまして自己紹介をお願いします。

雪:川越発「あなたを覆う」ZIPANGメタルバンド「Thickfog(通称:ふぉぐ)」です。
私がボーカルの桃胡雪(みるくゆき)です。

ZAKI:夫でギターのZAKIといいます。

ZIPANGメタルとは?

ー私もあらかじめ音楽を聴いてきましたが、スピーディーな演出でハラハラしましたし、雪さんの歌声が突き刺さってくる感じで聴いていて飽きませんでした!
ZIPANGメタルについて、詳しく聞いてもいいですか?

雪:もともと私たちThickFogは、お互いに好きだった陰陽座というバンドのコピーバンドから始まりましたが、その陰陽座というのが袴を着て演奏するメタルバンドだったのです。

[amazonjs asin="B07DD15ZMP" locale="JP" title="覇道明王"] 甲賀忍法帖などの小説や、日本の妖怪や民話を基にした楽曲を奏でる「和」なバンドで、そのコピーバンドをしていたのですが、訳あって解散しました。
私自身はそれ以降バンドの経験はなかったのですが、ZAKIはブラックメタルというジャンルのもっとドロドロしたバンドにいました。

ZAKI:海外のブラックメタルを意識したバンドでギターをやらせてもらっていました。それが今のThickFogの経験に生きています。

雪:ZAKIがそんなブラックメタルバンドを辞めて少し期間が空きました。
それでも私にはもともとは芸術で食べていきたいという気持ちがあり、もうバンド活動を諦めていたZAKIの気をひくためにも、自分でデザインしたグッズを販売しつつ、ZAKIにコピーバンド時代に作ったオリジナル曲をYou tubeにアップしないかと持ちかけていました。

 

名前の由来は…

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そんな中で、バンド名をThickFogとしました。
このThickFogというのは焼酎の黒霧島からきていて、わざと安易にお酒の名前なんかつけちゃったし、まずは軽い気持ちでやってみないかということでZAKIを誘い、音源をアップをすることにしました。
そこからだんだん、私もZAKIも本気度が上がっていった感じです。

 

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ここにもシンクロニシティ

後で知ったのですが、この川越にある河越城は敵襲があると井戸から霧が立ち込めたという伝説があるようで、すごい軽い気持ちでThickfogなんて名付けていたのにな、と思い知らされたことがあります。
そんなところにシンクロニシティを感じたのもあって、小江戸川越の和のテイストを取り入れつつ、陰陽座の二番煎じで終わらぬよう自分なりの「和」を体現し、ジャパメタの一翼を担うためにも日本人にしか出来ないメタルを体現したいという気持ちになりました。
日本人にしかできないメタルを考えたときに、海外の人から日本は昔からZIPANGと呼ばれていますが、これにあやかって、海外からの人気も得られるように、ZIPANGメタルと位置付けたのです。

和の示し方

ーなるほど、承知しました。
でも楽曲の特徴ってどういうところにあるんですかね?あまり聴いていて「和」という感じではなかったのですが…。

ZAKI:楽曲自体に日本の音階は用いていませんが、歌詞で日本らしさを表しているのが特徴です。
なので、曲だけでなく歌詞も見れば日本人特有のメタルと感じてもらえるのではないかと考えています。

 

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雪:私たちはGargoyleというバンドも好きなんですが、そのバンドも「ZIPANG」という曲を出しています。
Gargoyleも「海外の人から見た日本」を意識して、衣装などを考えていたとどこかで拝見したことがあります。
そのことに影響され、私達もまた、歌詞や衣装で和の雰囲気を表していけるようになりたいと意識するようになりました。

陰陽座にもかなり影響を受けてはいますが、和服を着てメタルをするというかなりインパクトのある姿だっただけに、次から次へとコピーバンドもしくは二番煎じ感のぬぐえないバンドが出てきたため、そのような中で埋もれることは避けたいと考えていました。

 

信念がインスピレーション

ーなるほど。わかりました。
特に曲の肝となる歌詞を作るときには、どういったものからインスピレーションを受けられるんですか?

雪:主に私自身が生きていく上で感じている思いからきています。どのようなことを考えて日々生きているかという。


バンドの曲の一つに「黎明」という曲があるのですが、これは陰陽座のコピーバンド時代に「バンドなんてしていたって食べていけない」という声を周りから多く受けていた中で「信じた者だけが救われる」という自分の信念を体現しそれを自分自身に言い聞かせる歌詞となています。

ー雪さんはじめ、ZAKIさんの日々の思いが歌詞に表れているということですね。
ちなみに、歌詞を作るときはどういったことをしながら作ることが多いのですか?

雪:歌詞よりも曲の方が先にできるのですが、そのできた曲を聴きながら「これを入れた方がいいんじゃないか」と当てはめている感じです。

「大祓」という曲があるのですが、最初曲を聴いたときにドラムの音に和太鼓のような力強さを感じたことから、和の要素を強くしようと思いました。

ちょうどその頃東松山の箭弓稲荷神社へ2人で観光がてら行ったのですが、ちょうど年に2回の無病息災を願う大祓が行われていて実際に鳥居にできた輪をくぐったのですが、その時にこの曲を聴いた人の気持ちが少しでも祓われれば前向きになれればということで、大祓の儀式と自分の言葉を組み合わせた歌詞にしました。

二人組バンドになったワケ

ー県内のスポットからもインスピレーションを受けているということですね。
お二人はご夫婦と伺っていますが、出会いのきっかけはどういうところだったのですか?

雪:コピーバンドを結成する前に、mixiの陰陽座コミュニティで知り合ったのがきっかけです。
陰陽座好きだよね〜というところから仲良くなって一緒にバンドをやって、解散後も一緒に住んでいて籍も入れたのですが、バンドはもういいかなと諦めた時期もあったものの、今に至るという感じですね。

 

ーそういう経緯だったのですね。
陰陽座のコピーバンドがターニングポイントになっていたようですが、これがうまくいかなかった原因はどんなところにあったと今ではお考えでしょうか?

雪:これはバンドのメンバーですね。バンドってメンバーと一緒に続けていくことが本当に難しいのですけれども、陰陽座のコピーバンドをオリジナルの曲をやるバンドに発展させていこうとしていた頃、当時ドラムを務めていた大学生の人が別のバンドに気持ちが移ってしまいました。ドラムはどうしてもバンド間で取り合いになってしまいますから。
そこからメンバーがバラバラになってしまいました。
ThickFogでも最初はメンバーを入れる予定でしたが、その人が初回の練習時に寝坊で遅刻してしまったため流石にそれではメンバーとして務まらないとお断りしたことがありました。なのでいっそ夫婦2人でやっていけばいいかと考えました。

ZAKI:今の時代だとドラムはいなくてもDTMで打ち込めばいいですし、ベースはあらかじめ録音しておいてライブ時に流せばいいわけですから、あとはボーカルとギターでライブ演奏すればいいという魂胆もあります。

雪:同じようにDTMなどで好評を集めているバンドはありますし、メタルバンドの中でもFogは特別だねって思ってもらえればと思います。

でも2人で一緒にやっていると、家でいつも一緒にいるから意見交換もしやすいですし、思い立ったらすぐパソコン開いて作業したりギター出したりということもできるので、この距離感でよかったなということは感じますね。

ーでもバンドのメンバーの問題というのは深刻で、私の知り合いにもよくメンバー募集と声かけしている人がいるんですが、なかなか集まらずに苦労しているようです

ZAKI:世の中のほとんどのバンドマンがそうでしょうね。

ーその点ご夫婦でされているということなので、意思疎通がしやすいのは大きいですね。
雪:お互い好きな音楽が同じですからね。Gargoyleや陰陽座以外にも筋肉少女帯なども好きですし、ライブにも一緒に行きますし、買いたいCDも一緒ですし。
そこが何よりよかったと思います。

 

初ライブが待ち遠しい!

ー気があう人同士だと楽しいですからね。逆に苦労しているのはどういった点ですか?

雪:いまだにライブをできていないことですね。音源の準備ができていないこともありますが…。
もう少ししたら音源も揃いそうなので来春くらいにはと考えていますが、ライブをしていないバンドは遊びのように思われがちですし、そのような外部からの視線は感じないこともないです。

ーそれでも音源自体は多くのお店でもお取り扱いいただけているようですね

雪:おかげさまで多くのご縁をいただき、過去にはディスクユニオン様や、今現在はウニクス南古谷のヴィレッジヴァンガード様にも置かせていただいております。

ーそういったプロモーションはどこかのレーベルに委託するということはないのですか?

雪:みんな私が行っています。ディスクユニオン様は外部からの紹介でしたが、ヴィレッジヴァンガード様はどうしても置いていただきたくてお願いしました。

 

ZIPANGから北欧のテイスト!?

ー実際音源を聞いた方からは、どういったお言葉をいただくことが多いのですか?

雪:あまり反応はもらえていませんが、ツイッターなどで全く知らない人にレビューを書いてもらったことがありまして、自分たちでは全然意識していなかった、北欧メタルの匂いを感じるというお言葉もいただきました。

ZAKI:感じ方は人それぞれなんですけどね(笑)でも嬉しかったです!

雪:メタルを聴かない方からはやっぱりメタルのギタリストって上手だなという言葉をいただきました。
私自身あまりメタル向きの声質ではないのですが、逆にそれが味になってサブカルチックな声だという声もありました。
そう受け取ってもらったのは、うれしかったですね。

 

次回はお二人に今後のバンドの展望や埼玉に対する思いをお伺いします。

お楽しみに!

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