【さいたま市議会短信】投票率向上のための施策の実施を求める請願ー2019年9月定例会より

先週18日に閉会となったさいたま市議会の2019年9月定例会。

同会では8の請願が審議されました。このうちの一つである請願第41号についてご紹介させていただきます。

請願第41号:投票率向上のための施策の実施を求める請願

請願第41号として議題に上がったのが、投票率向上のための施策の実施を求める請願です。

請願人はさいたま市緑区革新懇世話人会の加川義光代表で、紹介にあたったのは金子昭代・久保美樹議員(いずれも日本共産党さいたま市議会議員団)です。

請願内容

今年に入ってから統一地方選挙・参議院選挙・県知事選挙が行われましたが、さいたま市の投票率は依然として低い状態が続き、危惧しているところです。

何の選挙が行われているのか知らない市民、政治に無関心な市民もいます。

特に2〜30歳代の投票率が低く、将来を担う若者への「主権者意識」を学校教育でどう育てていくのかも問われています。また投票所が身近にあれば、投票に行く人が増えます。

全体的には投票環境を整備することが、行政に強く求められています。

前回から投票数を伸ばしている自治体は商業施設や駅近接の施設に期日前投票所を設置しています。
それゆえさいたま市においても、商業施設や駅近接の施設への期日前投票所の設置で投票しやすい環境整備や、各行政区による宣伝カーや「防災さいたま」などによる啓発活動の実施も大変重要だと思います。

さらに、投票日当日に「共通投票所」を設置することを求めます。
共通投票所は国政又は地方選挙の投票日に自治体の判断で駅や商業施設など、人が集まりやすい場所に設置できるように公職選挙法の改正で設置が認められるようになりました。さいたま市でもいち早い設置が求められます。

討論の模様

総合政策委員会では不採択となった同請願。

議場での本採択にあたり、採択・不採択の立場から討論がなされました。

採択派からの意見としては、市民の代表として市政に携わる議員にとして市民の信頼に応えるためにも、低投票率は憂慮すべき課題であり投票率向上は民主主義にとっても大切という声が上がりました。
その上で、請願者が求める共通投票所の設置には様々が課題があるものの、駅や商業施設周辺の施設を使っての期日前投票で投票環境の向上や啓発活動の推進など選挙管理員会で今後進めるべき事項もはっきりと盛り込まれているとしました。

一方で不採択派からの意見としては、期日前投票では各議員の選挙活動前に投票ができてしまうので、候補者のことをよくわからないまま投票をしてしまう危険性があるという声が上がりました。
その上で投票率を上げればいいのではなく、各候補者の主張を見比べた上での投票を呼びかけるようにするべきとしています。

採択結果

討論の後、定例会に出席した全議員を対象にした採択が行われましたが、

委員長報告への賛成多数で、請願自体は不採択となりました。

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