【さいたま市議会短信】4本柱でシンカをー令和5年度一般会計当初予算成立

3/3に閉会となったさいたま市議会令和5年2月定例会で、市長提出の令和5年度当初予算案などが可決された。

来年度の一般会計当初予算について、その内容を見ていく。

317億円増で過去最大規模

同予算の規模は6,690億円となり、前年度比317億円・5.0%増で過去最大規模。企業会計・特別会計を合算した全会計も1兆1,289億円と同373億円・3.4%増となる。

「ポストコロナを見据え、さいたま市の新時代へのシンカに取り組む予算」と位置付けられ、政令指定都市移行から20年となった市が大都市としての成熟を深めながら、次なるステージへと飛躍するべく、ポストコロナを見据え、新時代へのシンカに取り組む予算として編成された。

歳入は▽市税2,845億円(同76億円増)▽国庫・県支出金1,674億円(同60億円増)▽市債760億円(同155億円増)など。納税義務者数や個人所得の増加などの影響により市民税が増加するとともに、家屋の新増築等による固定資産税の増加することで市税増、普通建設事業分及び収支不足対応分としての市債の発行増を見込んでいる。

歳出は▽扶助費1,558億円(同47億円増)▽人件費1,338億円(同8億円増)▽普通建設事業費969億円(同188億円増)▽その他2,278億円(同69億円増)など。扶助費については障害福祉サービスの支給や特定教育・保育施設などの給付の増加が見込まれる。また、普通建設事業費については市民会館うらわ新施設整備事業で58億円、大宮駅西口第3-B地区市街地再開発事業で52億円増が見込まれる。

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4本柱でシンカ目指す

同予算では4本柱を軸に各事業に予算配分を行なっている。柱ごとにどのような事業が予定されているか紹介していく。

感染症や自然災害に備えた強靭な都市づくり

市民の生命や健康を守るため、ワクチン接種体制の確保及び予防接種推進や、感染症危機のリスクに対応できるよう地域医療体制の充実を図る。ゴールデンウィークや年末年始などでの休日夜間急患診療所の検査体制の確保に1830万9千円を新たに計上、自宅療養者の相談対応やパルスオキシメーターの配送も11億8477万9千円に拡大される。

また、首都直下地震や激甚化する自然災害への対策強化のため、治水対策施設の整備や都市・生活インフラの耐震性の確保などにも着手。流域対策施設整備の推進(2億1559万5千円)や市立中学校体育館への空調機整備等の推進(17億4490万円)などを拡大する。

ポストコロナを見据えたさいたま市の魅力づくり

ポストコロナに向け、新たなニーズを捉えつつ地域らしさを深化させるとともに、新庁舎整備・現庁舎地の利活用の検討や東日本の中枢都市として地域経済の活性化など、市独自の成熟した大都市のかたちを築き上げる。

新規事業として、デジタル地域通貨導入調査の実施に3185万5千円、文化芸術創造拠点(市民会館うらわ新施設)の構築に57億8071万8千円をそれぞれ計上。教育データ可視化システム開発などでのICTを活用した学びの改革(15億3237万2千円)、農業交流施設の整備及び先進技術の活用支援による農業DXの推進(6億1092万7千円)、政令指定都市移行・区制施行20周年記念事業の実施(4億2244万4千円)などが拡大される。

誰一人取り残さない持続可能でインクルーシブな地域づくり

少子高齢化の進行や新型コロナウイルス感染症や物価高騰の影響による経済活動の停滞など、社会経済状況が大きく変化し続ける中、持続可能な成長・発展へ向けて「誰一人取り残さない」というSDGsの理念の基に、セーフティネットを確保しつつ、誰もが住みやすく持続可能な地域社会の実現を目指す。

新規事業として新療育センターの整備に8592万3千円を計上。障害児療育における初診待ち期間の長期化と地域偏在解消へ、岩槻区に新たな療育施設を整備する方針。多子世帯子育て応援金給付も新たに実施され、6770万2千円を計上している。

また、ケアラー・ヤングケアラーへの支援の充実は7966万2千円に拡大。

高齢者等の移動支援及び身近な公共交通の充実も2124万7千円に拡大されるが、高齢者等の日常生活に必要な買い物や通院など外出支援に関して社会福祉法人や地域住民らが主体となり実施する移動支援事業に対し補助金を交付するという。

公民学共創と質の高い市役所づくり

多様化する市民ニーズや新しいライフスタイルに対応するため、従来の行政の在り方を絶えず見直し、市民と市職員がともに幸せになる「Well-Being経営」を実現する。また、多様化・複雑化する行政課題に柔軟に対応するため、公民学共創をより一層推進、新たな時代に対応する市役所を創造する。

新規事業として、LINEを活用した情報発信の強化に384万8千円を計上。効果的に情報を届けるため、市民が求める分野の情報をプッシュ型で発信する。また、ホーム画面に分野ごとのボタンを増やし、該当するホームページへアクセスを容易にする。このほか預貯金等調査の電子化及び登記データ連携システムの構築にも682万円を計上した。

キャッシュレス決済の対象拡大に1億7291万8千円、公民連携によるJCHOさいたま北部医療センター跡地利活用の推進に2267万1千円とそれぞれ拡大もされた。

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