【さいたま市議会短信】こどものための条例制定など質問 2021年2月定例会代表質問より

2/2にさいたま市議会2月定例会が開会し、3/18までの45日間開催される。

年度末にあたり来年度予算などを審議するが、2/8〜10の3日間各会派による代表質問がなされた。

一部答弁を紹介する。

子どものための条例制定を

傳田ひろみ議員(民主改革)よりこどものための条例策定について質問があった。

質問内容

市政運営において、こども達の声にしっかり耳を傾けてその気持ちを受け止める仕組みづくりが必要である。

しかし市では公園の利用についてこどもたちの意見の把握を行なっておらず、不登校の課題認識や対策もこどもたちに寄り添っているとは言いがたい。

市は2013年にさいたまキッズなcity大会宣言を行っている。同大会宣言では、全ての青少年が個性を尊重され健やかに育ち社会で輝いて生きられる地域社会の実現を目指していくことを発信した。

同大会宣言を市はどうを受け止め、どのような動きを行なってきたか。

また、国連においては1989年に児童の権利に関する条約が採択され、我が国は1990年に署名・1994年に批准した。
同条約は児童の人権尊重や保護を目指すとしており、第12条には締約国が児童に対して自由に意見を表明する権利を確保すると明記されている。

署名から30年が経つが、市としても同条約に則った条約を検討すべきではないのか。

市長からの回答

同質問を受けた清水市長の回答。

同大会宣言は、未来を担うこども一人ひとりが心身ともに健やかに育ち自立し輝いて生きるよう、社会全体でこどもの健やかな成長を支えあう機運を醸成し、市民・事業者・行政・学校などが絆で結ばれ子育てを推進する地域社会を目指して制定された。

同大会宣言を起点として青少年の幸せと命の尊さを第一に、未来を担うこどもたちが輝ける社会を目指して「こどものびのび夢プラン」を策定し、青少年を社会全体ではぐくむという視点に立ち様々な政策に取り組んでいる。

同大会宣言について市内小中学校へのポスター貼りや子育てブックへの掲示などで、市民への周知・啓発に努めた。
2015年からは市立小学校の新入生全員に同宣言を記したクリアファイルを配布し、こどもだけでなく保護者への周知も行っている。

合わせて、児童の権利に関する条約に則りこどもの意見表明の権利を確保し、こどもならではの意見を把握するのは大切である。
未来を担うこどもたちからの声を聞くため、2016年度から市でもこどもの提案制度を実施、自由な発想によるアイディアを市政に取り入れてきた。

同大会宣言から10年も近いが、こども達を取り巻く環境においては虐待やいじめなど人権に係る問題が深刻になっている。

こどもの育成や虐待防止など各テーマにおいてこどもの権利に関する条約などを制定する自治体もあるが、同大会宣言の理念や権利の確保へ実効性を高めうる条例などの制定に向けて他自治体の事例を研究する。

スポンサーリンク

ゴミをためこんでしまう人への福祉的支援について

中島隆一議員(自民市議団)はいわゆるゴミ屋敷問題に対する福祉的支援に関して質問した。

質問内容

市の調査によると、家屋内や庭に大量のゴミを溜め込んでしまう人々が市内10区に10軒あるという。

それでも外からの目視だけでなく室内に溜め込む家もあるため、実際にはかなりのケースがあるとみられる。

それらゴミ屋敷には区役所のくらし応援室が対応しているが、同部署のみでは手に負えず各部署が専門分野として連携して対応している状況だ。

支援制度の紹介や地域・行政が対処療法的にゴミを片付けても再びゴミを溜め込む可能性があるため、根本的な解決にはならない。
それゆえ問題の解決には、住民への訪問など福祉的なケアが必要となる。

ゴミの山積にも様々な場合があり、くらし応援室のみでの対応は難しい。例えば保健福祉課と連携するなどしなければ、根本的解決はできない。警察や消防など関係機関との協力にも向けて情報共有を図るべきと言える。

かつてセルフネグレクトを体験した女性の話によると、近隣の交流や会話がなくなってだんだんと疎遠になり、次第に生活環境が乱れゴミが溢れたという。
周辺に助けを求めることもできなかったそうだ。

このようにセルフネグレクトになった人は社会から孤立し、判断力が低下しうる。

市には空き家の適正管理に関する条例はあるが、ゴミ屋敷に関する条例はない。
住民が助けを求めているけど声は出せないということもあるため、早急に住民からのSOSを察知すべきだが、人的支援を含めた条例化を検討してもいいのではないか。

高橋副市長からの回答

質問を受けた高橋副市長の回答は以下の通り。

現状ゴミ屋敷の対処にあたっては、各区のくらし応援室が窓口となり、住民の気持ちに立って関係部署・機関へ協力依頼をしている。

ゴミ屋敷になるのには多種多様な理由が考えられるが、福祉的な視点からは障害や高齢や地域からの孤立などが挙げられる。

基本的に市としては、住民が抱える個別課題に応じて解決すべきとしている。市民局や保険福祉局や環境局などをはじめ様々な所管部局や外部機関が相互に協力するとともに、福祉的側面としても本人に寄り添った支援ができるよう対応する。

条例化も視野にという声もあるが、本人に寄り添う支援が大切であるため引き続き関係部局との連携を強化して対応する。
その上で条例化に関して今後他の自治体の条例の効果などを研究し、検討する。

スポンサーリンク

この記事が気に入ったらフォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事